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「くたばれ、クソ神様」  作者: 無脊椎動物
はじまり、はじまり
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11、練習は大事

次は長めにすると言ったな?あれは嘘だ。

「フォイアーランツェ!」


 カコが放った炎の槍は的のど真ん中を貫いた。


「さすがだな」


「うん、ありがとう」


 俺は今カコと学園の外に魔法の練習に来ている。なんで学園の練習場を使わないって? ばれると面倒だからな。

 だけど許可をもらうまでが大変だった、なんせゴーレムが出現したからな。イーダ先生(あの白衣の人)は自分が頼んだせいだと思ってあれから相当落ち込んでいた。学園の外での練習の許可もなかなか出してもらえずに三カ月たってようやくギルドから異常なしの報告が来てこの前しぶしぶ承諾してくれた。

ついでになぜカミラがいないか言うと補習があるそうだ。なんでも一ヶ月後に卒業試験があり成績と当日の実習試験の合計点数で合格しないと卒業出来ないらしい。カコは成績は学年トップ(すげーな。)だから問題無いらしいがカミラの方は一つやばい科目があるらしい。


「じゃあ、俺はそろそろいくぞ」


「うん、行ってらっしゃい」


 あのゴーレム事件の後しばらく暇だった俺はカコが授業に行っている間図書室で調べ物をするのが日課になっていた。あのクソはタンス事件の次の日からいつの間にか居なくなり、おかげでその日から安眠できるようになった。

 光の扱いに関しては現にこうして飛んでいるように、飛ぶ、撃つ、形を作るぐらいはできるようになっていた。最初のころは動くだけで地形が変わっていたのに良い進歩だ。


 ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


「さて、そろそろ魔法の習得に取り掛かるか」


 しかし、どうしようか。初めのうちは異世界の魔法ということでわくわくしながら魔道書を読んでみたりしたが正直ちんぷんかんぷんだった。何だよリーニエって、何だよクライスって。

 そんなわけで俺はそんな高度なものではなくってもっと簡単な入門書を探している。

 しかし、この学園が頭の良いせいかそんなものが無く見てもわからないものがほとんどだ。さて、どうしたものか。何気なく隅にあった絵本コーナーを見た


”こどものためのまほうのつかいかた”


 ……いやさすがに人間を辞めているとはいえ高校生で絵本は少し抵抗がある。


”こどものためのまほうのつかいかた”


 ………。


”こどものためのまほうのつかいかた”


 ああもう! この際恥ずかしいなんて言ってられないか!俺は絵本を手に取り読み始めた。


”このせかいにはまほうといううものがあります。

まほうをつかうときにはまほうしきをつくります。

まほうしきはきほんてきにはリーニエというせんとクライスというまるでできています。

またまほうはよっつにわけられていて、したから、かとうまほう、しょきゅうまほう、ちゅうきゅうまほう、じょうきゅうまほうです。

れんしゅうをするときにはまずかとうまほうのまほうしきからべんきょうしよう!”


 結論、すっげー分かりやすかった。意外と絵本だからって馬鹿にできないな。

 よくよく考えてみれば俺は魔法についてほとんど知らないんだよな、だったらまずはこれくらいから始めるべきなのか。

 よし! 今日はこの辺のを見て魔法とは何かを知るか。そうして俺は絵本を読み進めて行った。



「そろそろかな」


 日も傾き始めたころ俺は魔法について書き写した羊皮紙をまとめた。

 今日だけでも大分進歩した、あの絵本のおかげで魔法式を作るぐらいはできるようになった(初めて魔法式を作れた時には嬉しくてつい上級魔法を使おうとしたがなんとか思いとどまる事の出来た)。

 試験までは残り一週間、それまでにはせめて中級魔法までは制御できるようにはなりたい。今日からまず下等魔法と初級魔法から練習を始めたいと思う。下等魔法と初級魔法の違いだが厳密な線引きは無いそうだ。攻撃魔法かどうかの違いだけらしい、ただ回復魔法は例外だそうだ。

 例えば、カコの使っていたあの火の玉を飛ばす奴あれは初級魔法、ファッケルという魔法(目の前に火の玉を作り辺りを照らす魔法)は下等魔法、みたいな感じだ。というかファッケルも火の玉を相手に直接ぶつければ攻撃魔法になると思うが、威力の違いだろうか?

 まあ、詳しい事はカコに教えてもらうとして今日はこれぐらいにして切り上げるか。

俺は図書室を後にした。


 ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


「さて、ついにこの日が来たな」


「うん、いよいよだね」


 とうとう卒業試験の日が来た、魔法もぎりぎり目標の中級魔法の制御までできるようになった。本来、ここまでくるには数年単位の修行が必要らしいがさすがチートだ。


「リヒト、ありがとう」


「ん?な、なんだよ急に」


「本来なら私は初級魔法しか使えなかった、だけどリヒトのおかげでその先まで行く事の出来た。しかもカミラまで助けてもらった。ありがとう」


「ああ、そんなことか。別に大したことじゃない。それにお礼を言うのは無事卒業出来てからにしてくれ」


「……うん、わかった」


「皆さん! 静かに!」


 壇上に立ったイーダ先生のその一言でざわついていた講堂は静かになった。

 それからは理事長先生の挨拶やらがあった。そしてとうとう、


「これより、卒業実習試験を始めます!」


 卒業試験が始まった。




駆け足進行。

作者が予想以上に学園描写がにがげふんげふん、ぐだぐだの防止です。

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