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171話 ビッグスリー

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「因縁のダンジョンだ。腕が鳴るのう」


「ディアナにはこっちのダンジョンの防衛を頼みたかったんだけど、そうも言ってられないか」


 うちのダンジョンのすぐ近くの邪神のダンジョン、”暴食の十二指腸”の攻略決定に喜ぶディアナ。自分たちが身をもって封印していたのだからそれも当然ではある。


「元上司を懲らしめるのが楽しみだ」


「アスカもか。まあ、あのダンジョンに一番詳しいのはアスカだろうから外せないな」


「レギオンアント部隊、バッチリ仕上がってるでアリます!」


「死んだみんなの魂が気になるからテリーはまたダンジョンに行きたいのだ。こっちの防衛はカエルの相棒になった連中に任せるのだ。妖精じゃないから人間相手でもバカはしないのだ」


 あのダンジョン出身であるアスカとアンコ、テリーたちもダンジョン攻略に参加したい、と。テリーの仲間はまだ戦闘に慣れてないから連れていかないのは当然。カエルはハエ対策に相棒が見つからなかったやつがいればいいかな?


「リオと蜘蛛たちにも参加してほしいけど、生産の方が優先、かな?」


「この前の女子会でケットシーたちが首輪代わりにつけていたスカーフが評判に拍車をかけてるからね。糸の生産者が増えてくれてよかったよ」


 リオハルコンへの増産要望のメールが多いもんなあ。対応はレプラコーンがやってくれてるからよく知らないけど。

 救助も兼ねていた前回のダンジョン偵察で保護したメンバー中、イモムシや蜘蛛たちは回復次第、ハルコちゃんとリオのチームにて生産活動中。テリーの仲間数名も糸紡ぎのためにそっちに配置している。


「あいつら、カエルの相棒よりもハードだって愚痴っているのだ。でも、ごはんがいっぱい食べられるから頑張れるって笑っていたのだ」


「むう。ちゃんと休憩は取らせたいんだけどなあ。糸の生産が増えた分、仕事も増えちゃっているのか」


「あいつらは仕事の後の宴会ではしゃぎすぎなのだ。まだペースが掴めていないだけなのだ」


「あー、妖精たちに付き合ってたらもたないかもなあ」


 妖精の多くは夜通し騒いで、昼間寝ているやつも多い。そのくせ、畑仕事や風呂掃除などの決められたことはやっているんだから、時間の使い方が上手いというかなんというか。


「妖精たちだって毎日は続けていないのだ。日替わり入れ替わりで宴会してるのだ。だから毎晩やっているように見えるだけなのだ」


「なるほど。そりゃそうだよな。黒小鬼たちには倒れない程度にするように言っておいてくれ」


「了解なのだ。祭りまではしゃぐのはセーブするように言っておくのだ」


 お祭り、やっぱりやらなきゃいけなさそうだね。

 みんなどんなのやるつもりなのか聞いてみたい。神輿や山車作ったりするのかな。


「うちのダンジョンの防衛はマブとモルガンがおれば大丈夫じゃろ?」


「私は神殿の建築の指揮が御座いますわ」


「モルガンって強いの?」


 マブは眠らせたり、その後の夢の世界で強かったりするらしいけど、モルガンの戦い方って知らないんだよね。聞いたら眷属にしなきゃいけないって流れになりそうだったから。


「あたしの剣の師匠だ」


「え? リニアの? ディアナが教えたんだと思ってた」


「ワシはほれ、弓の方が得意じゃからのう」


 モルガンって魔法系じゃなくて剣で戦うタイプなの? 魔女っぽいイメージを勝手に持っていたんだけど。


「ミコちゃん、モルガンって前世だとどんなのが思い浮かぶ?」


「モルガン・ル・フェ。アーサー王伝説に登場する魔女や妖精の名前です。死に際のアーサー王をアヴァロンに連れていく妖精だったり、姉だったりとパターンがいくつかあります。九人の魔女の長女でもありますね。シスターさんたちがモルガンさんを入れて九人なのもそれっぽいですね」


「だよなぁ。剣で戦うってエクスカリバー使ったりするのか?」


「エクスカリバーといえばモルガンは湖の乙女のヴィヴィアンと裏で繋がってた説や同一人物説もあったような?」


 ヴィヴィアンってのはアーサー王にエクスカリバーを渡したやつだよな。石に刺さってる剣もエクスカリバーだったりするからややこしい。

 まさかそのエクスカリバーを渡したやつと同一人物説って。勇者に渡してなんかいないでくれよ。


「同一人物ついでに言うと、モルガン・ル・フェと同一視されることのあるモリガンはケルト神話の戦女神。この世界のモルガンさんはこちらの方に近いようですね。カラスにもなりますし。剣よりも2本の矛槍のイメージがありますが」


