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女装が好きな僕と女の子が好きな私  作者: ますからっと
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プロローグ


 一話目です。これ書きながら思っていたことは、これ絶対似たようなのあるよなぁ…です。ですが、そんなのお構いなしで行きます。

 因みにこの作品を作るにあたって特別に読んだ小説はありません。


 私は、個人的に緩い感じが好きなので、緩い感じが多くなると思います。シリアスシーンは少な目です。


それでは


 唐突だが、僕は女装が好きだ。それこそ休日の半分近くを、そうやって過ごすくらいに。

 これといって理由は思いつかないが、原因ならある。


 僕には姉がいる。勿論親もだ。そして僕は小さいときから、女の子のように育てられた。

 髪を伸ばし、服は姉さんのお下がりを貰い。時には、僕の為に新品の洋服を買ってもらったこともある。案の定女の子用だったけど。もったいなくて未だにクローゼットに残っている。多分、将来生まれてくる子供に着せることになりそうだ。……恐らく、男の子であっても。


 誤解が無いように言っておくと、女装をするのが好きなのであって、男と恋がしたい訳じゃない。恋愛対象は、世間一般の男子と変わらず女の子だ。性同一性障害という訳でもない。それらは女装とは違うのだ。

 因みに、幸いなことに身長は162㎝、声も同学年の男子と比べると高い。それも大して苦労せずに、女声が出せるくらいには。なので、180㎝超えの筋肉ムキムキな巨漢が、バリトンボイスでピッチピチの女性服を着ているという大惨事にはなっていない。

 おえ、想像したら気分が……。そんなのモンスターだよ。ハロウィンでもアウトだろ。

 

  誰か個人を批判する意図はありません。本心でもございません。


「キャラメルマキアートのショートで」

「380円になります。500円からお預かりします」


 今日はついてる。いつもならこの時間は混んでて、諦めて帰るのが多いんだけど、珍しく空いてるぞ。一人でスターホックスはちょっと勇気がいるけど、背に腹は代えられん。これもキャラメルマキアートの為と思えば…!


「あちっ!ふぅー、ふぅー。こんなことなら冷たいのにすればよかったか……」


 もう桜も見納めか…。そういえば今年花見行ってないな……。全部散る前に行ってみるか…。父さん、帰ったこれるかな…。

 やっぱり…春はいい。ポカポカなこの陽気に、そよ吹く風。落ち着いた店内に、一人読書。外を見れば、忙しそうに駆けていくスーツ姿。…お疲れ様です。でも、幸せだぁ~……。こうやってのんびりしてるときが、一番幸せだよ。この次は服とか見に行こうと思ってたけど、なんかどうでもよくなってきた。こ、これがスタホの魔力かっ!


『どう?楽しんでる?』

『ぼちぼちかな』

『またまたー。素直じゃないなー、妹ちゃんは』

『弟だっての』

『お姉ちゃんも行けばよかったなぁ…。ゆうきが居なくて寂しいよぉo(>_<)o』

『はいはい』

『あ、お母さんから伝言。今日はお父さん帰って来るから、早く帰っておいで―(/*´∀`)oってさ』

『それは顔文字も込みなの?」

『そうみたい』

『マジか……』


 こうなっては仕方ないな。帰るか……。隣町まで来てるから、ちょっと早めに帰らないと遅くなるかもだし。と言ってもまだまだ陽は高いんだけどね。……うん、最後に服だけ見て帰ろう。服は服でもレディースだけどな。メンズなんて数着あれば着回せるでしょ。あんまり家から出ないし。実際、僕が持ってる服の内八割はレディースである。


「4時5分か……。よしっ、急ぐかっ!」


 こうやって走っていると髪が跳ねに跳ねて大変だ。地毛じゃないけど。いくら伸ばしているって言っても限度があるし、こういうときはウィッグ着用だ。まぁ、地毛でもショートカットくらいには見えると思う。ただ、知り合いに会ったときにバレやすくなるのがちょっと……。もう一つは、やっぱり髪が長い方がそれっぽいし楽しいから。

 因みに、化粧も姉さんの道具を借りてやっている。ほんの少しだけだけどね。これもバレにくくするためだ。……ホントだぞ?


「待ってろよー!ふくー!」


―――――――


「急いで、あかり!ホントに乗り遅れちゃう!」

「わ、わかってるって!」

「あっ、あの人もこの電車乗るのかな?私達も急ぐよ!」

「……はぁ、はぁっ。ゴメン、先に行って。あたしのことは置いていけーっ!」

「もうっ!そんなこと言われたら行けないじゃん。ていうか、大声出さないでよっ!皆こっち見てるじゃん!」


 は、恥ずかしい……。最近やってたアニメのアリがちなセリフがつい……。あれは面白かったなぁ……。

 ん?そういえば今って……。汗だくで息が荒い女子高生が二人……。これ以上はもう何も考えないでおこう。精々そこら辺にいるおじさんの妄想が捗るだけだし。男に興味なんてないからどうでもいいや。


「ゴメンって。それよりもう無理だから次のにしない?」

「まだ走れば間に合うと思うけど……。うん、わかった。……ね、さっきの人可愛かったよね。ちょっと憧れちゃうなぁ~」

「何言ってんの、あんたも十分可愛いじゃん。……確かに可愛かったけど」

「でしょ!?あんな子もいるんだね~……。って、あれ?これウチの高校の生徒手帳じゃない?」

「ホントだ。さっきの人かな……っ!」

「ちょ、あかり!?いきなり走り出してどうした……行っちゃった」


 あたしは後ろ姿しか見られなかったけど……可愛かった。それも今まで生きてきて見たことがないくらいに。男なんてどうでもいい。だからあたしは女の子が好き。ううん、女の子が好きだからどうでもいいんだと思う。家族とか友達とかそういうんじゃなくて、恋人的な意味で。

 だからかな。もしかしたら一目惚れかも知れない。かも知れないだけで違うかもしれない。でも、これだけはハッキリとわかることがあった。それは、今このときを逃せばもう二度と会えないこと。

 だから走る。もし電車が出てしまえば……。


「あ、あのっ!これ、落としましたよ!」

「え、うそ。……ホントだ。助かったよ、ありがとね」

「い、いえ!こちらこそありがとう!」

「えっ……?」


 もう一つハッキリとわかることがある。


 あたしは今恋をしたんだ。

 


 誤字、脱字等ありましたら、ご指摘ください。

 可能な限り修正します。

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