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41話 資料請求

感想、評価、ブックマーク登録、メッセージ、誤字報告、ありがとうございます

 レヴィアにMP譲渡しただけで、DPが9千近くになってしまった。

 やはり彼女と暮らすのは危険なんだけど、そのせいで余計にロックオンされている気がする。


「私のあんな恥ずかしい姿を見てしまったのだから責任とりなさい」


「ちょっと失」


「ストップ! い、今なんと言おうとしたのかしら?」


「……失神した姿を見ただけじゃないか」


「ならばよし」


 俺がなんと言おうとしたと思ったのかな?

 もしかして失き……可愛らしい瞳でギロリと睨まれたのでそれ以上考えるのを止める。

 まさか読心なんていうスキルは持っていないと思うけど、ないとは言い切れないのが怖い。


「でもほんと頼むよ、これ以上DPを急上昇させたくないんだからさ」


「わかったわ。これからは魔力の受け渡しはセーフルームで行うことにしましょう」


 しないって選択肢はないんでしょうか?

 リヴァイアサンのMPが不足するなんてことないじゃん。


「寝る時もセーフルームで頼む。レベルアップもしたし、CPを使えば大きくなることもわかったから、ベッドも入るだろう」


「もう“気”の使い方を覚えたの? さすが私の夫ね」


「夫違う。難しくはないだろ?」


 別に特殊な呼吸法が必要とかじゃないんだしさ。

 ただちょっと、恥ずかしいだけで。


「慣れるのに意外と時間がかかる者が多いわ」


「そんなもんかね?」


 まあ俺も、叫ばずに使用しようとしたら慣れてても失敗するかもしれないか。

 いつもシャウトしてたら暑苦しいやつだし、無言でやる練習もしておこう。


「でもなんで寝る時もセーフルームなの?」


「寝ぼけて瘴気を解放されても困る」


「あ、そうなんだ。ボクはてっきり……な、なにを言わせようとしてるのさ!」


 コルノが真っ赤になってわたわたし始めた。

 もしかしてベッドや寝るって言葉からあっちの方を想像したのかもしれない。

 前はもっと小悪魔的だったのに、今じゃちょっと残念な感じすらする。

 どっちも可愛いから問題はないんだけどさ。


「水浸しにされないように、排水口も増設しておこう」


「わ、私はお漏らしなんてしないわ!」


「へ? 寝ぼけて津波とかおこされたら怖いからなんだけど」


「……寝ぼけていてもそんなことしないわ」


 勘違いさせてしまったらしい。

 若い娘への言い方には気をつけないといけない。

 おっさん覚えた。



 ダンジョンエディットのウィンドウを開き、各層の落とし穴の底に大きめの排水口をいくつもセットしておく。数も多目にだ。

 これでどの層でリヴァイアサンが暴れても少しはもつかな? ……無理か。すぐに壊されちゃうね。


「まだDPがあるな」


 いっそのことこのまま貯めてフィールドダンジョンを目指すか?

 ……レヴィアがまだいる以上、なにがあるかわからない。使えるだけ使ってしまう方がいいか。


 迷っていたけど、保険入っちゃうかな?