「ついには女神か」


「私の女神はお姉様ですわ!」


「あーはいはい。妖精島の三巨頭(ビッグスリー)はとんでもないやつが揃っていたのね」


 狩猟の女神と戦の女神に夢の女王。それだけ聞くと凄い戦力だ。ダンマスに知られたら欲しがって当然だろう。実際に見たらちっちゃくて眷属化は止めるかもだけどさ。


「ビッグスリー?」


「それ、格好いいわね!」


「すぐに常世の国の三巨頭(ビッグスリー)となるのですわ!」


 ああ、こういう二つ名系が好きなの、上の方の妖精たちもなのね。おっさんの場合、妖精神のフーマだろうか? でもそれはダンマス連中には隠したいから「小さいおっさんのフーマ」かな? もうちょい格好いいのがあればいいのに。


「なんか四天王よりも格好いいのだ!」


「うらやましいでアリます。邪神のダンジョン攻略で活躍して四天王の座は確保するのでアリますよ!」


「戦闘力でいえばリニアもだが、婿殿の妻は枠外じゃからのう」


 最近おさまってきたと思っていたダンジョン四天王。まだ狙われてたのか。

 まあ、四天王はともかくとして戦力と配置の確認はしないといけない。そのための会議でもある。


「その辺も含めて、一度まとめて再確認してみようか。まずはおっさんとコルノ、レヴィア、リニア」


 おっさんの背後で【ムリアン】のリアンエイトがダンジョン機能のウィンドウを操作し、四人の名前が表示される。上には「ダンジョンの主さま」との表示。個人の敬称は省略させた。


ダンジョンの主さま

フーマ 【スクナ】GR

コルノ 【小人血赤珊瑚】LR

レヴィア 【リヴァイアサン】GR

リニア 【ベルセルク・スプリガン】SSR


「おっさんたちは基本的にはダンジョン防衛だ。いつ勇者たちやクラーケンの手下が来てもいいように。おっさんとリニアは状況によっては邪神のダンジョン攻略にも出張(でば)る」


「あたしもあの邪神のダンジョンとは戦い続けてきたんだ。倒すのにだって参加するよ。ディアナ様といっしょに!」


「うむ。次は三巨頭(ビッグスリー)じゃな。ワシは邪神のダンジョン攻略組じゃ」


 ディアナの発言で「三巨頭さま」の下の行にディアナ、モルガン、マブの名前が。さらにおっさんの操作でディアナの名前の後ろに○がつけられた。まずは邪神のダンジョン攻略チームがわかるようにまとめたい。


三巨頭さま

ディアナ○【ティタニア】UR

モルガン【フェアリー・ハイプリエステス】SSR

マブ【クィーン・マブ】EXR


「ハエが管理してるっていうハチの確保も頼むな」


「任せるがよい」


 ディアナはハチを操ることも得意なんだそうだ。だが妖精島のハチはネズミたちにやられて激減しているので、うちのダンジョンに連れてくることを躊躇していた。邪神のダンジョンで確保できればとっても助かる。

 他に牛や豚、鶏等の家畜もいればいいんだけど、瘴気が濃いからきっといてもモンスター系になっているだろう。


「次からは揉めそうなので眷属になった順と関係者でいくぞ。ゴータローは攻略に、レッドはダンジョン防衛だ。他のゴーレムへの命令もあるからどっちにも必要なんだ」


「ゴ!」


「ドリ!」


 ゴーレムの報告を一番わかるのは眷属ゴーレムで次がコルノだから分けるのは仕方がない。

 ウィンドウには「ゴーレムさん」とゴータロー、レッドと表示。ゴータローには○がついている。


ゴーレムさん

ゴータロー○【キャプテンゴーレム】R

レッド【プチレッドストーンドリルゴーレム】R


「アシュラ、ニャンシーはダンジョン防衛、ミーアとタマは邪神のダンジョン攻略」


 ウィンドウに猫たちの名前が追加。上の行の表記は「にゃんこさん」だったが猫たちは気にしないようだ。


にゃんこさん

アシュラ【サーベルキャット】R

ニャンシー【風生獣】SR

ミーア○【小雷獣】SR

タマ○【ゴブリニャスナイパー】SR


「クロスケはダンジョン防衛だ。空からの見回りを引き続き頼む。ギョヒーはまだ戦力にならないから育成だな」


「ピィ!」


 防衛の担当で会議にはいないクロスケのかわりに元気よく返事するギョヒー。ウィンドウには「鳥さん」と表示された。なんだろう、育児施設のクラス名のような気がしてこないでもない。

