朱色の情報
影が気になって書道室に来たはいいが...?
壊れかけたドアが不気味な音を立てながら勢い良く開いた。
そしてドアの前に立っていた人物は、顔も名前も知らない女子生徒だった。
黒髪ロングのぱっつん。だが、目つきがとてつもなく鋭い、目があった者の心を切り裂くには十分だ。たとえ縄張りをまとめているボス猫でも泣きながら逃げ去ってしまうだろう。とどめに、腕組みに仁王立ちだ。
そして自分もそうだ、影が気になって書道室に来ただけなのに、死刑を言い渡されそうな罪を犯したような気分にさせられる。
ただ、恐怖とは違う、生理的な、身体が拒んでいるような感覚だ。
さらに、身長が女子にしては大きすぎる。差別しているわけでも無いが、180はゆうに越しているだろう。
見下しているつもりが無いのだろうが、この僕らの高低差からすれば、見下していると思うには十分だ。
そして自分は今座り込んでいるのだ。
次の瞬間に女子生徒が喋り始めた。
女子生徒「...何?」
思ったよりドスの効いた、迫力のある声だった。特別声が低いというわけででは無いが、直感でそう感じた。
僕「えぇ...あ、そ、と......」
コミュニケーション力以前の問題に、声が思い通りに出せないのだ。
腕には力が入らない。一体何が起きたというのだろう。しかし、このオドオドした答えが彼女の機嫌を損ねたらしい。眉をひそめ、鋭い目でさらにこちらを見てくる。
僕「あぅ...そ、ごめんなさ、いぃ。すいばせん...うぅ...」
涙まで出てきた。命乞いとはまさにこのことだ。一生懸命謝ったつもりだが相手に届いたかどうか。泣くことすらうまくできない。
もうどうすればいいのか、わからない。
女子生徒「...そう。」
その二文字だけを述べると、スタスタと書道室へと去っていった。
しかし、僕は命の危機が去ったことに対してさらに嬉し泣きを始めた。
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翌日の昼休み、情報屋と呼ばれる生徒に話をしてみた。学年の全クラスに情報網(友達)を持つことで有名だ。彼女に振られただの振っただの、あんまり良くないイメージしかなかったが聞いてみることに。
彼はあっさり話してくれた。まあ、彼が自分の顔の広さが自慢できると言う点では、情報との取引だったと勝手に思う。
そして明らかになった点を挙げていく。
・書道部部長
・友人関係などは無い
・名前は、弍家舞 朱雅
・両親は他界していると噂されている
・精神異常者の疑いあり。
この5点だ。
どれも衝撃的だった。というより情報屋がそこまで知っていたことが驚きだった。
そして僕は気になった。
何をって?
彼女が、一体何者なのかーーーー
ほんと...あの...すいません。
聞き飽きたでしょうけどすいません。
自分の力不足が故に...
私生活でもそうだけど自分の予定が守れないなんて...人間終了してんな...
なんで予告通りアブナいシーンが入れれないかな...自分にイライラしてくる...