目覚め、驚き、舌鼓
投稿時間の指定なるものを使って見たが、どの時間に投稿するのが一番効果的なのか全く見当もつかない…どこかの人を見習おうか
また夢の中だ。目の前に女が立っている。
昨日の夢の女かと思ったが、服装が違う。顔は似ているが、着て居るのはタンクトップではなく若葉の色の様なワンピースだ。今度は小麦畑ではなく、村の中だ。熱帯の植物が辺りに生え、木造の家が並んで居て、明らかに僕が最後に見た町ではない。
女の口から言葉が発せられた。「やっほー。元気?今日は疲れたでしょ?ゆっくり休んで。」と。あまりにも軽々しい口調である。
ただ昨日の夢の女と全く同じ声だった。そして所々印象が昨日と同じであったから、同一人物だろうと推測した。
多分会った事があるからという理由でこういう口調なのだろうか。それにしてもまだ会ったのは今回含めて2回目である。よく分からない世界で彷徨い、戸惑っている僕を気遣っての言葉遣いなのかも知れないが、生憎僕はそう言うのを好んでいない。
目が覚めた。今度はベットの上である。かなりふかふかしている。ウールだろうか。色は白く、南の窓から差す朝日に照らされて、輝いている様に見えた。昨日みたいな小屋の地べたで麻布を掛けて寝る見たいな羽目になって無くて良かったと考える。
何故かこの時になって、自分の荷物は何処に行ったのかと、学校から帰宅する時には有ったはずの物について思い出した。もしこの世界が中世だとか古代風の異世界だとするなら、僕が持っている高度文明の塊なんて持ち込んではいけない物なんだろうなとか考える。
ドアが開く。少し驚く。誰もいないとは考えていなかったが、驚いた。
何処かの街の路上を最後に途切れている意識の中で、勝手に民家の中へ入り寝床を拝借するなんて不可能である事など明白だから、誰かしらが住んでいて、僕をここまで連れ込んだのだろうとは直ぐに解った。
(※以下二重鉤括弧は日本語以外の言語で話されているとする。しかしそのまま表記すると読む方も書く方も面倒臭いので、例外を除き基本全て日本語で記述する。)
『起きていたのか。』
何を言っているか分からないが、長いウサギの様な耳を持つ人種が入って来た。所々見える肌には茶色い毛が薄く生えている。顔にはその様な毛は生えておらず、ヨーロッパ人の様に白く見える。少しジト目の様で、こちらをいつも睨んでいる様に見え視線が少しキツい。瞳の色は灰色だ。化粧はもしている。全体的に薄く見えるが、目の周りの化粧だけ少しばかり濃い。見た目はまさにウサギ人間だ。
服装は民族衣装の様だ。スラブ系、ポーランド辺りの民族衣装と少し似ている。後ろ髪が肩甲骨あたりまで伸びているのが見える。白髪というより銀髪の様だ。
考えている間にも何か話していたが、僕にはその言語がわからないし、かなり早口で喋っている。英語もその様な感じでネイティブが話しているので、僕には到底無理だとか思っていた。だがそれより早い。これは生きていけなさそう。そう思った瞬間、酷い耳鳴りがした。爆音マフラーのドラッグカーが真横でふかし始めた様に、低く、うるさい。イライラした。
5分くらいするとそれは止んだ。そして先のウサギ耳の若そうな女がまた何か話しかけてくる。「坊や、あんた何処から来たの?」
子供をあやす様に言われた。酷い耳鳴りでイライラしていたのが治ったと思ったら、これですよコレ。またイライラした。
アレ?ちょっと待て、言葉が解るぞ?先程まで何を話しているのかも分からなかったのに、あの酷い耳鳴りを境に言葉が理解出来る様になった。取り敢えず尋ねる。「ここは何処ですか?」と。
ウサギ耳の女は「ライヒェンバッハ」と答える。ドイツ風の地名だから、彼女が喋っていたのはドイツ語だったのか。
そして続けて「ところで、貴方は何処から?名前は?」と。
僕はありのままに答えようとする。ただ言葉が詰まる。もしそのまま答えたら頭のおかしい奴と思われ、荒野に放り出されるか、何か変な事をされるかもしれない。ただ何もドイツ語の地名は思いつかない。
大変な事になるかもしれないと承知の上で、「埼玉の所沢に住んでいる。僕の名前は青山大地だ。」と。
プロローグで書くのを躊躇った僕の名前。何故躊躇ったのかって言われると、自分でもわからない。多分気分だろう。
自分にとって相当マズい答えが返って来そうだと不安になっていたが、彼女の答えは違った。「遠い東方にそんな感じの名前とか地名を使う種族がいたと思うけれど、それにしてもそんな遠くからここまでこんな子供が1人で来れるの?とにかくまぁ言葉が通じて良かった。」
さっきから子供子供と言われるが、彼女は身長173センチメートルの僕より明らかに大きく見える。2メートル近くあるのでは無いかと考えた。
「取り敢えず、ごはん持ってくるから動かないで。」そう言い、彼女は出て言った。
数分経ったら運ばれて来た。持って来られたのは粥の様な物。それとライ麦か何かのパン。粥は米で作られた物では無い事は確かだ。取り敢えず1日半ぶりの食事にありつく。まず粥だけを食べた。美味しい。
中世や古代の様な料理と言ったら、あまり美味しそうな印象を受けないが、空腹は最高のスパイスなのか、とても美味しく感じた。パンの存在を忘れて、粥を食べ切った。
久々の食事だからか、普通の量の粥を食べただけで何も食べられない様に感じる。パンは申し訳ないが残す事にした。その旨を彼女に伝えると、彼女は「粥にパンをつけて食べるのが美味しいからって、持って来たのに。まぁ粥だけでも美味しいから仕方ない。」と言う。遠まわしにパンも食べろよと悪口を言われた。彼女は僕が食べた後の食器を洗いに部屋を出た。
実はまだ導入部分なんですよ…苦笑
削りに削って訳分からない部分が無いことを祈る。
設定は練っている様で全く練ってないです。アドリブみたいな感じで書いてます。