 うちで空中戦ができる戦力が少ない気がする。「俺なら空から攻めるね」なんて言われてしまいそうだ。フェアリー眷属も飛べるけど空中で戦えるか微妙だしもっと増やす必要があるかも。


鳥さん

クロスケ【温泉カラス】R

ギョヒー【ヒギョウさま(コカトリス)】SR


「ハルコちゃんはリオ、テリーの仲間たちと生産でがんばってくれ」


「了解です」


 ハルコちゃんが返事をし、小人に見えるリオも無言で肯く。進化して〈擬態〉で妖精みたいに見えるようになったリオだけど声を聞いたことはない。まだうまく喋れないとテリーが教えてくれた。

 ウィンドウの表示は「お針子さん」か。「むしさん」チームじゃないのね。


お針子さん

ハルコ【シームストレスノーム】R

リオ【フェアリーミミックスパイダー】SR


 チーム名に相応しくお針子(シームストレス)ノームにハルコちゃんは進化している。

 進化しないと仕事量に対応できないってハルコちゃん、がんばったんだよね。


「トレントたちは邪神のダンジョンを切り取ることができたら、そっちの防衛を頼むからそれまではうちのダンジョン防衛と農作業だ」


「了解……ですじゃ」


 ダンジョンの見張りの担当であり、ダンジョン外でも活動しているトレントたち。動きが遅いから攻略戦ではあまり活躍はできそうにない。だけどゴーレムほどではないけど疲れ知らずで農業もできるから、そっちでも活躍してもらえれば充分だ。

 チームは「樹木さん」。また微妙な。でも数は多い。まだ名前がついていないやつも多い。普段から樹木名+トレントで呼んでいるせい。本人、いや本木も気にしていないみたいなので後回しにしちゃっててスマン。……木なのに気にしていないって、ふふっ。


樹木さん

バイカン【トレント(梅)】R

セレ【トレント(桜)】R

ペスコ【トレント(桃)】R

アプリコ【トレント(杏)】R

ノース【トレント(胡桃)】R

クエル【トレント(楢)】R

【トレント(柿)】R

【トレント(林檎)】R

【トレント(梨)】R

【トレント(ビワ)】R

【トレント(赤松)】R

【トレント(黒松)】R

【トレント(ヨーロッパ黒松)】R

【トレント(琉球松)】R

【トレント(レジノーサ松)】R

【トレント(トロピカル松)】R


「テリーは寄生対策かな。ハリーくんを頼むぞ」


「まーかせてなのだ!」


 テリーは訓練や前回の偵察で経験値が貯まって進化しているので攻略組でも問題はない。

 ハリーくんは黒バッタに寄生していたのをテリーが見つけて、おっさんに頼むので眷属にしてみたハリガネムシ系のモンスター。モンスター化していたせいか乾燥にも強いようで今ではリオに変わるテリーの新しい相棒となっている。偵察任務では予想以上に活躍してくれた。ちなみに「ハリーくん」が正式名称。くんまでが名前だ。

 寄生対策ももっと増やさねば。一応、〈寄生耐性〉スキルをおっさんと眷属には持たせたけどどこまで効果があるかわからないから。

 虫下しの効果がある妖精薬、あるにはあるけど味が不評。チョコレートがあればなぁ。


「テリーはどのチームなのだ?」


「テリーくんは我らといっしょでアリましょう。ムリアンとレギオンアントとの同行も慣れているでアリますからな」


「そうだな。アリたちが一番寄生されやすそうだし、あっちの地理にも明るい」


 ウィンドウの「アリさん」チームにテリーとハリーくんが追加された。アンコとリアンたちの名前も表示されるが、○をつけるのはアンコだけ。リアンたちは通信担当(オペレーター)なのでこっちで仕事だ。


