妖精が現れたかと!
「ああ! そうだ!
途中で、ラベンダー畑に寄らないか?」
「そういえば、今の時期ね!どうかしら?
リュネシュカさんに、ぴったりな場所よ!」
「確かに、リュネシュカさんに似合う場所ね!
良いんじゃないかしら?」
「ラベンダー畑!?
ぜひ、行きたいです!」
アレイシオ辺境伯領に入ってすぐのところに、広大なラベンダー畑があるらしい。
メアリー様は、私の髪色は、ラベンダーのようだと言って下さいました。
そのラベンダーを見れる場所があるのですか?
でしたら、ぜひ、行きたいですね…!
「うわあ…!」
「ふふ、やっぱり、リュネシュカさんの髪色は、ラベンダー色なのね!」
「メアリー様!
ありがとうございます!」
一面に、薄紫から、濃い紫のグラデーションのように並んだラベンダー達。
透き通った風に吹かれて、服に染み込んでいくのではないかと思うくらいラベンダーの香りが漂っている、神秘的な場所です。
この神秘的な風景を見て、リュネシュカの髪の色は、ラベンダー色だと言って下さるなんて、本当に、メアリー様は、お優しいですね!
35歳にして、今も独身のメアリー様、実は、密かに、モテてているのでは…?
メアリー様なら、とても良い殿方に出会えて、良い家庭を築いていけそうですよね!
「ラベンダーの妖精…?」
「………えっ!?」
ラベンダー畑を
静かに、うっとりと眺めていましたら
突然、ぽつりと言ったかのような声が後ろから聞こえまして、思わず、振り向きました。
その声は、男性の声でしたが、セナさん以外の聞いたことのない声だったからです。
「あ、貴方様は、いったい…!?」
「あれ?もしかして、声に出ていたかな?」
「はい、そうです、出ていましたよ…?」
私達の後ろに見知らぬ青年が立っていました。
彼は、リュネシュカが、まだ、見たことがない大海原のような色合いの短髪に不思議な銀色の瞳を持つ、それはそれは美しい青年でした。
こんな美しい青年は、なかなか、お目にかかれません。王太子殿下も、お美しいお方ですが、こちらの青い青年も、かなりの美しさです。
歳が近くて、20代前半くらいに見えますね。
「ああ、ごめん!
貴女は、人間だよね?」
「まあ! はい、そうです!
私は、人間でございますよ?」
「ラベンダーの妖精が現れたのかと!」
「ラ、ラベンダーの妖精…?
ふふふ、ありがとうございます!」
その美青年は、リュネシュカを、ラベンダーの妖精のようだと思ったようですが…
美青年に言われるのは、恐れ多いのですよ!
貴方様こそ、海の妖精なのでは!?




