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「くたばれ、クソ神様」  作者: 無脊椎動物
はじまり、はじまり
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1、神様の楽しい転生時の注意事項

「……?」


 ――微睡みの中、声が聞こえる。


「起きたかい? 伊東アラタ君」


「……んあ?」


 目を開けるとそこには見慣れた天井ではなく、一面の白。

 そして目の前には十代前半と思われる少年がニヤニヤとこちらを見下ろしていた。


「……おい、ここはどこでおまえは誰だ?」


「初対面の人に向かってお前なんてひどいな~、だから君は童貞なんだよ」


 なぜそのことを知ってる、と言うか俺が童貞なことは今は関係ないだろ。


「質問に答えるとしたらそうだねー、まあ、神様といったところかな」


 ……はっ、神様だと?


「……ってその顔は信じてないね」


「当たり前だ、神様なんて信じられるわけないだろう」


「じゃあこの空間はどうやって説明するの? 伊東アラタ君?」


 そう言われて俺は言葉に詰まった。なんせ起きた時に見回したが、ここはどこまで行っても白い空間が延々と続いているからだ。


「……じゃあ仮にそれを信じるとしてなんで俺をここに連れてきたんだ?」


「そうだね。じゃあまず君にはこれを見て欲しいんだ」


 自称「神様」がそう言うと目の前に一台のテレビ(家のより大きい)が現れ、人が怪物と剣や魔法? のようなものを使って戦っている映像が映し出された。


「これは?」


「これは、ぼくが創った世界だよ。どう、面白そうでしょ?」


「これを俺に見せてなにが言いたい?」


「単刀直入に言うと君には僕の創った世界に行って欲しいんだ」


「……なんで俺がこんないかにもあぶない世界に行かなければならない。とっとと俺を帰らせろ」


「ああ、それは無理」


「は?」


「だから君を家に帰すことは無理」


「……ふざけるな!人をわざわざこんなところに呼び「だって君もう死んでるし。」出して……?」


 今こいつはなんて言った? 俺が死んだ? 冗談だろ?


「戸惑っているところ悪いんだけど君死んだのは事実だよ。覚えてない? トラックに轢かれたこと」


 嘘だ、そんなわけ……いや思い出した。そうだ俺は学校帰りに横断歩道を歩いている時に……。  えっ、じゃあ俺死んじまったのか? 嫌だ、そんなの嘘だ、助けてくれ、俺はまだ死にたくない。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だいやだいやだいやだいやだ・・・


「はいストップ、自壊なんてしないでね」


 自称神様が指を鳴らすと混乱していた頭が一気に晴れた。

 今は自分でも驚くほど冷静に死んだということを受け入れている。


「・・・じゃあもう一度聞くよ」


 そう言ってにやにや笑ないがらこう続けた。


「このままおとなしく死ぬかぼくの創った世界で新しい人生を歩むか好きな方をえらんでねー」


 ・・・そんなの決まってる。


「俺をお前の創った世界に連れて行ってくれ」


 そう言うと神様は楽しそうに笑みを深め、


「そうこなっくちゃ♪」


 と言った。



「さて、まずはぼくの創った世界の説明からだね。まあテレビや漫画で見た通りに魔法や魔物がいるファンタジーの世界だね。ああ、あとテンプレなエルフやみんな大好き獣耳獣人みたいな亜人もいるよ」


「それより、俺がそんな世界行って大丈夫か?あんまり腕っ節に自信はないんだが……」


「だいじょーぶだいじょーぶ。話をまだ聞いてて。この世界の魔法には火、水、雷、氷、土、風、木、闇、光、時の十種類の魔法があってそれぞれに王がいるんだ」


「その王は人間なのか?」


「いや、強いて言うなら精霊の類だね」


「なるほど。で、それが俺と何の関係がある?」


「君にはその中の「光」の王になって欲しいんだ」


「は?」


「だから君には光の王になって欲しいんだ」


「いやいや、ちょっと待て。仮に俺が王になるとしてもともと王だったやつはどうなるんだよ?」


「いないよ」


「は?」


「この世界を創る時に光の王創り忘れちゃった♪」


「いや何してんだよ」


「しょうがないじゃん。世界を創る時に四百年ぐらいずっと徹夜して創ったんだから」


 いや本当に何してんだよ、このダメ神は。


「……それ以前にただの人間の俺に王なんてなれるわけないだろ」


「大丈夫。君をちゃんとしたチートにするから」


「いや、チートの時点でちゃんとしてないだろ」


「あと、一つお願いなんだけど、この世界の住民には君が転生者だということをばれないようにしてほしいんだ」


「それは構わないが、お前の話だと他にも王がいるんだろ?そいつらとってはいきなり光の王が現れるんだろ、大丈夫か?」


「ああ、それに関してはなんか二百年ぐらい寝てたらいつの間にか光の王は引きこもりって事に勝手になってたから大丈夫」


「王としてはだめだろそれ……」


「さて、ぼくから説明する事は以上だけど君のために一つアドバイスをあげよう。王になったらまず『共歩者』を選ぶのをおススメするよ」


「その共歩者っていうのはなんだ?」


「簡単に言えば王の相棒みたいなものだね。選ぶとしたら基本的には人間だね」


「王ってそう簡単に人の前に出ていいものなのか?」


「あんまり出て欲しくないけど王の何人かは選んでるよ。ま、その辺は個人差? いや、個王差だね。選んだ方がこの世界について早くたくさん知る事ができるよ」


「なるほどな」


「じゃあ、最後に何か質問はある?」


「ああ、一つ良いか?」


「何だい?」


「何で俺を選んだんだ?」


「……んんー、特に無いけど強いて言えばおもしろそうだからかな。まあ、宝くじに当たったものだと思って」


 そ、そんなものなのか。


「じゃあ、もしかしたら君の体が耐えきれずに内側から破裂し……特に問題は無いから楽しんでね♪」


「おい、ちょっと待て今なんて言いかけた」


 訂正、こいつはダメ神じゃなくてクソ神だ。


「じゃ、そういうわけで楽しんでね童貞君♪」


 クソ神がそう言うと俺の足元に穴が開いた。だから俺が童貞な事は関係な・・・って


「ふざけんなこのクソ神があああぁぁぁ!」


 穴に落ちていく俺が最後に見たのはこちらを指さし笑い転げているクソだった。

 あの野郎、次会ったらぶっ殺す。


プ、プロローグにて既にミスがあった事をここで深くお詫びいたします。(訂正しました。)

さて、ここからは切り替えて今回について。今回はプロローグよりはるかに長くなってしまいました。いまだに一話あたり何文字するか決まっていないというぐだぐだっぷりで申し訳ございません。しかも内容もぐだぐだなのが否めない。相変わらず不定期になると思いますがマリアナ海溝よりも深い心で読んでいただければ幸いです。

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