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18  遂にフラン学園都市へ入学を果たし………

やっと、目標設定を決めた。

トモルシード!


フラン学園都市に無事に入学する事が出来るのか?


入学前のクラス編成テストで

どう転ぶのか……………




フラン学園都市のスペイ王国の寮の中

新たな配下セシリアとジルグフリードに案内されながら、

王族の部屋に到着した。


セシリアは、銀髪のセミロングヘアに

グレーがかった瞳が愛らしい小柄な女の子で在り、セバースの娘で1学年上

だった。


俺は、自分が勘違いしていた事実に気が付いた。

それは、セバースが執事の職で苦労し白髪に成ったと

ばかり思い込んでいた。


セバースは、初めから銀髪だったから?

セシリアが銀髪だった事実に

心の中で すまんセバース!

と詫びた。


一方ジルグフリードは、金髪ロン毛で

かなりの色男だが……騎士らしく服の上からでもしなやかに鍛え上げられた筋肉で

流石は剣豪の名家の息子だと感じられた。


「こちらのワンフロアが、

トモルシード王子の為の在学中の御部屋になります。」


セシリアに言われて

思考加速で

快適な生活の為の設計図を

頭の中で、描く…………


確か窓の外に山脈が

見えたので

飲水や水廻りの水は、

あの山脈からの

地下水を引けば、

何とか成るし………


寮の地下で下水処理場を創り

近辺の川に処理水を流せば

良い。


後は、電化製品と

蓄電システムを

錬成で壁に配管と

配電すれば?

快適な学園生活に直結する。


思考加速で黙り込む俺に………

心配そうにセシリアが

言葉をかけた。


「あのー 何か気に入らない事でも………


トモルシード王子様の好みでは無いのでしょうか?」


俺は慌てて


「そんな事は全く無いよ。


それよりも……本当に……

良いのか?


俺達だけでワンフロアを


好きに使用して?」


真面目にセシリアに問えば


「当然ですよ。 

第四王子トモルシード様に

与えられた権利ですから。」


そう言われてみれば、

第三王子

ジルルシーク兄上も隣の建物だが………ワンフロアだった様に感じた。


では、好きに改造?改築?

しても?

大丈夫そうだから……………


セシリアとジルグフリードに頼み事をする。


「第一王子ルシファード皇太子の現状は………

勿論知って居るだろう?」


と二人に問えば


「ハイ。存じております。


命の危機からは、トモルシード王子様がお救いされた事と車椅子での生活を成されていらっしゃると、父から聞き及んでおります。」


2人は苦渋に満ちた顔で俺を伺う。


「そうか……ではこのフラン学園都市の巨大図書館から、 

呪術関連の本や資料を全て

借りて来て欲しい。」


と二人に頼んだが…………

2人の様子が変わった?

言いずらそうにジルグフリードが言葉を挟む。


「フラン学園都市の貴重な本は………


借りるならば、高額な補償金額を………


請求される事が条件に

成るのですが?」


2人は、王族とはいえ子供の俺がマサカ

大金を持ち合わせては居ないだろうと

気を使って、発言したのだろうが………ダンジョン攻略で

金塊を集めまくって、

国家予算に匹敵する程の成金に成っているので


「全く問題は無いょ。」


俺は懐から金貨が詰まって

パンパンの

巾着財布をジルグフリードに渡し、魔石を2つ収納魔法

から出して、

その場でキャスター付きの本を運ぶ図書館で良く見かけた物を錬成すれば………


「魔石の錬成? マサカ?


フラン学園都市に入学前に」


と驚愕して?

二人して瞳をパチクリして


ハッと我に返ったセシリアが


「呪術関連の本ですから………


恐らく図書館の司書に探して頂き………


お借りして参りますので、

少し長めの


お時間が掛かると

思われますが、


宜しいでしょうか?」


俺は、ゆっくりで構わないからと図書館に

2人を向かわせてから…


それじゃあ!

