95、造船所
自分で言うのもなんですが短すぎました……。
後ほど改稿をするかもしれません。
「ここか……」
ギルドで聞いたガルトが居ると言う造船所にやってきた。
ちなみに朝カコにあった際には何かを察したような顔で苦笑いをしていた。
……何だろうな、この気持ち。
「すいません、ガルトさんはいらっしゃいますか?」
そんな風に俺が一人哀愁を漂わせていると、カコが近くの船大工の一人に声を掛けていた。
「……あんたたちは?」
「ガルトさんに依頼を受けた者です」
「なるほど、冒険者か? あいつ何を依頼したんだ?」
「すみませんがそれは守秘義務があるので」
「……わかった、今呼んでくる」
「お願いします」
そう言って船大工はのっしのっしと造船所の奥へと歩いて行った。
「……なあ、カコ、朝のことなんだが」
「うん、私は何も気づいてないよ」
「……ありがとう」
「どういたしまして」
……本当にカコさんには頭が上がりませんよ。
「すまない、待たせたな」
「ガルトさん」
あー! もう! やめだやめ!
昨日のことは忘れよううんそうしよう!
「悪いな呼び出して、仕事中だったろ?」
「いや、こっちが頼んでる側だから構わないさ」
「それじゃあ本題に入ろう、俺たちがここに来たのは一つ頼みがあるからなんだ」
「頼み? 何か分かったんじゃないのか?」
「分かったことは有る、だからこそ一つ頼み事が有るんだ」
「なるほどな、それで頼み事ってのは何なんだ?」
「出来ればで良いんだが……ジャックに会わせてくれないか?」
「……師匠に? 何故だ?」
「ジャックに一つ聞きたいことがあるんだ」
「……もしかして、禁忌を犯しているかどうかでも聞くつもりなのか?」
「いや、流石にそんなことは聞かないさ」
「聞かないでくれよ? 昨日師匠にそのことを聞いたらめちゃくちゃ怒られたからな」
「怒られた?」
「ああ、「俺がそんなことをしてると思ってるのか!」ってな、まあ船大工としてそんなことをしてるかどうか聞かれれば誰だって腹が立つだろう」
「分かった、気を付けよう」
「それじゃあちょっと師匠に聞いてくるから待っててくれ、多分協力してくれるはずだ」
そう言ってガルトも奥へと歩いて行った。
なんだ、思ったよりスムーズに行けそうだな、てっきり忙しいから断れるかと思っていたが。
カコにも内緒でこっそりと立てていた造船所潜入計画が必要なくなったのが少し残念だが。
まあ、平和に解決できるのが一番だろう。