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十二章 武鬼③

「24時!!」

佐々の電話が切れた


「この骨でいいらしい、鬼はどこへ行った?」

「ああ、時間が15分しかない」

「どうもこの刀パワーがないな」

「鬼の柄をつけたのに?」

礼司は刀を抱えて目を閉じた

「ああ、裸だ」

「なに?」

「刀のパワーは鞘に収まって充填されるんだ。

だから今の状態ではエネルギーが充填されないんだよ」

「そう言われても、刀にあわせて鞘を作るんだから合うものなんて無いわ」

「いや、有る」

礼司はタクシーに戻って刀を包んでいた布を持ち出して包んだ


「本物のシルクなら効果があるはず、もう一度鬼の世界へ戻るぞ」

「うん」

すると飯場の前に体長2mほどの五人の首の無い武者が立っていた

「魔美大きくねえか?」

「昨日人を食っているから」

「危ないから下がっていろ!」

「はい」

礼司は刀を魔美に持たせ小柄を手に取った


「行くぞ、ソードバージョン」

礼司は1mほど伸びた小柄を持って首なし武者に襲い掛かった

その武者は首が無い分動きが鈍いが刀を振り下ろす力は礼司以上だった

礼司は武者の後ろに回り

「わるいなあ、卑怯者で」

そう言って後ろから切りかかると1体を退治した

礼司が2体目と剣を交える時

魔美が抱えていた陸奥守吉行が白く光り始めた


「夜野さん、刀が元気になったよ」

「おお」

礼司は魔美のところへ走ってくると陸奥守吉行を受けと取った

そして後ろから来た武者を切ると一瞬で消えた

「おし、後3匹」

礼司は3体目に飛び掛った

「夜野さん時間が・・・・。」


時計が赤く点滅した後24時を回った。すると首なし武者目の前から消えてしまった

「魔美、消えたぞ!」


「タイムオーバーよ」

「やばい、戸田さんの自宅が危ない」

「うん」

二人は車に飛び乗って東山に向かった



その頃、木屋町の川沿いに悲鳴が聞こえた

三人の男が三人の首なし武者に追われていた

「な、なんだよ。この化け物」

「なんかのイベントだよ、首が無いのに歩けるわけ無いだろう。

あの胸の辺りに目があるんだよ。あはは」

男の一人が武者の前でおどけていた

「でも、本気でその刀切れそうだぞ」

「まさか、こんな大勢の前で幽霊がでるわけが無いだろう」

首なし武者は刀を振り回し、時々上から振り下ろし

三人はそれを避けながら走った


「おい、智也お前の事を追いかけているぞ」

「な、何でだよ」

「工事現場から盗んだ十字架じゃないか」

「そんな事無いだろう」

川沿いを飲んで歩いていた多くの若者達も悲鳴を上げて逃げ

交番の方へ向かって走っていた

「だから、さっさと売ってしまえば良かったんだよ」

「そう言われたって」


男は石につまずいて転んだ

すると、おどけていた男が首なし武者に囲まれると

金髪に染めた髪を首なし武者が手に持って

刀を首に当てた

「ま、まさか冗談だろう」

首に着けた刀を引くとそこから血がポタポタと落ちた

「十字架返します」

男が渡そうとすると


「ぎゃー」

という声が聞こえて

血しぶきが飛び散ちり首と胴体が離れた首なし

武者の一人は首にぶら下げた十字架をはずした

右手に男の首を持ち、左手に十字架をもって数歩歩くとその姿が消えた


礼司が戸田邸の前に着くと

車から魔美は戸田邸の呼び鈴を鳴らした

「はい」

佐々が玄関の扉を開けた。

「あっ、佐々さん。今からこっちへ鬼が来ます。逃げてください」

「鬼?で・す・か?」

「はい、工事現場で五人を殺した奴です」

「どうして?鬼にここが狙われるのですか」

「何か、現場から持ち帰った物は?」

礼司が後ろから尋ねた

「あっ、夜野さん十字架が4つです」

「4つ、5つじゃなくて?」

「はい」


――――――十字架は河原町で回収されていた。


「ではそれを取りに来るはずです」

「じゃあ、返しましょう」

