第16話 2年前の謎
「初めまして私はユーリこの馬鹿の師匠だ。で?君は?」
「はじめまして。リュウと申します。」
「ちゃんと挨拶も出来るいい子じゃないか!
不思議な場所に居た事を話した。
「それは次元の狭間だね。きっと精神だけ向こうに行っていたから無事に帰ってこれたんだろう。
「その剣は見当たらないがきっと大丈夫だよ。
「じゃあ歓迎会もかねて食事にしようか!
見たことがない独創的な料理が並んだ。
「こっちがヒトカゲのスープ、これはレッドベアの手、キングタートルの肝。」
どれも見た目が最悪だ・・・覚悟を決めて食べてみると、とても美味しい。
和やかに食事が進んだ。
「あの火柱はこの子がやったのか?それは凄いな・・・。
「あの日力尽きたリュウを連れて城に戻るとロウと名乗る人物が突然現れ話しかけてきました。」
~二年前~
「やれやれ無茶をなさる。」
「貴方は?」
「ワシか?ワシはロウ。んでこのメイドはウインディーじゃ。」
「もうしばらくしたら目が覚める安心しなされ。」
「バーン王子、レイモンド、混乱しているようじゃからワシが説明してやろう。」
「そもそも事の始まりは勇者と邪神の時代まで遡る。」
力を失った邪神はその力が戻るまで長き眠りについた。力を戻すためには邪神を崇める者が必要じゃった。
そこで魔族が手を挙げた。見た目は人族そのものじゃ。食うものが違う魔力じゃ。
このリュウは魔力が無かった。そこで赤龍帝の瞳が発動した時、空の器に魔力が満たされた。
龍に見初められたのじゃ。普通は道は二つしかない生贄になるか傀儡になるかじゃ。
「しかし赤龍帝はこの子を依り代に選んだのじゃ。」
「ワシは剣じゃ。そしてこのウインディーは鞘。本来主が死んだ時ワシらも死ぬべきじゃった。」
「話が逸れたな・・・。」
紅茶を一口すすると大きなため息をついた。
「魔族はその勢力を伸ばし始めた。記憶の改竄は彼らの常套手段、その力が強まり教会を作り、帝国を乗っ取り今に至る。」
「ワシは元々帝国の家宝として王座の後ろに飾られていた。しかし次の世代に交代した今は単なる魔力体じゃ。消えもするし現れもする。」
「残り僅かな命を不憫に思ったのか神からのご褒美じゃな。」
「敵は世界中におる。目を瞑ってしまえば何らいままでと変わらん。しかし知ってしまったからには争いが生まれるのじゃろうな。」
「打つ手はある。呪術じゃから解呪の仕方もある。それが全世界となるとやはり膨大な魔力が必要じゃ。
それで、この子じゃ。」
「これからどうする?抗うか?王子よ?」




