誘拐2
目を覚ました時レイモンドさんが隣にいた。
「あれ?ロウさんとメイドさんは?」
「ロウ?誰だいそれは?」
これまでの経緯を説明する
「なんでそんな危ない事をしたんだ!!どうなっていたかもわからないのに!!」
それを聞いて少し嬉しくそして申し訳なくなった。
「何をニヤついてるんだ!」
「その・・・自分の事を心配して怒って貰えたのが嬉しくて・・・すいません。」
「いや、良いんだこれからは、必ず私に相談するんだよ?」
「はい。」
しばらく気まずい空気が流れた。
空が明るんできて、ふと、我に返った。
「あの!バーン王子は!?」
レイモンドさんは無言で首を振った。
「僕も手伝いが出来るかもしれません!」
「何をするんだい?」
「視覚を共有する事が出来るんです。」
「視覚を共有?」
日が明けると渡り鳥の群れが上空を通過しようとしていた。
鳥に意識を集中する・・・・鳥が見ている景色が見えた。
しばらくすると森に馬車止まっているのが見えた。
「あれは王子だ!!見つけました。街道沿いの森の中です。」
「もう少し詳しい状況を・・・・。近くに獣・・・はダメだ。いない。」
「それは人でも可能なのか?」
「試してみます・・・いました!!バーン王子です!!場所は街道の脇の森の中です。」
「よくやった。現状は?」
「女の人が一人、兵士が6人・・・・あとは・・・第一王子がいます。」
「なに!!一緒に捉えられているのか!?」
「いえ・・・なにやらバーン王子に剣を向け話しかけています。」
「会話の内容はわかりません。」
「よし!!これから王子の救出に向かう!!ガンドラとマチルダには合流するように伝書鳩を飛ばしてくれ。」
「リュウ君も一緒に来てくれ!!」
「はい!!」
「これはあまり使いたくはないのだが仕方ない・・・ブースト。」
馬に魔法をかけている。
「今のは?」
「強化魔法だよ。これは生命力を代償に肉体を強化する魔法だ・・・この馬にはすまない事をした。」
それから信じられないくらいの速さで馬は駆け出した。
息をするのもやっとという早さだった。
杖を前に出し・・・「ウィンドガード。」
「これは空気の壁を作る魔法だよ。」
凄い速さで走っているのに苦しくない。
「これらの魔法は、これから教えるから覚えていくんだよ。」
一時間ほど走った所で馬は痙攣しながら倒れた。
「リュウ君王子は?」
「たぶん、あの森の中です。」
「私が様子を見てこよう。大人しく待っているんだよ。」