魔改造に入ろうとし

ドラニちゃんとトールの意見も参考に取り入れる為に

2人に問えば………


トールは俺の、好きにして下さいと言い。


ドラニちゃんは、スペイ王国の部屋と同じで良いぞ!


と、無関心に言われて………

俺も開き直り、じゃあ好きにさせて貰うから……………

と意気込んだ!


先ずは、水回りからだ!

低位瞬間移動魔法で山脈に移動し地下水源を探せば、直ぐに見つかった。


土属性魔法で、寮までの動線を固めながら通してから魔石の錬成で、配管を通して寮の地下に貯水タンクを創り出した。


楽しくて堪らなかったので、ワンフロアを快適な生活環境にするべく、邁進する


3時間後、一流ホテル並みの快適すぎるワンフロアが

完成した。


寮の屋上には、太陽光発電設備を設置し

俺が留守の間でも、

利便性の追求をし

全自動洗濯機件乾燥機付きや

全室に冷暖房完備や

レンジやバスタオルに

至るまで

最上質の魔石やインゴット

以外を使い果たした!


丁度いいタイミングで、

セシリアとジルグフリードが

フラン学園都市の

巨大図書館から大量の

呪術関連の本と共に

戻ってきて…………………………


一流ホテル並みの魔改造したワンフロアを見て、2人は言葉を発する事さえ出来ずに固まっていた。


無理も無い話だが………


「2人の部屋も当然用意して有るぞ!


通いで俺の面倒を見るのも大変だからなぁー」


そう告げてから、

大量の呪術関連の本を

並行存在魔法で、

10パーセントのカラー

付きの俺で10人で一気に

呪術関連の本を読み出ば………


「魔石の錬成だけでは?

なくて…………


こんな常識外れな魔法まで習得されているのか?

 我等の主は……………」


と 二人の配下セシリアと

ジルグフリードが唖然と俺を見つめている。


ソレに構うこと無く


引っ越しの準備に取り掛かりなさい。

と二人に命じれば、


「畏まりました。 トモルシード王子様


直ぐに取り掛かります

から…………」


と慌てて自室からの引っ越しに取り掛かった。


その間に地下闘技場と竈門の作製に尽力し、取り敢えず快適な生活環境を確保した。


セシリアとジルグフリードの引っ越しの間に呪術関連の本や資料を網羅し

第1王子ルシファード皇太子兄上の呪術解除方法も完璧に理解した。


俺とドラニちゃんとトールの寝室からは、直接闘技場に行き来するドアを取り付けが、セシリアとジルグフリードには、応接室から闘技場に行くドアを設置して………

様子を見る事にした。


俺が登録した人間以外には、入る事さえ出来ないドアに

成っている。


後は、第1王子ルシファード皇太子を完全に完治させる

だけで、俺の今回の仕事は

完璧に終わる。


セシリアとジルグフリードが何度目かの

引越作業の間に、

今後の予定を

ドラニちゃんとトールと共に

考えて、行動しようとしていれば


引っ越しの荷物を全部応接室に、運び終えたセシリアが


「私達配下の御部屋はどちらに成るのでしょうか?」


と俺に問うて来たので………


リビングとキッチンの左側に

二人の部屋を改築してあるので…案内しながら


「気に入ってくれると、

嬉しいんだが?


どちらの部屋も同じ造りに

してあるが………


使用方法が分からなければ……


快適な生活環境とは、言えないからな!


使用方法だけは、直接俺が

教えるよ。」


そう告げてから、

手前の部屋に手を伸ばし

2LDKの部屋に入れば?


「私達配下には、勿体無い

豪華すぎる部屋です。


やはり、元の部屋に戻った方が良いと存じます。」


と、2人から苦言を述べられたが………


「俺は確かにスペイ王国の

王子ではあるが、最終的には国を支配したい等という

願望は…一切無い!


だからこそ、俺が意識不明に陥った時に、全ての配下達を首にした。」


一度死にかけた俺は……………

自由に何の束縛も無い冒険者に成る!

