表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「くたばれ、クソ神様」  作者: 無脊椎動物
はじまり、はじまり
10/117

9、金持ちの嫌な奴もテンプレだよね

「あ、おはよう」


 影から突然出てきた俺に驚きながらもカコは挨拶をしてくれた……あんな奴らと比べてこんなにまともな事に和むな~。


「ひどいよアラタ君!」


 何か聞こえたが無視だ。


「ああ、おはよう」


「……どうしたの?何かやけに疲れてるみたいだけど」


「……まあ、いろいろあったんだよ」


 闇の王に殺されかけたり大量のウグイスを召喚されたりな。


「……わたしはこれから講義があるんだけどリヒトはどうする?」


 カコはいつか見たあたたかい目で聞いてきた。さて、どうしようか……そういえばここは学校だったな、という事は図書室とかもあるか……よし決めた。


「俺は図書室に行って調べ物でもしていて良いか?」


「別に構わないけど……周りの人に気づかれないようにしてね。なんせあの光の王が人前に出てきているうえに、共歩者を作ったなんて事がばれたら大騒ぎになるから」


「ああ、その事についてはもとから周りにばれないようにするつもりだったから大丈夫だ」


「わかった、じゃあくれぐれもばれないようにね」


 もちろんだ、なんとかばれないようにしないとな。



 ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽



 いやー、魔法って奥が深いんだな。


「そりゃそうだよ。なんせこのぼくが創ったんだから」


 今回ばかりはクソ神に感心した。

 この世界に存在する魔法は火、水、土、雷、風、氷、光、闇、時の9種類に分類されるらしい。そのなかでも光と闇は使える人は滅多にいなく、時に至っては今までに数える程しかいないらしい。


「まあ、君は使おうと思えば全部使えるんだけどね」


 相変わらずチートだな。


「それよりも良いの?カコちゃんほっといて」


 ん? ああ、学園の中では話しかけないようにするつもりだ。下手に話しかけるとカコが一人で何か話している変人だと思われるからな。


「ふーん、でもカコちゃん現在進行形で絡まれてるよ」


「なに!」


 見るといかにも成金のボンボンって感じの奴がカコに話しかけていた。


「カコさん、このたびは災難でしたね~。大丈夫でしたか?」


「ええ、ご心配ありがとうございます。ユーベルさん」


 ふむふむ。あのお坊ちゃんはユーベルと言うらしい。


「いや~しかし今回は運が良かったですね、なんせ初級魔法程度ではゴーレムは倒せませんからね」


「ええ、そうですね」


「わたしもこんな時のために鍛えておかなければ、カコさん良かったら午後の実技訓練一緒に……おっとカコさんは初級魔法しか使えませんでしたね。私は中級魔法の訓練をするつもりなのでご一緒できませんね、すいませんでした」


「……いえ、お気に召さらず」


 うわっ、あいつ露骨に喧嘩売ってやがる。


「ではまた後ほど、無理をなさらぬように」


「いえ、お気づかいありがとうございます」


 そう言ってボンボンは去って行った。



 ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽



「次、カコさん」


「はい」


 そう言ってカコは前に出た。なにやら今日は抜き打ちテストがあるらしい。

 ・・・展開が速いって?気にしたら負けだ。


「いきます」


 そう言ってカコは魔法式を組み立て始めた。

 ちなみに今回のテストの内容は的に魔法をぶつける、というものだ。


「フォイアークーゲル!」


 魔法式を組み立て終わったカコの手から火の弾が放たれ、的のど真ん中に当たった。


「おー、すごいな」


「うん。カコちゃんは人間の学生にしてはなかなか良い腕をしてるね」


 俺がクソと話しているとカコの友達(たしかカミラ?だっけ)がカコに話しかけていた。


「やっぱり凄いねカコの魔法の精度は」


「うん、ありがとう」


「いや~さすがですね~、カコさん」


 カコがカミラと話しているとさっきのボンボンが近づいてきた。


「いやはや、やはりカコさんはちがいますね~、私よりもはるかに魔法の精度がうまい……ところでお体の方は疲れてはおりませんか?」


 ニヤニヤ笑いながらそんな事を聞いてきた。


「いえ、今回は大丈夫ですよ。やっと特訓の成果が出てきたようです」


 しかし、カコがそう返すと一瞬面食らったような表情を見せ、すぐにおもしろくなさそうにした。


「ほ~すごい特訓ですね、今度教えてもらいたいものです。では、私はこれにて」


 そう言ってボンボンは去って行った。


「そういえばカコは今日は大丈夫なの? 特訓したって効果はそんなにすぐにあらわれるものでもないし、何か新しい効率の良い魔法式でも創ったの?」


 カミラは不思議そうにカコに訪ねた……さすがに怪しまれるか。さて、どうしようかなー。そんなに長く隠せるものでもないし。


「童貞ー、カコちゃんから念話」


 お前はお母さんか。というか念話なんてどうやって出れば良いんだ?


「感覚」


 またそういうものか……えーっと。


{リヒト、聞こえる?}


{あぁ、どうしたんだ?}


{カミラにリヒトの事を話したいんだけど良い?}


{カミラは信用できるのか?}


{うん、カミラなら大丈夫}


{なら良いぞ}


「ずいぶんカコちゃんの事を信用してるんだね」


 まあな、でもどの道ばれる事だろなら別に良いかと思ってな。


{わかった、ありがとう}


「ねえ、カミラ。大事な話があるから後で私の部屋に来てくれる?」


「どうしたのカコ? ……別に良いけど」


「うん、ありがとう」


 まあ、紹介されたらやっぱりカミラに姿を見せるとして。


「さて、どんな風にカミラの前に現れようか?」


「やっぱり王らしくカッコよく登場! で良いんじゃない。演出してあげるよ」


 よし、普通に出るか……今度こそ恥をかかないようにしないとな。


今回の投稿が遅れてしまい申し訳ありませんでした。

次回の投稿も今、リアルがとても忙しいので遅れると思いますがご了承下さい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