戸田肇が4つの十字架を持ってきた。

「あっ、もう手遅れみたいだ。魔美きたぞ!」

礼司は十字架を受け取って玄関から出た。

「玄関開けないでくださいね」

魔美はそう言って扉を閉めた

「人間の世界で鬼と戦うのは初めてだ」

「うん、奴らはもっと強くなっているはずよ」

「ああ、覚悟しているよ」

礼司はベレッタを魔美に渡した


「今日は手伝ってもらうよ」

「OK」

すると道路の闇の中から2.5m程の武鬼が

ゆっくりと歩いて近づいてきた


「でかい!また人間でも食ったのか?」

「そ、みたい」

礼司はシルクに巻いた陸奥守吉行を手に取り十字架を4つ首にぶら下げた

 

そこへ、真ん中に立っていた武鬼が礼司に向かって大上段から刀を振るった

礼司はそれをうけると、体がつぶれるほどの力が体にかかった。

「重い、手首が折れそうだ」

「大丈夫?」

「自信ない」

礼司は体を右に返し武鬼の左肩を切った

しかし、何の反応も無かった

「切れない」

「パワーが足らないの?」

「どうもそのようで」


礼司は左右に避けながら3つの刃を受けていた

魔美が礼司の首からぶら下げている十字架が

青白く光るのに気がついた

「夜野さん、十字架をこっちへ」

「ああ」

礼司は4つの十字架を魔美に投げた

魔美はそれを受け取ると十字架が持っている

霊力を抑えるためにシルクに巻いた

そこへ1体の武鬼が魔美に向かって襲い掛かってきた

「危ない!」


礼司は後ろから武鬼に切りかかると

陸奥守吉行が金色に光った

武鬼は腰のところまで真二つに切れた

「おお」

礼司は一体の武鬼に向かった

そして、その一体が戸田邸の玄関に向かった

「夜野さん、鬼が戸田さんの家に」

礼司は武鬼と戦いながら

「解かっている、こっちが終わるまで耐えてくれ」

鬼は玄関の前に立つと刀を振り下ろした


すると、扉が斜めに切れそれを鬼は蹴り体を入れた

「ちくしょう」

魔美はベレッタを撃った

それを受けた武鬼は少しヨロヨロしながら家の中に入っていった

魔美はそれを追って、家の中に入り回りを見渡した

鬼は佐々を突き飛ばし戸田肇に近づいていた

「危ない!」

魔美は部屋にある弓と矢を見つけ

鬼に向け矢を射った

矢は武鬼の腹に当りその動きが遅くなった

しかし、這いながらも戸田肇に武鬼は近づき髪を掴んで刀を上段に構えた


「やめて~!」

真由美の悲鳴が聞こえた

すると、武鬼の動きが止まった

その時夜野礼司は部屋に飛び込み、動かなくなった

武鬼を叩き切った、すると目の前で真っ青な炎を上げて

武鬼は燃え上がった

「任務完了24時30分」


「あ、ありがとうございます」

戸田肇が礼司に礼を言った

「夜野さんありがとうございます」

「いや、真由美さんに助けられた」

「私ですか?」

真由美が胸に手を当てた

「たぶん前世が首なし武者のお姫様だったんだろう」

「ええ?」


「佐々さん、五人の首は工事現場の北側に埋まっています」

「はい」

「一緒にして弔ってあげてください」

「も、もちろんです」

戸田肇が答えた


礼司と魔美が車に乗った

「さて、みんなの記憶消すか」

「うん、でも壊れた玄関見たら驚くだろうね」

「あはは、そうだな」

「私の記憶は消さないでください」

佐々が窓から覗いて言った

「聞いていたの?」

「はい、この後始末しなきゃいけないし、夜野さんとご友人になりたいから」

「はあ」

「他言はいたしません。お願いします」

「解かりました」

「ありがとうございます」

「今日はプロポーズする日ですからね」

「さすが夜野さん、解かりますか」

礼司は佐々のポケットにある指輪のケースに気づいていた

「ええ、では」

礼司はタクシーを走らせた

「帰りは早いぞ」

「どれくらい」

「1分」


タクシーは佐々の目の前から消えた


武鬼 完


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