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淡々とお掃除を頑張ります

「リュネシュカさん」


「はい、メアリー様…!」


「そろそろ、一度、手を止めて下さいな。」


「はい、承知いたしました…!」


お昼くらいから、3時間仕事を続けていたら、職場の先輩侍女メアリー・フォン・クロワーヌ男爵令嬢から、休憩を言い渡されました。


この職場は、先輩の侍女から声が掛かるまで、手を止めてはいけないのです。


「リュネシュカさん、こちらにいらっしゃい。

冷たいお茶を飲んで休憩いたしましょう。」


「はい! ありがとうございます!」


幸いにして、リュネシュカの上司の侍女であるメアリー様は、大変お優しいお方です。


お手洗いに行きたい時や急な体調不良などで、こちらから、声を掛けても良いようにはなっておりますから、安心して働けます。


今日のように暖かい日ですと、休憩の時間に、冷たい飲み物を一緒に飲みましょう、と誘って下さるのです。


厳しい先輩侍女さんだと、本当に厳しいので、お手洗い休憩に行きにくい、水分補給しにくいということを聞いております。


本当に、本当に、優しい先輩、メアリー様には感謝しかありません。


「ピンクローズアイスティーよ」


「まあ!とても可愛いらしい紅茶ですね!」


「こちらは、王太子妃殿下がお気に入りなので、国民に広めたいそうですよ。」


「王太子妃殿下が!?」


「ええ、そうです、王太子妃殿下付きの侍女様が言っておられましたから。」


「それは、素晴らしいですね!」


王太子妃殿下お気に入りに可愛いらしいローズアイスティーを頂けるなんて感激です…!


国王陛下夫妻も、王太子夫妻も、国民への愛が深くて、優しい方々だと聞いております。


ですから、休憩の時間は、王城で働く人々は、自由なのです。休憩所にいろんな種類の紅茶や珈琲などの飲み物が保存されています。


「リュネシュカが王城清掃担当侍女見習いとして働き始めて、2年ほど、経ちましたね?」


「はい、そうです、もう2年も経つのですね」


「こちらの清掃業には、慣れて来ましたか?」


「はい、少しずつですが、慣れて来ました!」


「そうですか、それは良うございました」


「はい! ありがとうございます!」


18歳から、王城の清掃担当侍女見習いとして働き始め、早くも、2年が経ちました。


清掃担当侍女見習いの仕事は、煌びやかなものではありません。


トイレや大浴場の掃除など、貴族令嬢が苦手な場所を掃除することが多いために、辞めていく方が、たくさん、いらっしゃいます。


メアリー様も私も、王都在住の男爵家の長女のはずですが、身分関係なく、普通に、トイレや大浴場の清掃に参加しています。


王族や貴族の方々からは、庶民の清掃員だと、勘違いをされていますが…


リュネシュカは、周りの人々に庶民だと勘違いされたままであっても、あまり気にしません。


彼女は、のんびりとした性格なのです。


淡々とお掃除を頑張ります。

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