雪
はらはらきらり。
少女には友達が居なかった。
少女には頼れる人が居なかった。
家族までも少女に冷たく接した。
少女は雪の降る夜、
あるウサギと出会う。
そのウサギは言葉を喋った。
少女には頼れるものができた。
友達ができた。
少女はそのウサギにユキと言う名前をつけた。
少女は言った
「私、みんなに虐められてるの。」
ユキは言った
「私が助けてあげる」
少女は喜んだ。
ユキは言った。
「ほら、終わったよ。」
ユキは家族を、学校の人間を、すべて食べてしまった。
少女は言った。
「化物…!!」
ユキは言った。
「信じてたのに…」
ユキは涙を流した。
そして少女を喰らう。
はらはらきらり。
少年は出合ったウサギに言った。
「僕には仲間がいないんだ」