68、言わぬが花
「極光!」
現れた黒ローブ達は一瞬で周囲を飲み込んだ光に包まれ、跡形もなく消え去る。
「よしっ」
奥に行くにつれてだんだん数が増えてきたな。
違いといえば最初のころより大分人間っぽいことか。
正直言って人間を相手にしているみたいでやりにくい、まあ、黒ローブの中は触手の塊とかそんなので人間からはかけ離れてるだろうけど。
とは言ってもやっぱりちょっとばかしの罪悪感がある。
それにしても大分歩いたな。
気配を手掛かりに進んで行ってるが上がったり戻ったりして全く進んでいる気がしないがな。
「何か目印でも無いのか」
ゴツゴツした壁が延々と続いていて目印なんざないけどな。
「今度から洞窟に入るときはペンキとかを持ってくると良いよ」
「ん? そうか、目印にするのか」
「それが無いときはナイフか何かで壁に傷をつけたりもアリだね」
「なるほど! その手があったかぁぁぁああああ!?」
ナチュラルに話してたけど誰だよ! 心臓に悪いわ!
振り返ったそこに居たのは小鳥だった。
だがただの小鳥ではないだろう、なんせ光っている上に体が揺らめいているからな。
「俺だよ、俺」
俺俺ってオレオレ詐欺かよ、って言うか。
「フランメか?」
「そうだよ」
「何でここに居るんだ? どうやって来たんだ? それよりもその姿はなんだ?」
「オーケーオーケー、質問を一つずつ消化しよう。まずここに来たのは君のサポートだよ」
「サポート?」
「現に迷っているだろう?」
否定できない。
「まだ上手く出来ないだろうからね、道案内に来たよ」
「そうか、助かる」
「次にどうやって来たかだけど、君、今光魔法で辺りを照らしているだろ?」
「ああ」
「それから出ている熱でワープしてきたよ」
「そんなことも出来るのか」
「あったかい所ならどこでもね、そして本体が来るわけには行かないから力の欠片を送っている感じだね」
「なぜに小鳥?」
「かわいいだろう?」
「そうだな」
まあ、道案内は助かるな。
正直同じような景色ばかりが続いててまいってたからな。
「よし、それじゃあ出発しようか。あとそろそろ自動運転に切り替えるから」
「うん、ありがたいんだけど急に肩にワープしてくるの止めて? 驚くから」
「じゃあ正しい道の前では「ピィ!」間違ってたら「ピイ!」って鳴くから」
「全く違いが分からねぇ!」
「それよりも今回の事件の黒幕についてどう思う?」
「・・・・・・どうしたんだよ急に」
「いや、気づいてないようだったから」
気づいていない? 俺が何か見落としているのか?
「ヒントをあげよう。敵は呪いなんて使ってこない、暴走した人たちにはある共通点が有る」
「共通点?」
「そう、共通点。それじゃあ頑張ってね、俺は寝るから」
「あっまだ話は」
「ピィ!」
「・・・・・・くそっ」
せめてもうちょっと分かりやすいヒントを残して欲しいものだ。
共通点、か。
何だ? まずクロードだろう。
その他の冒険者は俺がほとんど知らないやつらだった。
と、言う事は俺関係ではないだろう。
・・・・・・そういえば、暴走しているやつらは全員男だったような?
集まった冒険者は多くは無いが女性も居た。
暴走した全員を把握しているわけではないが、それでも少し引っかかる。
ならばこれが共通点か?
・・・・・・いや、結論を出すのはまだ早計だろう。
人数が少ないから起こった偶然かもしれない。
他には、全員が近接だったことか?
「ピイ!」
・・・・・・ダメだな全く思いつかない。
それよりも今は元凶をどうにかするほうが優先だろう。
それに、実物を見た方が分かりやすいかもしれないからな。
よし! なら今は足を進めよう!
「ピイ!」
ん? 今のはどっちだ?
「ピィ!」
今のは、さっきよりもピイしてたような。
いや、逆か?
「ピイ!」
・・・・・・もうちょっと分かりやすい道案内をしてくれ。