と、心に刻み込んだ。


「だからこそ、このフラン学園都市で学ぶ間だけでも、

俺の配下にと希望者が

居たなば、学園生活だけは

仲間として遇するつもりなのだよ。」


呆れた主人に唖然としたのか?2人が一瞬押し黙った。

 

するとセシリアが


「私は、初めからトモルシード王子様の事を利用しようなんて考えで、配下にとお願いした訳では、断じてありません。


父上であるセバースと家族が

トモルシード王子に助けられた事を聞き及んで、

フラン学園都市ではその御恩を少しでも返したく……………

懇願しました。」


俺は何も言わずに、只黙って話を聞いて頷けば


「私もほぼ同様な理由です。


第1王妃が、原因不明な病で身罷られ


責任の追及により、父上が

護衛騎士長だった責任で、

2階級降格させられました。


騎士の力では、

どうする事も……

出来ませんでしたので

父上は、精神的にも疲れ果て


家柄は永きに渡り没落寸前まで、針が進みましたが


もう限界だと感じ始めた頃に……………


トモルシード王子様が、

第1王妃の死の謎を説き明かしただけで無く!


第二王妃の策略を

暴いて頂き……………

第1王妃の元配下達を

救って頂きました!


この恩に何としても報いたかったから私は、

トモルシード王子様にお使えをと願い出ました。」


この2人が俺の配下にと

希望した動機は

完全に理解し、下手な嘘をついている様子もない! 

ならば


「二人して、俺に感謝の念が在るのならば、俺自身が用意した部屋なのだから

安心して、使う事を最初の……

俺からの命令とする!」


2人同時に跪きながら


「ハイ。 有り難く使わせて頂きます。」


と 宣言したので………

説明に戻った。


寝室には、クイーンサイズの

ベッドとクローゼット

もう1部屋には、勉強机と椅子のセット

トイレとシャワー室

洗面所とキッチン完備

全室冷暖房設備完備

各部屋の照明

冷凍冷蔵庫付き

シャワーも温度調節機能あり

高級マンション並みの条件を

考慮して、錬成したが………


説明しても、彼等に理解が

追いつかなかったので………


そこで、慌てて説明書を

書き渡して


「これを読んで少しずつ

理解すれば良いからな!」


と伝えてから


「同じ造りにしたのだから

どっちが手前か奥かは?

2人で決めてくれよ。

じゃあ2人は、荷物の整理後に応接室に来てくれよ。」


と言い残して、応接室に戻り

ドラニちゃんとトールに

ルシファード皇太子の件で

一度スペイ王国に戻るけど……

どうする?

と聞けば?


「勿論!一緒に参りますよ。」


とトールは言うが…………

ドラニちゃんは、


「戻った処で、我がトモルシードの兄を手助け出来る事など無いからなぁ〜


我は、此処で待つが…………

何か暇潰しになる物を用意

してくれ!トモルシード。」


とお願いされたが…………

これには、正直参ってしまったが?


そう言えば、複製魔法が使えたから、スマホの漫画を複製魔法で創り出せないのか?

と疑問に感じて、スマホを取り出してアプリで探し

実験を試みれば………成功した


全部日本語なのだが………

この漫画を外国語で書き直すよりも?


ドラニちゃんに日本語をインストールした方が楽だと

思い直し、ドラニちゃんの頭を両手で掴み自分の額を付けながら自分が知り得る日本語をドラニちゃんの脳へ直接流し込めば??


何故か?どういう理屈なのかはさっぱり解らないのだが……

成功した!


「ナッ 何をするのだ!

ト トモルシード!」


と ドラニちゃんは慌て

ふためいたが………


漫画本を与えれば、夢中になって漫画を、読み出した。


こ これは! ドラニちゃんへの何かの対抗手段に成るぞ


と、気持ちを切り替えながら


「トールも、多言語を理解しなくては、いけなく成る事例が今後の展開次第で出てくる可能性もあるから………

やっておくか?」


トールに問えば………


「私も是非日本語成る言語を学びたく思います。」


言質を取ったので

トールの頭を両手で持ちながら、自分の額をそっと付けて

トールにも同様に日本語の知識を流せば………


完璧に日本語をマスターした

トールには、史実を元に描かれた漫画本を最終巻まで複製した漫画本を手渡せば?


