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「くたばれ、クソ神様」  作者: 無脊椎動物
はじまり、はじまり
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7、かみさまものすごく怪しいよね

「おじゃましまーす」


 中はなかなか広かった。学生寮なんて初めてだからもっと狭いものだと思っていたが意外と広いもんなんだな。


「とりあえず座って、じゃあまずはこれからの事について話し合いましょう」


「そうだな……すまないが最初にこの国や冒険者の事とかを教えてくれないか?」


「わかった、まずはこの国の事からね。ここはツァオヘラー王国にあるハイラント学園という所でさまざまな事に精通している事で有名な学園なの。ちなみにハイラントって言うのはこの学園を設立した伝説の冒険者の名前にちなんで名づけられたの」


「へ~、そうなのか」


「次に冒険者について。冒険者っていうのは冒険者ギルドと言う組織に属している人達の事をそう呼ぶの。ギルドでは一般の人から依頼された仕事を相応の力を持つ人達に仲介してくれるの。さらに冒険者にはランクがあって、下からG、F、E、D、C、B、A、S、SSの8段階あるの」


「SSやSはどれくらいいるんだ?」


「Sは今は5人いるけど、SSは今までに2人しかいなかったの。ちなみにこの学園を創った英雄ハイラントもSSだったの」


「2人しかいないなんてSSはそんなに強いのか?」


「SSランクになった2人は伝説級の英雄で王と戦っても負けなかったと言われてるの」


「そいつら本当に人間?」


「たぶん人間」


 人間で王に並ぶって……そんなに強いうえに学園まで創ってそれが成功してるってハイラントって奴才能ありすぎだろ……そういえば。


「なぁ、この学園はいろんな事に精通してんだよな?という事は冒険者科とかあるのか?」


「あるよ」


 あるんかい。さすが冒険者の創った学校。


「そもそもわたしも冒険者になるためにこの学園にきたの」


 そういったカコの顔はなんだか悲しそうに見えた。


「どうした? もしかして周りの人が反対でもしてるのか?」


「……実は、わたしは生まれつき含有魔力量が少ないの。だからわたしは初級魔法しか使えないせいで先生達に冒険者になるのを反対されてるの」


「そうなのか」


 おいクソ野郎。


「なんだい?」


 もしかして俺が魔力だけカコに出す事はできるのか?


「一応できるよー」


 そうか、じゃあ俺が魔力を渡せばカコの悩みは解決されるんだな。


「とういうかやけにこの子に肩入れするね。あっれれ~? もしかしてこの子の事好きになっちゃった~?」


「なぁ、カコその事について何だが俺が魔力を補おうか?」


「え?」


 カコはあっけにとられたような顔をした。


「わー、見事にぼくはスルー」


 うるせぇ、お前が変な事言うからだろ。第一、別に好きになったんじゃなくてただ俺が助けたかったからだ。


「やさしいね、アラタ君……やっぱり君は面白いよ、わざわざ探した甲斐があった。」


 ……ん? どういう事


「ね、ねぇ」


「ほらカコちゃんが何か言ってるよ」


 ……く、あしらわれたな。


「どうした?」


「……やっぱりいいよ。共歩者にしてもらった事だけでもすごくありがたいのにそのうえ魔力までもらうなんて」


「いや、別に遠慮しなくても良いんだが」


「でも」


 ……あー! もうめんどくさい!


「じゃあこうしよう。俺はこの世界の事について全く知らない。だからカコにはこれからも先いろいろ教えてもらいたい。よってその対価として俺からは魔力をやる、これでどうだ」


「え? あ、うん、わかった。」


 そう言うとカコは驚きながらも頷いた。


「強引だね~アラタ君」


 しょうがないだろ、そうでもしないと延々と押し問答をしてたと思うからな……ところで魔力をやるのってどうすんだ?


「契約を書き換えると良いよ」


 簡単なんだな。


「ただしこの方法だともしアラタ君との契約が切れちゃうとカコちゃんはただの人に戻っちゃうから気をつけてねー」


 …………。


「どうしたんだい?」


 いや、お前が珍しく忠告なんてするからさ。


「いやいや、言ったでしょ? ぼくは君以外の味方だって。君相手なら全力で嫌がらせするけど、カコちゃんが絡むなら何もしないよ」


 あぁ、そういえばそうだったな。あと俺に対しての嫌がらせはするんだな。


「おもしろいじゃん」


 やっぱりかー……っと、そろそろカコも落ち着いたかな。


「さて、じゃあ明日からさっそくこの世界について教えて欲しいんだが」


「……明日?」


「いや、だってもう日も暮れてきたしな」


「え? ……あ」


 窓の外を見るともう少しで日が沈むところだった。


「それよりも話は変わるんだが。カコは寮生なんだろ?夕食とかも時間制限?があるんじゃないか?」


「……そうだった! もう時間が無い!」


 そう言ってカコは立ち上がった。


「……じゃあ俺は一時離れておくから。明日起きて着替えたら呼んでくれ」


「うん、わかった。じゃあまた明日!」


 そう言ってカコは走って部屋から出て行った。


「……若いって良いね~」


 お前も見た目は若いだろ。


「いや~、わしはこう見えてもよぼよぼなおじいさんだからの」


 ところで空間魔法とかはないのか?


「どうして?」


 いや、寝る場所が必要だろ。カコの部屋に泊まるわけにはいかないし。だから空間魔法があればそんな場所が創れるんじゃないかと思ってな。


「空間魔法は今のアラタ君には無理だけど影の中には空間を創れるよ。」


 ……それって闇魔法っぽくねーか?一応光の王の俺ができんのか?


「光があるからこそ影がありその逆もまたしかり、だよ。だから一応影の中は君の領域でもあるよ」


 何か引っかかる言い方だな、まあ良い。

 俺は目をつむり影の中に空間を創りそこに入るイメージをした。ちなみにイメージした空間は前世の俺の部屋だ。


「つまんないなー、こんな小汚い部屋じゃなくてもっと豪華な部屋にしなよ」


 小汚い言うな。結構好きだったんだぞ。

 目をあけるとそこは既にずっと見慣れていた風景があった。


「おおー、懐かしい。やっぱ部屋が一番落ち着くな」


 そう言ってベッドにダイブした。


「子供だね」


 うるさい。これはあれだ、久々の自室でテンション上がったんだよ。


「まあ、大変だろうけど頑張ってねー」


 ……ん?何が大変なんだ? まぁ良い、久々に漫画でも読むか。

 そうして俺はベッドの上に寝転んで漫画を読み始めた。

諸事情により投稿が遅れてしまい申し訳ございませんでした。

次話はもう少し早く投稿できるようにします。

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