13、初のボス戦
2017/03/13 前話を修正致しました。物語的には変わらないので暇な時にでも読み直していただければ幸いです。
「jdhdkggrsybqzzzz!」
だから何言ってるか分からないって。
「ジャマダドケエエエエェェェェ!」
翻訳機能さんまじですげえな、これも訳せるのかよ。
まあ、言葉が理解できるならさっきよりは多少怖くなくなった。
「ニンゲンノブンザイデジャマヲスルナ! ソコヲドケ!」
「悪いがここを通すわけにはいかないな」
「ナラバシネエエエェェェ!」
俺はとっさにその場から逃げた。それと同時に俺が居た所に場所にあの黒いものが着弾する。それはまるでスライムの様だ、常に形を変え続けて蠢いている。ただ、スライムと違うところは見た目だろう。表面に目や口などの顔の一部が浮き出ては沈んでいく。そして地面を咀嚼する音とともにそれはどんどん地面に沈んでいく。
………地面すら食っていやがるのか。また本能的な恐怖が蘇り体が震えてきた。
落ちつけ、俺はチート、俺はチート、俺はチート、そもそも俺はチートなんだ、だったらあれぐらいの速度を見極めるのなんて簡単だ。速いと思うからそう見えるんだ………よし。
「ドウシタァ? フルエテイルノカァ?」
「震えてねぇよ、あまりの遅さに退屈してんだ。」
「コノニンゲンガアアァァァ!」
俺は走り出すとともに光の刀を創る。
一発目・・・・、斬るまでもない、体を沈め避ける。
二発目・・・・、今度は避けられない、俺は正面に来たそれを斬る。
三発目・・・・、顔をそらしぎりぎり避ける。耳元で聞こえたあのぐちゃっぐちゃっという音で足を止めそうになるがなんとか走り続ける。
四発目・・・・、これぐらい距離を詰めればいける。俺は黒いものを斬り、返しの刀で『それ』を斬りつける。
「はああああああ!」
光の刀は驚くほど抵抗無く『それ』の右腕を斬り飛ばした。
「ガアアアアアァァァァァ! オノレ、オノレニンゲンメェェェエエエ!」
斬り飛ばした腕の付け根から無数の手が生えこちらに向かってくる。
………嘘だろ、再生するのかよ。光を使いその場から飛びのく。
さて、どうする? 再生するんならこのまま続けてもいずれじり貧だ、倒すにはおそらくあいつを一瞬で消し飛ばさなければならない。
だけどここは遺跡の最深部だ、下手にぶっ放すと生き埋めになる。
「オノレ、ヨクモヤッテクレタナァ!」
腕をぶった切ってもダメージはあまりなさそうだな………本格的にやばくなったな。
「お前を倒す算段を立ててんだよ」
「ハッ、ニンゲンノチノウデカンガエテモタカガシレテイルガナァ」
あざ笑うかのような口調で言ってくる。あの言い方をどこかで聞いた事がある。そう、あれはまるで………あのクソが俺が罠に気付いていなかった時の様な。
何だ? 罠か? いや、あいつがここに来て何かしたか?
………いや、あいつはここに来てから攻撃しただけだあの黒いものを飛ばしただけだ。あの、まるでスライムの様なものを飛ばしてっ!
俺はその場から飛びのく、同時に地面からあの黒いものが飛び出すが俺はなんとか直撃を免れた。
危なかった、俺は着地しようとした。しかし、何故かバランスがとれずにその場に倒れた。
何か違和感を感じる、俺は違和感の元の右腕を見た。
「あ」
いや、見ようとした。けれども見れなかった。
「ああ」
なぜならひじから先が無かったからだ。それに気付くと同時に激痛が襲ってきた。
「ああああああぁぁぁぁぁぁ!」
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い! 何!? 何だよこれ!?
と、とりあえず傷を治さないと!
「治れ治れ治れ治れ治れ」
俺は必死に念じた。するとみるみるうちに腕が生えてくる。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
「クルシイカ? クルシイカァ? ニンゲン?」
………くそ仕方が無い。
{カコ! 聞こえるか!}
{リヒト! 大丈夫なの!}
{今どこに居る!}
{もうすぐで遺跡から出るとこ!}
よし!
{急げ! もしかしたら遺跡が崩れるかもしれない!}
{ええ!? 何するつもりなの!?}
{でかいのであいつを一気に消し飛ばす!}
{でも、それだとリヒトが!}
{大丈夫だ! 俺を信じろ!}
{………わかった。でも、必ず帰ってきてね!}
{ああ、約束する}
さて、俺は全力を撃つために集中する。イメージはヤ〇トの波〇砲だ。
「カクゴハスンダカァ? ニンゲン?」
あいつが見下してくれて助かったな。力をためることができる。
「ナ・・・・、コレハ、マサカ!?」
よし、いける!
「バカナ! アリエナイ、アリエナィィィイイ!」
いまさら気付いたのか、もう遅い!
「はあああああぁぁぁぁぁ!」
凄まじい光の奔流が俺の手から放たれあいつを飲み込んだ。
「アアアアアァァァァ! ナゼダ、ナゼダアアアアアァァァァァ・・・・・・。」
断末魔を残しあいつは蒸発していった。しかし光はそれだけにとどまらない。
後ろにあった壁を一瞬で溶かし大穴を空け、ようやく止まった。
「やった・・・・のか?」
やった、やった! あいつを倒した!
すると辺りが突然揺れ始め遺跡が崩れ始めた。
「ああ、くそっ!」
やっぱりこうなるか! 俺は出口に向かって全力で走りだした。
道を走っている間にもどんどん崩れていったり爆発していった。爆発によって大量の紙の様なものが辺り一面に散らばる。ぱっと見どれもほとんど消えていてところどころしか読めないがおそらく貴重な資料なんだろう。
「これ、遺跡を壊したからカコに怒られそうだなぁ」
場違いにもそんな事が頭を横切った。まあ、まずはここから無事に逃げ出さないとな。
俺はスピードを上げ走り続けた。