時にはしゃぎ時には感心し

2人は、漫画の世界に没頭し

て行った。


そこに、引っ越しが終わった

セシリアとジルグフリードが


「引っ越しの作業は、無事終わりました。


何か他にご用事はありませんか?」


と俺に問いかけた。


「ソレならば、呪術関連の本と資料全部をフラン学園都市の図書館に返して来てくれると助かる!」


3時間以上かけて探し出した

価値ある本を、もう返却するのか? と二人の顔に出ていたが…気に留めずに


「全て頭の中にもうあるし、結論もすでに出ているよ。


図書館に返却し終わったら

ジルグフリードは、俺の所へ来てくれ!

頼み事が、もう1つある。」 


と 命じた。


2人は、素早く本や資料を

片付けワゴンに全て乗せて

フラン学園都市の図書館に向かった。


俺は、ルシファード兄上が

全開した場合に、訓練士としてジルグフリードの父上を

教師として雇いたいと感じたからだ!


互いに取って欠け替えの無い者を亡くした。

1人は、主を

1人は、母上を

だからこそ秘密裏にルシファード兄上に、剣の腕を上げて

事が起こった時に………自分と

動ける様に……………………

第三者に頼みたい事例なのだ


取り敢えず、ジルグフリードに父親の話を聞き

結論を出す事に決めた。


図書館から戻って来た

ジルグフリードに問う!


「先程、ジルグフリードの父は、精神的にも疲れ果てたと聞いたが?


第1王妃の死の責任と地位は、既に護られているが?


豪剣の腕前は?


衰えて居ないのか?」


とジルグフリードに問いかければ………


「己の潔白をトモルシード王子に晴らして頂き、


今では、精神的に病んで居た事が嘘の様に、領地を治めています。」


笑顔を浮かべながら答えた

ジルグフリードに対して


「それは、誠に良かったよ。

ジルグフリードの父上に頼み事が有るのだが………」


何事かと身構えるジルグフリードに概要を話す。


「第1王子ルシファード兄上に掛けられた呪術は、

俺がマスターしたから

後は兄上を完全に完治させるだけだが………


ルシファード兄上は、皇太子になりいつ狙われても大丈夫な様にと念を入れて置きたいから、寝た切りだった期間と車椅子生活の期間に

脆弱化した体を君の父上に

剣術と共に鍛え上げて欲しいと、考えたが?


どうだろうか?

やはり君の父上は?

王族に対して不信感を抱き

俺の提案を受けてくれると

思うか?」


と、真剣に問えば


「父上は、第1王妃の御子息であるルシファード王子様の事も心配しておられましたし


何より嫌疑を晴らして頂いたトモルシード王子の要請なら、必ず応えてくれると

息子である自分が保証します。」


ならば直ぐに行動に出よう。


ドラニちゃんを一人で残して帰還するのは、やはり心配なので………


「トールは、悪いが残ってドラニちゃんが何かトラブルに巻き込まれない様に………

監視の任務に付いて欲しい。」


と、頼み込めば


仕方が無い様子で溜息を溢しながらも


「ふぅ~ 仕方が有りませんねぇ〜………然し飲み物や

食事はどうすれば?

