16、駆け出し冒険者(弱いとは言ってない)
お久しぶりです。
スタラト
3つ存在するダンジョンの宿営地としてとある冒険者達が集団野営をしたのが始まり、そこから次々と冒険者が集まり徐々に発展していった。
今ではベテランから駆け出しまで幅広い冒険者の活動拠点となっている。
また、学園を卒業した者たちがパーティーメンバーを見つける定番の場所にもなっている。
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「おおー!」
俺の目の前にはまるでゲームのような光景が広がっていた。
立ち並ぶ屋台に露店、それに武装をした冒険者が次々と行き来している。
「少し見て回る?」
そんな光景に目を輝かせている俺にカコが微笑ましいものを見るように、っていかんいかん。
「それで、ギルドはどこにあるんだ?」
「それならあの一番大きな建物だよ……その前に少し見て回りたい?」
「いや、待たせるのも悪いだろ。」
「でもさっきすごく物珍しそうに「良いから、行こうぜ!」はいはい。」
くそう、なんか毎回子ども扱いをされるな。
でもしょうがないよな、うん、俺RPGとか大好きだったからしょうがないよな、うん。
だから、これは恥ずかしくないことだ、恥ずかしくないことだ!
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さすがに冒険者の町とあってギルドは町の中央にあった。
それにしてもでかい。この大きさなら町の外からも見えるんじゃないか?
そして中は意外ときれいで落ち着いた雰囲気だった。もっと荒々しいもの想定していたんだがな。
「ここぐらい大きいところだとギルドの中でさわぎを起こす人はほとんどいないよ。」
カコに聞くと説明をしてくれた。……あまり大きくないところはイメージ通りというわけか、テンプレの新人いびりとか。
「次の方どうぞ。」
そんなことを思っていると俺たちの番が来た。受け付、キター!耳が長い!リアルエルフだ、テンション上がってきた!
「本日はどのようなご用件でしょうか?」
「はい、とりあえずこれを。」
「?……っ!少々お待ち下さい!」
そう言って走り去っていった。あぁ、リアルエルフが。
「……どうしたの?」
「何でもない。」
しばらくして息を切らせて帰ってきた。心なしか先程よりも緊張しているように見える。
「お待たせしました。ギルドマスターがお待ちです。」
そう言って通された部屋に居たのは武人と言うのが最も相応しい老人だった。……この世界の老人強すぎんだろ。
「ゲルルフ・レクラムだ」
「カコです。」
「単刀直入に聞く、何を隠している?」
おいおい、いきなりだな。
「‥‥‥っ!」
「何でってか? あの遺跡は何百年も前に見つけられて以来調査され続けられてきた所だ。今さら新種の魔物出現、それもあれを壊せるようなのがな。」
すいません、壊したのは自分です。
「そして極めつけは今まで魔法をまともに使えなかった奴が第五位魔法で撃退ときた。これで関係無いと考えるのはよっぽど頭のなかがお花畑だ。」
「さて、もう一度聞こう。何を隠している?」
これは‥‥‥きっついなぁ。誤魔化すにしてもこのじいさんと腹の探り合いして勝てるとは思えない。
さて、どうするか。
「‥‥‥」
「言えないか、ならば良い。」
「え?」
え?
「なに、簡単な話だ。ギルドの上層部はお前を欲しがっている。最低でも第五位魔法を一瞬で作れ、最高であの遺跡をを壊せるような魔物を作れるお前をな。‥‥‥例えその正体が何であろうとな。」
成る程。まぁ、一番の本音はカコから目を離したくないってのところか?
「さて、そう言うわけでこの話は終わりだ。次は「ちょ、ちょっと待ってください!」‥‥‥何だ。」
「もし私が敵だったらどうするんですか!」
「敵なのか?」
「そ、そんなわけありません!」
「じゃあ良いだろ。」
言外にもう聞くなという雰囲気を出している。カコもそれを感じ取ったのか納得がいかないようだが渋々引き下がった。
「話を進めるぞ、‥‥‥そんなわけでお前はDランクから初めて貰う。」
いや、どういうわけだよ!
「分かりました。」
そしてカコも納得するのかよ!
え? こういうのって普通はまず雑用からコツコツ始めていって何年もかけて上がっていくもんじゃないの?
後で説明してもらったんだがこういうことは稀によくあるらしい。
‥‥‥‥珍しいのか多いのかはっきりしろよ。
あとやっぱりあのじいさん昔有名だった冒険者らしい。
さて、気を取り直して明日からはいよいよ駆け出し冒険者(Dランク)の門出だ。何もトラブルがなければ良いな‥‥‥‥無理か。はぁ。
おっっっ待たせしましたぁぁぁぁぁ!‥‥‥すいません真面目にします。
ギリギリになってしまいました。申し訳ありません。7月からは出来れば前のペースに戻れればと思います。