温まりますね〜
「ああ、そうそう!」
「どうされましたか、メアリー様?」
「実は、このふたりはね、先月結婚したばかりの新婚さんな夫婦なのよ?」
「ふふふ、はい、そうなんです。」
「まあ! おめでとうございます!」
なるほど、新婚夫婦で、冒険者パーティーを。
仲睦まじい冒険者の夫婦は、二人だけの冒険者パーティーをつくるそうです。
《夜明けの始まり》は、その一つなのでしょう。
「お二人の馴れ初めって聞いても良いですか?」
「アレイシオ辺境伯領で、母が薬屋さんを営んでおりますが、そのお店の常連客がセナ様です。」
「まあ! 素敵ですね!」
「わたしも、母のように、薬剤師でもあります。
何かあれば、ご相談を。」
「メイディさんも、薬剤師さんなのですか!
はい、何かあれば、ご相談しますね!」
「ふふふ、ぜひぜひ!」
「ここが、一つ目の街、エルドーだ。」
「こちらは、エルドー伯爵領なんです。こちらにある温泉旅館《光芒屋》さんで泊まります。」
「まあ! あの温泉があるのですか!?」
旅行を始めた初日の夜には、エルドー伯爵領の中心部の温泉地に辿り着きました。
この中心街の片隅に、安い値段でありながら、温泉に入れる場所があるようで、そちらに案内してくださるみたいです。
「温泉は、初めてかしら?」
「はい、初めてです、メアリー様!」
王都内には、温泉地がありません。
貴族も庶民も、自宅にある湯船に浸かります。
今は、侍女の寮生活なので、部屋に付いている小さなお風呂に入っています。実家にも自分のお部屋に、お風呂が付いている形です。
「ふぅ〜〜
温まりますね〜〜」
「ふふふ、湯あたりは
しないように気をつけて下さいね。」
「メアリー様、ゆあたりって何でしょうか?」
「温泉に何度も入ったり、長時間浸かると体調が悪くなる状態よ。貴女は、温泉が初めてみたいだから、熱さに慣れていないでしょう?」
「なるほど!確かに、まだ、慣れていないから、長時間は入らない方が良さそうですね!」
「ええ、脱衣室に出たら、水分補給してね。」
「ありがとうございます、メアリー様!」
やっぱり、メアリー様は優しい先輩ですね!
良い先輩に、良い職場、良い冒険者様達に巡り会えたような気が致します!
この旅行、より良いものにしていかなくては!
様々な出会いも、楽しみですね!
「ふふふ、メアリーさんとリュネシュカさんは、上司と部下という関係なのでしょうか?」
「ええ、そうです、同じ清掃担当の侍女なので、同僚なのですが、先輩と後輩なのです。」
「ふふふ、良い関係ですね。」




