第4話
学園の生活にも慣れた6月。相変わらず図書館でのお茶会?は続き、慣れた日常を繰り返す日々をつばさは送っていた。
鷹との関係も相変わらずであったが、居心地の良さに通うことが楽しみになっていた。
月曜日。いつものように登校していたつばさと上総だったが、校舎内が騒がしくなっていることに気づいた。
「上総ちゃん、なんだか騒がしいね。」
つばさが疑問を投げかけると、上総は眉間にしわを寄せた。
「会長が戻ってくるのよ。」
「会長?いなかったの?」
つばさがきょとんとした様子で返すと、上総は一瞬考えた後、思い出したように話し始めた。
「そういえば、入学式いなかったものね。今まで会長は城山学園に編入していて不在だったの。なのに、突然戻ってくるって言い出して。」
「なんで?」
「もともと人を探しに行ったという噂だけど、詳しくは知らないわ。とにかく、突然帰ってくるなんていうから学園中大騒ぎよ。」
突然の話で、生徒会はさらに忙しくなってしまったらしく、上総はため息をついた。
つばさは最近の上総の忙しさを思い出して納得する一方、少しだけ胸騒ぎがした。
「というわけで、1限目は講堂で会長就任式とあいさつがあるのよ。」
「今から?めんどくさいなぁ。」
興味なさげなつばさは教室へ入り、席に着く。
他の生徒たちは会長を拝見したいとさっさと講堂に向かっていた。
つばさに向かう気配がないと感じると、上総がつばさの手を引く。
「一応、公式行事なんだから。行くわよ。」
「絶対?」
「絶対!ほら早く、始まっちゃう。」
上総に無理やり引っ張られて、しぶしぶつばさも講堂へ向かった。
講堂へ入ると、ほとんどの生徒が集まっているようだった。
月城学園は1学年S組~D組の200名で全校生徒が集まるとなると講堂は人でいっぱいだった。
「混んでる。帰っていい?」
「だめ!ほら並んで、私は生徒会があるから行ってくるわね。」
そう言って上総はステージ裏へと向かっていった。
サボると後が面倒なので、つばさは黙ってクラスの後ろの列に並んだ。
つばさが列に並んだ後、すぐに講堂内の電気が消された。