良いでしょうか?」


俺は、ダンジョン様のドアを

取り出して徐ろに応接室の壁に取り付けて


「このダンジョン様のドアに、食材や飲料系がたんまりとあるから、俺が戻るまで

宜しく頼むよ。トール。」


と手を合わせて頼むと

笑顔で了解してくれた。

ホッとしながら


「セシリアも一緒に来いよ。

久し振りにセバースにも

会いたかろうし………


俺の配下で、1番俺の事を把握して居るのがセバース

だから、アドバイスして

貰った方が安心出来るだろう。」


「エッ  

私も良いのですか?」


と驚くセシリアに頷き


フラン学園都市の寮とスペイ王国の転移陣へと向かうべく歩き出すセシリアとジルグフリードを引き止め


「帰還する痕跡を残す以外の方法で、スペイ王国に戻る。


2人共俺の隣に並び手を出してくれ!」


何が何だか解らず俺の隣に来た二人の手を取り低位瞬間移動魔法でスペイ王国の自室に

戻れば……………


「お帰りなさいませ。トモルシード王子。」


と、突然現れる俺にもう慣れたセバースが頭を垂れる。


そして、一瞬でスペイ王国に

戻り父親が平然と言葉を発するのに狼狽えながら………


「現実世界ですか?

幻想ですか?

私の……………」


と、完全に思考停止に成る

セシリアに対して……


「安心してくれセシリア。

僕も何が何やら理解不能だよ。 


しかしながら、セバース様がいらっしゃるという事は?

スペイ王国に………居る証だ。」


ジルグフリードは、セバースの事も知って居るらしかった

ので、紹介は飛ばして本題に入る。


「セバースには、今から第1王子ルシファード皇太子への謁見を頼みに行ってくれ!


呪術を完全に排除したいと

俺が言っている。と伝えてくれ!」


俺の指示にセバースは、素早く行動を開始し


「ジルグフリードは、実家の領地の詳しい場所を地図で示してくれ!俺も同伴してお前の父上に説明をするよ。」


とスペイ王国の地図を出すと

此処が、父上の領土ですが

と地図に指をさして答えた。


降格された割に意外と近い所がジルグフリードの父親の領土であった。

フライの魔法で飛んで行けるが、ジルグフリードと一緒だから……


直接ジルグフリードの記憶から読み取り低位瞬間移動魔法で行く方が、タイムロスを

無くせると考え


ジルグフリードの記憶を読む為に本人の頭に触れて


「実家の記憶を読み取るから家の前をイメージしてくれ。」


とジルグフリードに命じれば

理解不能ながらも


「ハイ!故郷の家の前を

明確に思い出して見ます。」


と言い。

そのイメージが俺に伝わった


「セシリアは、セバースの帰りを待っててくれ!


説得次第この部屋とジルグフリードの実家をドアで繋ぐ。」


そう言い残しジルグフリードの手を取り低位瞬間移動魔法で、ジルグフリードの実家の前に移動すれば


「本当に?

私の実家の前です!


私がイメージした通りの

場所に?


どうゆう理屈で…………」


と頭を抱えるジルグフリードに、対して


「俺は、自分が一度訪れた場所ならば、何時でも移動可能何だよ。


これは、その応用編で相手の経験した場所のイメージを

俺が汲み取って成せた魔法だから………他言無用で頼むぞ。」


とジルグフリードに話して

実家に向かわせた。


領地を任されるだけあり

立派な大豪邸に


「ジルグフリード。只今

戻りました。」


と豪華な玄関の扉を開け放って、無事に帰宅した事を知らせると


「アラ。 フラン学園都市に

入学してから、1度も帰って来た事が無い貴方が………

連絡すら寄越さずに………」


と、ある御婦人が声を掛けてきて?


「そちらの方は?ジルのお友達かしら?」


と珍しい物を観たみたいな言い方で、俺を見つめている。


「ナッ 何を仰っしゃるのですか!お母様!


この御方は、スペイ王国第4王子のトモルシード様ですょ


無礼に当たります!」


とジルグフリードが俺に謝罪したが


「連絡も無しに行き成り現れた、俺にも責任の一端はある。それよりも……奥方様に

この地の御領主にお取次ぎを、お頼みしたく参りました。」


軽く頭を下げて要件を伝えれば、慌てた様子で


「これは、失礼致しました。

王子様だと、知りもしないで………直ぐに主人を呼んで参りますから、貴方達応接室に御案内して、御茶の準備をしていて下さいね。」


と言うと自分自身は、階段を

乱れぬ様に早足で駆け上がって消えた。


俺とジルグフリードが応接室に通され御茶の準備が整った時に、この領地の主が夫妻揃って現れた。


「此の度は、愚息と妻が大変失礼をしたと存じますが?