アリさん

アンコ○【ムリアンコマンダー】SR

リアンワン【ムリアン】R

リアンツー【ムリアン】R

リアンスリー【ムリアン】R

リアンフォー【ムリアン】R

リアンファイブ【ムリアン】R

リアンシックス【ムリアン】R

リアンセブン【ムリアン】R

リアンエイト【ムリアン】R

リアンナイン【ムリアン】R

リアンテン【ムリアン】R

リアンイレブン【ムリアン】R

リアントゥエルブ【ムリアン】R

テリー○【小鬼】R

ハリーくん○【ワイヤワーム】R


「次はスケさんか。といっても生産から外せるワケもない」


「了解しやした」


 透明妖精のエサソンのスケさん。菌類を操る彼は戦闘力も高く、ハエたちから冬虫夏草を生やすことができるのだが、発酵食品の管理を担当しているので戦闘に出すなんて勿体ないことはできない。

 所属は四天王候補。わかってるねリアンエイト。種族ランクはRと高くはないけど皆から不満の声は上がらなかった。ダンジョン貢献度的に反対されないのは当然だろう。みんなワイン大好きだからさ。


「フェアリーは男子が攻略に参加だ。パートナーゴーレムもそうだが、貴重な空中戦力としてがんばってくれ」


「は、はい!」


「僕たちもがんばります!」


「強くなったとこをお見せします!」


 イマイチ活躍の場がなく影の薄いカルコ、チェト、ルカンのフェアリー男子。やる気は充分だな。まあ、直接戦闘よりもフェアリーらしい方向性での戦いを訓練しだしていたので、以前よりは強くなっている。


「フェアリー女子は防衛だ。トラブル時の対応力は頼りにしている」


「お任せ下さい!」


 ショタフェアリーたちよりある意味で実績を残しているフェアリー女子。だからこそ男子を戦場に出して戦果をあげさせたいというのもあったりする。

 彼女たちは戦闘力は低いが、倒れた味方へのサポート等に向いている。モルガンのところのシスターに習って〈回復魔法〉もマスターしているのだ。


フェアリーさん

カルコ【フェアリー】N

チェト【フェアリー】N

ルカン【フェアリー】N

トゥリパ【フェアリー】N

クラベル【フェアリー】N

トレボル【フェアリー】N


 フェアリーたちはもう少しで進化できるはず。色々試しながら戦わせているのでレベルよりもスキルを持っている感じだ。進化したら化けるかもしれん。


「ミコは浄化を期待している。必要があったら浄化技をお願いする」


「ダンジョンボスはベルゼブブでしたね。蠅の王ですか。どんな姿なのか楽しみです」


 ミコちゃんはおっさんよりも前世のオカルト知識が豊富なので、そっちでも頼りにしている。さすがにこっちと全く同じということはないだろうが多少は参考になるだろう。


「アスカはさっきもいったようにあのダンジョンに一番詳しい。道案内とモンスターの情報を頼む」


「任せてくれ」


「必要ならば我も手伝おうぞ」


 フツヌシもそう言ってくれた。アスカはもう瘴気がないので悪影響がなさそうだとわかったもんなぁ。

 二人の名前はスケさんと同じ四天王候補にだった。みんなそんな認識なのか。たしかに戦闘力が高い二人である。


四天王さま候補

スケさん【エサソン】R

ミコ【小人】N

アスカ【アシュタロト】GR


 ミコちゃんは変身前の表記なのね。変身するとGR種族の【大黒小人】になるからね。アスカの【アシュタロト】も前世では大悪魔としてして有名だったからGRなのもわかる。起源は神様だったってミコちゃんが言ってたから浄化に成功すれば本当に神様になりそう。


「カリストたちディーナシーもディアナといっしょでいいんだよな?」


「当たり前だもん!」


「久しぶりの大物狩りに心が躍ります」


 仕分け名は「騎士さん」ね。リニアの母であるカリスト含めて6人のディーナシーが眷属になっているけどみんなおっさんよりもディアナに仕えている感じだ。うち一人は小指殺しの使い手。あれ、マジで痛そうな技だ。タンスの角に小指の何倍の痛みなんだろうかね?


騎士さん

カリスト【ディーナシー】R

【ディーナシー】R

【ディーナシー】R

【ディーナシー】R

【ディーナシー】R

【ディーナシー】R


「インプ、グレムリン、プーカも攻略戦に参加。進化するためにもここで経験値を稼ぐように」

「はい!」


 瘴気によって望まぬ進化をしてしまったインプの男女にプーカの少女一人、性別のないグレムリンが二人。彼らは再びかわいい妖精に戻るために進化することを望んでおっさんの眷属となっている。戦闘訓練も積んでいるので経験値が貯まれば期待している姿に進化できるはずだ。

 でもだからって「早く妖精になりたい」って仕分け名はどうなのさ?


