41、合流
「お?」
あの魂が引っ張られていく様な感覚が唐突に消える。
どうやら転移が終わったらしい。
「あ、今度は大丈夫みたいね」
カコに言われて自分でも体を確認してみる。
……よし、今度は特に問題無さそうだな。
ちゃんとアラタのままだし。
それよりもカコさん、どうしてそんなに離れてるんだよ。
そしてその手に構えてる鍋の蓋はあれか、盾のつもりか。
何が起こると思われてたんだよ。
「いや、爆発するかな~って」
いやいやいや、さすがにそれは無いぞ!
……無いよな?
「それよりも、そろそろ二人との待ち合わせの時間だから」
そう言ってギルドから借りた時計(原理は不明)を見せてくる。
確かにもうすぐで時間だ。
しかし、やけにちょうど良いな。そんなに中に居たつもりはなかったんだが。
それかフランメが時間を調節したか。
いや、それだったら何で二人との待ち合わせの時間をフランメが知っている?
……なんかあいつの手のひらの上で踊らされてる様な気がしてきたな。
まあ、この事についてこれ以上考えるのは今は止めよう。
「カコちゃん、アラタ君」
待ち合わせの場所に居ると二人が時間ぴったりに来た。
クロードの顔についた紅葉は、まあ、うん。
「あ、クーアさん」
「ごめんね、待たせちゃった?」
「いえ、今来たところなので」
「そう、それじゃあ情報交換といきましょうか」
「そうですね」
「……なあ、クロード、その顔って」
「触れないでくれ」
クーアのあの笑顔が怖い、触れないでおこう。
「さて、こちらは町の東にある洞窟に関することよ」
洞窟のことか、ならフランメの言ってたことは本当っぽいな。
「奇遇だな、こちらもだ」
「そうなの? ちなみにどれくらい知ってる?」
「いや、町の人に怪しいって聞いただけだ」
そう、町の人。
「なるほど、それじゃあ一から説明するわね」
「俺達が町の周辺を探していると大量の足跡が同じ方向に向かっているを見つけたんだ」
「足跡? それだけなら別に犯人とは限らないだろ?」
実際、この町は温泉が有るんだから旅人が来ても不思議じゃないだろ。
それに商人という可能性もある。
「普通ならね。だけど今は魔物が活性化している、それなのに足跡がたくさん有るのよ?」
「なるほど、確かにそれは怪しいな」
「そしてそれを追うと洞窟に辿り着いたってわけだ」
「ちなみに誰か居たか?」
「ああ。洞窟の前には黒いローブを被ったのが二人居た。恐らく見張りか何かだろう」
「黒いローブ、か……こちらの情報とも合致するな」
「私たちは彼らが原因としてギルドマスターに報告するわ」
「今から戻るのか?」
「いえ、ギルドマスターにちゃんと通信珠を渡されてるから大丈夫よ」
通信珠? 電話みたいなものか?
「まあ、そんなわけで向こうの判断が出るまで俺らは待機だ」
「わかった」
「それじゃあ今日は解散! また明日ここで」
「また明日ね」
「ああ、またな」
そう言って二人は去っていった。
ふぅ、とりあえずは乗りきれて良かった。
正直言って詳細まで聞かれてたらボロを出してたと思う。
「これからどうするカコ……カコ?」
「え? あ、ごめん何?」
そういえばクーア達と話している時もほとんど喋ってなかったな、
何やら考え込んでたみたいだし。
「どうした?」
「いや、さっきの話。何か引っ掛かるの」
「そうか?」
何か引っ掛かる?
正直俺は何も感じなかった。
「気のせいじゃないか?」
「……だと良いんだけど」




