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やまみち
──それは一瞬の出来事だった。
急カーブの多い険しい山道
昨夜の雨で濡れた道路
濃い霧
ハンドルを切った瞬間
聞いたことがないような音が鳴り
車の動きがおかしくなる。
やばい。
滑ってる。
ハンドルはいうことを聞かず
何度もスピンした。
不思議と
全てがスローモーションのように感じた。
ドラマや映画で見るあの演出は
あながち間違っていないんだなと思った。
この数秒の間に
ものすごくいろんなことを考えた。
何度目かのスピンの後
ガシャン!
壁に激突した。
もし
もしもあの時……
壁とは逆の方に向かっていたら──
数日後。
奇跡的に無傷で生還した私は
大学のゼミの友人に事故の話をした。
それはそれはだいぶ驚いた後
「じゃあもし崖に落ちてたら、私ぼっちになってたじゃん!」
あ〜そうだね。
……って
ん? ちょっと待って!
心配するとこそこなのー!?




