まさに、要塞都市です
「さ、さっきから
気になっていたのですが…」
「ん?アステリノ男爵令嬢、何かあったか?」
「アイラード様の、その呼び方です。アステリノ男爵令嬢だと長いですから、リュネシュカ嬢とお呼び下さって良いのですよ?」
「ふふ、そうか、確かに、長いかもしれない。
ありがとう、リュネシュカ嬢。」
海の妖精のようにお美しい殿方が、ふんわりと微笑むと、さらに、その美しさが増しますね。
メアリー様やセナさんは、その美しさに慣れていそうですが、メイディさんは、まだまだ緊張したままでございますね。
「あら?皆様、空をご覧下さい。
そろそろ、夕暮れ時になりますよ?」
「おお!そうだな!
そろそろ、出発しよう!」
メアリー様が、お空を指差しました。
そういえば、このラベンダー畑で話し込んで、時間を気にするのを忘れていましたね。
メアリー様
ありがとうございます…!
「アイラードは、これから、どうする?」
「ああ、俺も、一緒に向かっても良いかな?
途中まで、同じ方向みたいだから。」
「おう! よし、行くぞ、辺境伯領へ!」
ラベンダー畑から出発して、その日の夕食時にアレイシオ辺境伯領に到着致しました。
ここは、まさに、要塞都市です。
騎士団の皆様や冒険者様らしき方々が、夜でもざわざわと騒いでいます。戦いの音のような、そんな奇妙な音も聞こえて来ます。
これは、不慣れなお嬢様なら、驚きますね。
夕食は、クロワーヌ男爵邸の離れで召し上がる予定となっております。
今夜は、長旅のため休憩。クロワーヌ男爵家の皆様にお会いするのは、明日となります。
メアリー様やセナさんのご親族の方々、どんな感じのお方なのでしょう?
これからも、様々な出会いが楽しみですね。
アイラード様のように、突然、予想外の出会いというのが、一番、驚きましたが。
「メ、メアリー様!」
「はい、何かしら、リュネシュカさん?」
「後日、アイラード様のお屋敷で、お茶会が開催されるのですよね?」
「ええ、そうなりますね。」
「わ、私は、お茶会に参加するためのドレスは、持って来ておりません!」
旅行先でも、職場でも、実家でも、シンプルな格好でいることが多いのです。
貴族令嬢の友人が少なくて、お茶会に呼ばれたことがないからです。
「お近くの商会を紹介して頂けませんか?」
「それなら、明後日くらいに、街観光しながら、一緒に、買いに行きましょうか?」
「えっ!? メアリー様、良いのですか!?
ありがとうございます…!」
「ふふふ、どういたしまして」




