探し求めて
前回は異世界突入前の少しダークな部分多目のパートで、あれだけ書いて寝たら詐欺みたいな気もしたので書くことにする。明日の学校は気にしない。
どうせ行って良いことないし。
朝になったらしく、自然と目が覚めた。
何も無い小屋の中で寝ていた。
小鳥の囀りが聞こえる。
あれは何だったのか。ただの夢では無いのは覚えている。しかし結局何も無い様に感じる。眠くなった後に自力でこのよくわからない小屋に入って寝たのだろう。ただ、意識が朦朧としながら麻布を掛けて寝るというのは相当の芸当であるし、まず不可能だろうから、誰かが掛けたに違いない。
しかし、まだ9月の上旬だというのに少し肌寒い。昨日の天気予報だと「昨日も今日も気温は最高気温で30度近い、最低気温は25度前後」とか言っていたが、明らかに30度どころか20度も無い。明らかに秋の様である。
僕は外に出た。一面の荒野である。圧巻された。
訳がわからなくなった。最後に覚えているのは夜中に神社境内の欅に近寄った辺りまでで、どうしたらこの様な見覚えの無い土地に来たのか。タイムスリップしたとしてもこの辺りの大昔は武蔵野の雑木林だった筈だ。取り敢えず人家を探しに行く事とした。
感覚で大体5キロメートル位は歩いただろうか?畑一つ見つからない。ひたすらに荒野がただ広がるのみで、動物もいない。人類文明が崩壊し、凡ゆる生物がそれに伴い消滅した世界にでも僕は連れてこられたのか、又は自分がいる筈の世界のどこか別の場所にいるのか。その様な事を考えながら歩き続ける。
川を見つけた。日本に住んでいる人の感覚からしてみれば、とても大きな川だ。河沿いに進めば多分何かしらあるだろうと少しばかりの期待を寄せながら、僕は川沿いを多分北の方角へ進む。
歩き始めた頃、まだ太陽は東の空に浮かんでいたが、今ではもう西に傾き、そろそろ夕暮れとなりそうである。何も見つからない。
丁度夏仕様でない制服を着ていたので、この気温は暑いとは思わない…というより寧ろ運動するのに丁度いいと思ってしまうくらいだ。大河の水は何故か透き通っていて、飲める程であった。普通、ドナウ川の様に大きくなだらかな河だったら水は土で濁ってそのまま飲むには適さないだろうとか思いつつ、喉の渇きを時々癒す。
夕暮れが終わりそうだ。もう既に暗くなって余り視界は良くない。
このまま歩き疲れて朽ち果てるのではとかいう不安がこみ上げるが、途方に暮れてもアレだからと、まだ歩いて人家を探すか、寝床のになりそうな場所を探す事にする。水は飲んでいるが、食事は一切していない。空腹で限界が訪れそうに感じる。余り良くない人生だったけれど、こんな終わり方も悪くは無いかなとかいう余り良く無い考えが浮かぶ。そして少し歩いた。灯りが見える。「あそこには絶対に人が住んでいる!」と確信した。
それから大体20分位歩いただろう。道を見つけた。未舗装であるが、かなり頻繁に人や動物、荷車が行き交っているのだろうか、月明りの中でも使用されている痕跡が判る。
ただ街灯は無い。ここは古代の世界なのか?中世なのか?色々考えた。
答は直ぐにわかった。
見つけた灯りの光源に辿り着いた。そこは小さな町であった。石で作られた、イタリアの山間部の集落の様な、西洋風の小洒落た町だった。
ただ疲労で限界だ。もうこれ以上立つ事は難しいだろう。怪我をする前なら多分なんて事ない距離だったかもしれないが、今の軟弱な僕にとってはマラソンを1日に3回走る様な感じだった。それに加えて空腹も襲って来る。寝たらそこで終わる様な気もするが、そこで終わってもいいから寝たいと思ってしまうくらいに疲れている。
結局良くわからない街のどこかで倒れた。
寝たら続きを書こうかな…なんて思ったりしたが、寝たら今思い浮かんでいるアイデアが消えそうとか思ってしまった。
寝ねばならぬが、書かねば…とかいうよく分からない葛藤と闘いました。
結果明日の学校はほぼ確実に遅刻しそう。