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第5話

ざわつく中、マイクのスイッチが入りスピーチが始まった。

「これから生徒会会長就任式を始めます。」

ステージ上のライトがつき、全員が視線を向ける。

「城山学園に編入されていたため延期となっていました就任式ですが、今週から月城学園にお戻りになることが決定いたしました。それでは、生徒会会長、神王薫様、ひとことお願いします。」

上総のスピーチをぼんやり聞いていたつばさは、その言葉でステージに目をやった。

そして現れた人物を見て、この場にいたことを後悔した。

(なんで・・・)

現れたのは銀髪の長身の男だった。

瞳は金色で人々を圧倒するオーラを持っていた。ゆるく着崩した制服は清潔感を損なわず、色気を醸し出していた。

会長は上総からマイクを受けとると、話し始めた。

「神王薫だ。新入生、遅くなったが月城学園への入学を歓迎する。」

スピーカーから流れる声を聞きながら、つばさは下を向いて震える体を必死に抑えようとしていた。

(なんで・・・どうしてここにいるの・・・)

そして、次の言葉にさらに絶望することになった。



ステージ上の神王薫は、表情を変え、微笑みながら告げた。

「最後に1つ。遅くなってごめんな、(よく)。もうすぐ会いに行くから。」



その言葉を聞いた瞬間、近くにあったドアからつばさは飛び出していた。

講堂内はざわつき始め、人ひとりいなくなっても気づかれることはなかった。



しかし、開け放たれたドアの方を見ながら笑みを深くした薫がいたことを、つばさが知ることはもちろんなかった。


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