一体何用で我が家までお越しになられたのでしょうか?」


ザックリとした事の流れを俺は、説明した。


「このスペイ王国を自分達の物にする為に、第1王妃と第1王子を暗殺計画を実行した奴らの事です。」


主の顔色が一変し、話の続きを促した。


「第1王子が正式に皇太子に、成った今標的はその第1王子になり、刺客が放たれる恐れが高いと、私は睨んでいますが………


私自身は、フラン学園都市へ入学するので、

剣豪と名高い貴方にルシファード兄上に密かに剣を教えて置いて下さいませんか?」


ど直球な質問に対して

唸り声を上げながら


「あの親子なら!

遣りかね無いから、

悍ましいです。

然しながら私はそれ程遠く無いとは言え………第1王子ルシファード様を教えるだけの

時間が無いと思われます。」


出来る事ならば協力したいが

その方法が無い。

と彼は語った。


「ソレを自分が何とか出来るのであれば、ルシファード兄上を鍛え直して頂けますかな!」


そんな都合が良い事など無いはずと感じながらも、ジルグフリードの父上は?

困った顔で了承した。


俺には、勝利の女神がハッキリ見える………


「この応接室から直接自分の自室に繋がるドアを設置しますよ。

3日に1回でも構いません。

そちらの都合も有るでしょうから………」


切れるカードを決めた俺に

ジルグフリードの父上は、

渋々ながらも承諾したのだった。


先ずは、俺の自室に繋がるドアをこの応接室の柱の陰に取り付けて


「このドアは、私の承諾なしでは誰も通れません。

今の処貴方とジルグフリードと製作者の自分の3人です。


早速入って見ますか?

今頃、セバースが交渉を纏めているでしょうね。」


と提案すれば、息子の立場上

嫌とは言い難い状況だが………

それも利用するのが、俺流なのだ。


ジルグフリードの父上は、


「このドアが?

トモルシード王子の自室へと、繋がっている?」


不信感しか無い眼で観るが

第4王子の言葉を否定は出来ずに………


百聞は一見にしかずだよなぁ


「取り敢えず、ジルグフリード親子は、俺の後に続いて

このドアに入れば、理解出来る事があるから………

行くぞ!」


と設置したドアを開け中に入れば、ジルグフリード親子も

俺の後に続いた。


「これは?

誠に?セバース殿が………」


ドアを出れば、セバースが

俺達を出迎える。


「御久しゅう御座います。

ガルゴフリード様。」


恭しく、セバースがジルグフリードの父親に挨拶すれば……


「私が、まだ第1王妃の近衛隊長の時だから………

10年以上振りですかな?」


ガルゴフリードと呼ばれた

ジルグフリードの父親が

昔を懐かしむ様子で、セバースに語った。


2人は、旧知の間柄に見えたので、先にセバースに問う。


「それで、ルシファード兄上の返答は?」


セバースは、俺に視線を合わせてから


「今直ぐにでも、来て欲しい。との事でした。」 


「そうか!ならば………

ジルグフリード親子とセバース親子共に………第1王子

ルシファード兄上の元に行くとしようか!」


セシリアが慌てながら?


「私もですか?

父上がルシファード王子様の執事長をしていた事は、存じて居ますから解りますが?

私は?

何も関係性が無いのではないでしょうか?」


と切り出したが?


「セシリアとジルグフリードがフラン学園都市の巨大図書館で、呪術関連の本と資料を集めたからこそ、 


兄上に掛けられた呪術の解除方法が得られたのだから…

褒美や感謝の気持ちは持ってもらえば……後々2人の功績

として、ルシファード兄上の覚えも良くなるはずだ!」


そうして、直ぐに5人で第1王子ルシファード兄上の部屋に急いで向かった。


5人で訪れた俺達に少々何故だ?

