第14話 暴虐の王
いじめられっ子が王になった話を知っているだろうか?
彼は神と契約を交わし力を得た。
その力は強大でどんな攻撃も無に帰した。
ある者は存在を消され、ある者は椅子としてその生涯を終えた。
彼は破壊と残虐の限りを尽くし世界の王になった。
暴虐の王は世界を手にいれた後、神になりたくなった。
しかしある時、光の中から瞳の赤い少年が現れた。
少年は神の使いだったのだ。
少年は王を倒すと一振りの剣に封印した。
そして少年はどこかに消え世界はまた日常を取り戻した。
「今日の授業はここまで!良いですか?どんな力を手にしても暴虐の王の様にはなってはいけません!!正しい事に力を使いましょう!!」
「先生さようなら~」
「師匠・・・ご無沙汰しております。」
「あら?誰かと思えばレイじゃない?その子は?」
「この子はリュウです。私の養子でして・・・この子の事で師匠に頼みがあって参りました。」
「ふむ・・・驚いた・・・赤龍帝の瞳が実在するなんて。この子は・・・・。」
「この本を読みなさい。」
「一冊の煤けた本、普通の人は意味も分からず捨ててしまう本・・・だけどそれは違う!!この世に現存している唯一の黙示録!!ロマンがそこに!!」
「師匠・・・これは1000年以上前の文献で暴虐の王の時代に書かれたものですね?」
何事もなかったかのように本をめくる。
「相変わらずノリが悪いわね。それで?この子はなんで心が無いの?」
「それなんです!!実は・・・。」
森での出来事を話す。
「この子は別の次元に心を置いてきたのね。」
~次元の狭間~
ここは何も無い・・・。
世界の平和には興味がなかった。
初めて命を得てから今のようにただ主を待っていた。
退屈な時間がただ過ぎていく。たまに現れた人は我に触ると無と化した。
どうして剣になった?
元々は何だったのだ?
「あの~すいません。ここは何処でしょう?」
ここは何もないところだよ。
「そうですか・・・どうやったら出られますか?」
簡単に出れたら俺も楽なんだが・・・・!!えー!!お前誰だ?なんで?いつから居るの?初めてだわ!!
「そんなに慌てないで下さい。」
やっと話し相手が出来たわ~|!!
「剣がしゃべるなんて初めて知りました。」
んー!!俺には触るなよ!触ると消えてしまうからな。
「え?もう触ってますけど?」
そうか・・・やはり消えるのは怖いよな・・・でも触らなければ大丈夫だから。
「いや・・・そのすいません。もう触ってます。」
そうかー!!ってお前大丈夫なのか?
「はい・・・・。」
少し落ち着いて話そうか。




