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「くたばれ、クソ神様」  作者: 無脊椎動物
いざ、ブリフィアへ
104/117

?、Ohne Märchen

「ふむふむ、なるほど! フランメは白だったんだ!」


 虚空に浮かぶ人魂のような光に向かって少年はまるで誰かと話しているかのように呟き続ける。

 その光はまるで少年の言葉に答えるかのように瞬く。


「まあそうだよね! ぼくが創った存在に間違いなんて有るはずないよね!」


「え? けれども不審な動きがある?」


「う~ん、でも違うって言ったんだよね?」


「なら違うんじゃない? きっと面白い事だよ!」


「まあ、それは置いといて……あれは回収できた?」


「……出来なかった? アラタ君が核を壊した?」


「……なるほどねぇ、ならもう良いや」


 光が不安定に、不規則に瞬いた。

 その様はまるで困惑しているかのようだ。


「え? 何故かって?」


「だってアラタ君が倒したんだよ?」


「それにぼくが丁度見逃してた時にも同じような奴が出たって言ってたけど、その時もアラタ君が消し飛ばしたんでしょ?」


「仮にもしも『あれ』だったらアラタ君の手に負えるものじゃないよ」


「今頃アラタ君は何も出来ずに貪られてるんじゃない?」


「それにやっぱり『あれ』が存在している事自体があり得ないんだよ」


「うんそうさ、あり得ないんだよ、あり得ないんだよあり得ないんだよあり得ないんだよ!」


「君はそうとは思わないのかい?」


 それに答えるかのように光がまた不規則に瞬く。

 それを見て少年はにんまりと満足気な笑みを浮かべた。


「うん、納得してくれたみたいだね!」


「それじゃあ君は引き続き他のメンツに聞いてみて」


「ああ、トトちゃんは良いや」


「彼女はまずありえないだろうし」


「あ! ついでに聞きたいんだけど、アラタ君は次は何処に行くの?」


「……ふむふむ、水の王の所?」


「確かにそう言ってたのかい?」


「……カコちゃんと話し合っていた? なるほど、それなら確定だね」


「……え? それを聞いてどうするのかだって?」


「イヤーナニモシナイヨ、タダキイタダケダヨ」


「いやいや本当だって! あっ! 今ちょっと笑ったね! 笑ったね!」


「……まあ、真面目に返すと少し手伝ってあげようかなって」


「ほら、あそこで今あれが有ってるでしょ?」


「暇つぶしに見てたんだけどあれだと多分一悶着ありそうだったからね」


「彼女もどうやら気づいてないみたいだったし」


「そして今のアラタ君の実力だと対処出来ないと思うから」


「え? 君が対処するって?」


「いや、良いよ、今暇だし」


「それに君の場合アラタ君に会いたいだけでしょ?」


「……ばれていましたかって、結構バレバレだったよ?」


「いや、ほんと、ものすごく分かりやすかった」


「けどダメ、今回はぼくが行くよ」


「やっぱり引きこもってばかりじゃダメだからね、たまには外に出ないと」


「……いやいや、ぼく君よりもずっと年上だからね?」


「あと君はまだ仕事が終わってないでしょ?」


「そんな残念そうな顔をしてもダメだよ」


「はい! これで終わり! お仕事頑張って! じゃあね!」


 何かを言いたげに光が震えるが、無情にも少年が指を鳴らすと光は掻き消えた。


「さーてと、ぼくは準備をしなきゃね!」


「いやー、楽しみ楽しみ!」

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