早く妖精になりたい

【インプ】R

【インプ】R

【プーカ】R

【グレムリン】R

【グレムリン】R


「ハインリヒはモンスター進化したのにパートナーが見つからなかったカエルたちとハエ対策担当だ」


「任せるのである! 某たちはずっと、あのハエどもを食らってやりたかったのだ!」


「ゲコゲコゲコ!」


 攻略対象である”暴食の十二指腸”のダンジョンボス、ベルゼブブの分体の一つでありながら本体に嫌われて、冷遇されしまいには売り飛ばされたハインリヒとその配下のカエルたち。ヨウセイの穴の連中のために黒バッタ退治に出張し、その戦いでモンスター進化した個体も多い。

 活躍することを願ってテリーの仲間の黒小鬼のパートナーとして騎蛙となったが、自分だけで戦いたい者やパートナーをつかまえられなかったカエルたちもいる。

、あ、一部はおっさんに相談したヨウセイの穴のダンマスにスカウトされて眷属になったよ。あっちでも元気に暮らしているといいんだけど。


カエルさん

ハインリヒ【ベールゼブフォ・キング】SR


「こんなとこかな?」


「そうだね。妖精やカエルはもう少し眷属にしてもいいかも?」


「アリもでアリます!」


「邪神のダンジョン攻略での働きを見てだな。むこうでいい眷属候補が見つかるかもだしさ」


 今まではうちのダンジョンでの活動を考慮して小さいサイズの眷属を増やしていたけど、うちのダンジョンの外で活動させるための普通サイズの眷属が増えてもいい時期かもしれない。”暴食の十二指腸”でいいのがいればいいんだけど。


「まずはフィールドダンジョンである第一層を攻略。エリアボスを倒し、こちらの領域化を進めながら皆のレベルアップを行う。むこうでの拠点が完成し、ある程度進化できたら防衛担当と交代してそちらもレベル上げだ」


「一気にベルゼブブを倒すのではないのか?」


「さすがにそう上手くはいかないでしょ。おっさんたちの底上げをしながらだ」


 アスカはむこうにも動きがあるのを感じているんでさっさとダンジョンボスであるベルゼブブを倒したいみたいだ。でもね、そんな大物、すぐに倒せるとは思えないワケで。


「それじゃ次はむこうの戦力の確認だな。アスカの知っていることを教えてくれ」


 さあて、どんな化け物が出てくるのやら。



 ◇ ◇ ◇



 ダンジョン攻略を始めて三日。第一層のエリアボスを三体ほど倒し、順調にわがダンジョンの領域を拡張してある程度拠点ができてきた。

 領域化できたらすぐに小さな通路をいくつも延ばして小人サイズ以外の行動を制限、その外側にゴーレムとアリたちが土を集めてきてどんどんと積み上げて補強していく。

 ベルゼブブ配下のネズミやプレーリーウルフたちが削ろうとやってはきているが、破壊よりもこっちの建造速度の方が早い。


「フィールドダンジョンに小さなダンジョンを設置するとはな。元上司も今頃どんな顔をしているやら」


「このフィールドダンジョンの地面がダンジョン壁じゃなくて土だったからな。深さもそれなりにあったんでゴーレムとアリたちが地下通路を掘ってこちらの移動が楽になった」


 もちろん戦闘経験を積ませるために普通サイズの迎撃部屋も用意している。侵入経路がそこしかないゴブリンがそこで倒されていく。ゴブリンにしては少しレベルが高いかな? でも、オスメスを区別するぐらいの余裕はある。今のとこ全部オスなので眷属化はしていない。邪神のダンジョンではメスゴブリンの排出量が下がっているようなので、ベルゼブブも最近追加したゴブリンなのかもしれない。

 小型サイズのは前回の偵察で見たように餌にされて少ないのか、ハエとネズミ系以外はまだ現れず。ハエは小さな通路侵入時に待ち構えていたカエルたちに捕食されている。


「エリアボスは今のとこ、オーク系ばかりだったな」


「うむ。進化して味がよくなったらベルゼブブが食う予定だったのだろう」


 エリアボスも食用ってさすが暴食。おっさんたちも食われないようにしないといけない。



眷属まとめ回

たぶん抜けはないはず

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