 通称ダンジョン保険は、ダンジョンマスターが加入できる保険だ。

 ダンジョンマスターの死亡時に保険金としてDPがもらえる。


 ダンジョンマスターの復活にはDPがかかり、ダンジョンマスターのレベルや種族、能力に応じてその額は違う。DPが足りないと復活はできないので、保険は重要だと思う。


 PCを起ち上げて保険関連を調べる。

 へえ、勇者が近づいている時の一時的なダンジョン閉鎖に伴う補償金の支払いがある勇者保険等、種類やオプションがいろいろあったりするのか。

 眷属や重要アイテムにも保険をかけておくことができ、もしもの時にも補償されるようだ。


「ダンジョンレベルが高ければ、死んだ眷属の復活もできるのか」


「そう。お気に入りの眷属を蘇らせるためにダンジョンレベルを上げるダンジョンマスターも多いのよ」


 それに必要なダンジョンレベルは当然10を軽く超えている。その必要DPも膨大だ。

 運営(かみさま)もこちらの弱いとこをついてくる。大事な眷族を復活させるためなら、無料復活を諦めてさらにがんばってDPを稼ぐしかないじゃないか。

 俺だってもしコルノが死んでしまったら……考えるだけでも嫌だ。やっぱり保険に入っておこう。

 ダンジョンレベルが10になる前に入っていれば、月々の保険料も安くて済むし。


「どこがいいかな?」


 ポイントサイトを経由し、資料請求をしておく。けっこうDP貰えるんだよね。

 1件で10~20DP。タイムサービス中のを選ぶと100DPなんて大盤振る舞いもあったりする。


「DPを減らしたいのに増やす手続きをするの?」


「アリバイ作りかな。こんなこともやってDPを増やしたんだ、っていう。それにDPが貰えるのは今すぐじゃないんだよ。資料が届いて、保険屋の担当と話をしてからだ」


 むこうもプロだし、こっちは多くのDPを貰うという負い目があるので話をしやすくなるのだろう。

 デパ地下の試食品販売と同じだ。食べた以上は買わないと気まずい。

 おっさんだったら簡単に流されて契約しちゃいそうなんで、今までこの方法ではDPを稼ごうとしなかったんだよね。

 今回は契約するつもりなんで、アリバイ工作も兼ねて利用する。


「今はこんなのがあるのね」


「リヴァイアサン特需がなかったら、これも使って地味に稼ぐ予定だったよ」


 カードの作成は今度にしとくか。

 銀行に預けてる分のDPはダンジョンレベルの判定に計上しない、ってんならいいのに。

 銀行に預けててもその分もちゃんと加算されてダンジョンレベルが上がっちゃうみたいだもんなあ。


「コルノとレヴィアはこのポイントサイトを経由した通販サイトで服と下着や家具を適当に見繕っていてくれ」


 そうすると、通販サイトのポイントだけでなく、ポイントサイトのポイントも貯まるのでお得なのだ。

 さっきのこともあるのでレヴィアとコルノに衣類を買っておいてもらうことにした。


「小人用だといいのはないと思うから縮小するサービスを後で使うとして……うん。3千DPまでなら使っちゃっていいよ」


「フーマはどうするの?」


「俺はさっき収集したものを整理してくる」





 素材用の貯蔵庫でアイテムボックスからゴブリンたちの死体とこん棒を出して並べる。


「剣と宝箱はあっちの方がいいか」


 宝物庫(予定)へ移動し、宝箱と剣を出す。

 そうだ、剣を修復しちゃうか。

 先程空箱から出た小人用キャプテンソードは『耐久値 8/10』と少し傷んでいるので直しておきたい。そうすれば状態のいい物が複製できる。


 購入しておいた小人用のノートパソコンでダンジョンマスターの館に繋ぐ。無線LANもセットしておいてよかったよ。


「ええと、アイテムの修復……これか」


 目的のページを見つけてアイテム修復の申請をクリックすると、目の前に巨大な箱が現れた。前世の転生エディットを思い出すな。ここに修復したいアイテムを入れろということなんだろう。


 箱に小人用キャプテンソードを入れ、確認をクリックすると入れたアイテムの状態と修理にかかる費用が表示される。

 修理代を確認して『修理しますか』の『はい』をクリック。やはりもう一度確認してきたのでさらに『はい』をクリックした。


 すると、箱が青緑色に輝きだした。

 それから数秒。ノートパソコンに『修理が完了しました』と出ているので箱から小人用キャプテンソードを取り出す。

 うん。完全に修復されているようだ。鑑定結果も『耐久値 10/10』になった。さっきよりも刀身が輝いているし新品同様だね。


 まだ修復しますかの問いに『いいえ』と答えると箱が消える。

 すごいけど、いちいちパソコンでダンジョンマスターの館を見ないといけないのは面倒だな。


 ダンジョンレベルを上げれば、ステータス確認みたいに自前のウィンドウでネットも使えるようになるみたいだから、もしかしたらわざと不便にしている可能性がある。

 運営だってこれが必要な機能だってわかってるだろうし。ダンジョンレベルを上げてもっと瘴気を集めろって促してるんだろう。


 それとも眷属に修復させるのが普通なのかな?

 次にガラテアするのはメイドさんにしようかと思ってたけど、装備の開発やメンテナンスをしてくれる眷属、ドワーフあたりも必要なのかもしれない。

 ……クールタイムは長いから、その時の状況によって決めればいいか。


 修復された小人用キャプテンソードとキャプテンゴブリンが使っていた普通サイズのキャプテンソードを並べる。こっちのも耐久値は減っているけど、素材にするので関係ない。


 MPは……さっきほとんど全部使ったけど、もうそこそこ回復している。

 MPの時間あたりの回復量は一定値ではなく、最大値の何パーセント。さっきMP倍増スキルがレベル3になって最大値が4倍で計算されるようになったので回復する量も増えている。

 それだけじゃなくてMP再生スキルのレベルも上がってるから回復速度がすごいことになっているようだ。


「レプリケーション」


 小人用キャプテンソードが増え、普通キャプテンソードが欠ける。

 うん。サイズが違うだけで同じ物のようだから、複製によるロスもほとんどないようだ。

 もっと複製しよう。


 10本ほど複製したら、それをまとめて見本にしてさらに複製する。1本1本やってたら面倒になってきたからね。

 結局、210本ほど複製したところで、もう複製できなくなった。普通キャプテンソードはもはや剣とはとても呼べない残骸なんだけどまだ取れそう。10本分に満たないってとこかな。


 小人用と普通のでは長さが6倍。重量だと216倍だから妥当なところか。

 これだけ複製したにもかかわらず複製スキルのレベルが上がらなかったってことは、同じ素材による複製は得られる熟練度が少ないのかも。


 MPがまた0に近くなったんでこれ以上は複製できないか。

 オリジナルの小人用キャプテンソードを宝物庫(予定)へ残し、複製剣をアイテムボックスに入れてコアルームに戻る。




 戻ったとたんに2人の少女に詰め寄られた。

 購入した物だろう、普通サイズの大きな衣類を持っている。まだ縮小化はしていないようだ。


「ねえ、どうかしら?」


「これとこれ、どっちがいいかな?」


 おっさんに服の意見を聞かれても困る。


「ほらこれ、ほとんどヒモだよ!」


「こちらのは透けてるわね」


 特に下着関係なんてどうしろっていうのさ!



 複製記録してるもの


・キャベツ 1枚

・冷凍鶏肉(加熱調味済) 味付け鶏モモ

・ファンド(石粉粘土)

・食塩

・ファンド板 乾燥済

・冷凍豚バラ肉(加熱調味済) 茹で豚

・長財布 革製

・炭酸水

・ファンド車輪

・豚の角煮

・量産型ゴーレム素体改

・猫砂

・卵 鶏卵

・食パン(8枚切り) 1枚

・ベッド

・マットレス

・シーツ

・毛布

・掛け布団

・小人用タオル

・小人用キャプテンソード 小人用の鉄の剣


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