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カフェオレのじかん  作者: amai


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12/14

変わらない場所

久しぶりに実家に帰った。

玄関に入るとすぐに畳の匂いがした。

ああ、いいなあ。


テーブルもカーテンも

孫の手も爪切りも


何も変わっていない。

あの頃のままだ。


ひとつ


いつもある物がないことに気付いた。



「お父さんの爪楊枝入れは?」


「ああ! ついに壊れちゃってね。ほらそこのピアノ」


「ピアノ?」



テーブルに小さなピアノの置き物があった。



「鍵盤を押してみて!」



私は、えいっと鍵盤を押すと

爪楊枝が一本、ポンと出てきた。



「わあ! 何これ、面白いね! ……でもすぐ壊れそうじゃない?」


「そうなんだよねぇ」



みんなで笑った。

ああ、この感じ。いいなあ。




夜はみんなで川の字になって寝た。

お父さんのイビキは相変わらず凄かった。

お母さんと少し話そうかと思ったら……もう寝てるし。


ほんと……変わらないなあ。




朝は、納豆ご飯とインスタントのお味噌汁。

そうそう、これこれ!

ふいにいろんなことが込み上げてきて

お味噌汁の湯気で誤魔化した。




帰り際

お母さんから封筒を渡された。



「何?」


「お父さんには内緒ね」




封筒の中にはお年玉が入っていた。


もう、もらう年齢ではないけど

嬉しかった。

私、今ももらっていいんだって思ったら

鼻の奥が少しだけツンとした。


ああ


やっぱりお母さんには一生敵わないや。




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― 新着の感想 ―
とても素敵なお話ですね! お母さんには敵わない。めちゃくちゃ共感します! どうして何も言わないのにわかってしまうのか(笑) 込み上げてくるもの、ありますね。 読ませていただき、ありがとうございました!
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