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宗教系高校

作者: 竹中時雄

 私の入学した高校が宗教系らしいということは事前に承知していた。何の宗教かは分からない。入試のときは高校の校舎の中に入ったわけだが、十字架やら仏像やら、宗教を匂わすようなものは見なかった。学校説明会でもあやふやな説明しか受けなかった。いずれにせよ、宗教系の高校に入ったからといって、その宗教の原理主義者みたいな信徒にさせられるといったようなことはないだろうから安心しなと両親は言った。

 入学式の日は何事もなく終わった。問題は次の登校日だった。

 登校すると、校門の向こうで二年生、三年生が新一年生を捕まえ、なにやら勧誘している。私も一人の先輩学生に腕を掴まれた。

「うちの仏教部に入りなよ」

「なんですって?」

「生徒はいずれかの宗教部に加入しないといけないんだよ。それもこれも世界の人と対等に付き合える人材を育てるためだ。国際社会で無神論者は犯罪者並の扱いを受けるのを知らないか」

 とりあえず一回りしてきますのでと言って、仏教部の勧誘を断った。すぐ別の先輩に捕まった。

「キリスト教部にこいよ。先進国は大抵キリスト教だから有利だぞ」

「やめとけ。西側諸国はこれから衰退する一方だ。我がイスラム教部に……」

「どっちに入っても、部同士の抗争に巻き込まれるぞ。我がヒンドゥー部にきたまえ。インド人は世界で活躍してるぞ」

 いろいろ聞かされて訳がわからなくなった。一週間以内に何らかの宗教部に入る手続きをしなければならない。それまでに、どの宗教部に入るのが自分の為になるのかを一生懸命考えた。

 そして最終的には、女子部員の巫女姿がかわいいので私は神道部に入部した。

即興小説トレーニングで制限時間三十分、課題「不思議な信仰」、無茶振り要素「高校」で書いたものを誤字一点だけ直してそのまま転載しました。後から読んだら内容が課題に全然合致してませんでした。がっくり。

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