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赤龍と白銀  作者: ITTO
第1部
11/27

第10話 誘拐

「王子、本日はこのような場所にお越し頂きありがとうございます。」

「こちらこそ、お招き頂きありがとうございます。町長、馬車を降りて少し歩いても良いか?」

「もちろんです。何か気になる事でも?」

「いや、すまない。少し懐かしくて。」

「ここに来たのは10年振りか・・・当時、大災害の視察に同行していて。」




~10年前~


「ちちうえー!!あにうえー!!」


「こらこらそんなに走ると転ぶぞ!」


ズザザー


「えーん!!えーん!」

「言ったそばから転ぶなよ。バーンお前はどんくさいな~ほら、負ぶってやるから泣き止め。」


「うん。」


「いいか二人とも今日私は王としてではなく一人の男として、ここに着たのだ。」


そう言うと避難民の傍らに寄り添い話を聞いていた。

しばらく何かを話終えると王は頭を下げ謝っていた。


「王様そのような事されては威厳が!!」

「威厳なんぞ捨てておけ!!国民が第一だ!!」


それから至るところで同じ光景を見た。


「父上はなぜ、謝るのですか?」


「この大災害は回避出来たかもしれない。一国を預かる者として、知らなかったでは済まないからだよ。」


「ほら。二人ともこっちにおいで。」

そう言うと王は二人を抱き抱えた。

「いいか二人とも王族が出来る事には限りがある。その中で最善を選ぶのだ。」

「はい!!ちちうえ!!」


あれから10年・・・あの時の言葉を忘れた事はない。




「王子?大丈夫ですか?」

「大丈夫だ。」

「会談はこの部屋で行います。」


中に入ると覆面をした男が数人いた。

抵抗する間もなく目隠しをされる。

「誰の差し金だ?」

準備が整うまで隣の部屋でお休み下さい。

答える訳ないか。「わかった。大人しく従おう。」

5分ほど経つと馬車に乗せられた。


「どこに行くのか教えてくれないか?」


気が付くと目隠しと猿ぐつわをされ馬車に揺られていた。


そうだった・・・私は誘拐されたのか。


話し声が聞こえてきた。

「しかし今回の任務は楽だったな。」

「帝国領までもう少しだ気を抜くな!!」

「ハッ!!」


敵は少なくとも4人以上か帝国に誘拐・・・。

兄上や父上には辛い選択をさせてしまうな・・・・。

レイモンドとリュウは大丈夫だろうか?


私が誘拐されてからどれくらい時間が経っているのだ?

今の話ぶりから推測されるのはテオドールの東ランドールに向かう所か・・・。

テオドールとランドールを結ぶ道は二つ山道と街道がある。この揺れ方は街道だな。


馬車が止まった。休憩をとるのか?


猿ぐつわが外されると辺りが急に静かになった。


目隠しを外されると帝国の旗と見覚えのある顔があった。

「兄上!!なにおしているのです!?」

後ろから気配を感じる。

「はじめまして。バーン王子。私はクラナダ・・・アラート帝国の第一皇女です。」


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