と云う反応を兄上の側近達にされたが………

それでも呪術を解除する方法を発見したと聞かされた側近達は、スンナリとは言え無いが5人の入室を許可した。


俺は先ずセシリアとジルグフリードがフラン学園都市で

呪術関連の本等を全て洗い出した事実を報告すれば、

ルシファード兄上は、2人に感謝の念を言葉にした。

跪きながら、第1王子の言葉を聞き及んで


「勿体無い。お言葉です。」


と告げた。 2人だった。


次に、ルシファード兄上が

皇太子に、容認されたので…

刺客の問題が浮上すると

改めて自覚出来る様に意見を

加えてから………

ガルゴフリードを紹介すれば


「存じておるぞ!

第1王妃の近衛隊長だった

者であろう?

確か?自分が幼年期の頃は、

良く遊んでくれたよなぁ。」


と昔を思い出しながら、笑顔でガルゴフリードを見詰めて

懐かしんでいた。


俺が第2王妃と第2王子の危険性を伝えれば……………


「自分自身もアレで、事態が収拾したのかは、

甚だ疑問ではある。

ガルゴフリードの

剣豪としての腕前を伝授してもらえば………

かなり心強い。」 


そうして、ガルゴフリードの

特別特訓が必要不可欠であると、ルシファード兄上にも危機意識が届いた。


これで、昼食後周3回の特訓が決定した。


俺はルシファード兄上をベッドに寝かせて呪術の術式を

観察してから

学んだ呪術解除、に邁進しルシファード兄上を完全に回復させて、紅い花のポーションを両足に振りかけて治療すれば………

 

「ちょ ちょと待て!

トモルシード!


その紅い液体は?

一体何なのだ?」


紅いポーションの事を識る

人物が居ないのだから………


ルシファード兄上が狼狽えるのも理解は出来るのだが………


「この薬ならば、兄上の膝から下も元通りに回復するのですから!


俺の事を信じて下さいませんか?ルシファード兄上!」


体と呪術の2つの工程を

俺一人で、俺流で何とかする

のだから………兄上の不安から出た言葉を俺を信じろと黙殺した。


直ぐに、体の自由を取り戻したルシファード兄上は、


「解ったよ。トモルシードを信じるよ。」


と 語りながら立ち上がり

自分の体に不都合が無いか?

入念にゆっくりと動かし………


「本当に?


体が、元通りに………


これも全てトモルシードの


おかげだな!


命を救われてから今まで……


全ての借りを返せるのか?


甚だ不安しか無いが。


これからは、全面的に


トモルシードの味方であり続けると、此処で誓う。」


ルシファード兄上は、皆の前でそう宣言すれば、

周りの配下達から自然と

拍手が巻き起こった。


「ルシファード兄上に頼る事があったら、直ぐに連絡させますよ。セバースに………」


1つ頷き了承したルシファード兄上に、ガルゴフリードの特訓の割合の日を提案した。


「ガルゴフリードは、

月 水 金 曜日の昼食後

ルシファード兄上の特訓を

頼みたい。

領土の運用やら忙しいとは思うが、俺にはどうしても?


第二王妃と第二王子だった2人が、諦めたとは思えない。


刺客や暗殺者を送られる恐れが絶対に無いと、断言出来ない以上は、ルシファード兄上に対抗手段を得てもらうしか無いと………悔しいが事だが


自分は、フラン学園都市に入学しスペイ王国に居られないのですから………」


ガルゴフリードとルシファード兄上の2人が同時に頷き


「トモルシード王子の不安は?

この私が、責任を持って振り払って御覧にいれます。」


と ガルゴフリードが太鼓判を押して俺に視線を向けた。


そこで俺は、計画を発表する


「事は秘密裏に行わなければなら無い。


ルシファード兄上の応接間に闘技場へと繋がるドアを新たに築き、俺とガルゴフリードとルシファード兄上と連絡用にセバースと兄上の執事長

だけに、出入り可能なドアを

上質な魔石で創り出します。」


と告げてから、俺はルシファード兄上の応接間に行き

上質な30センチ四方の魔石から錬成で、ドアを創り出して応接間の壁に貼り付けた


驚愕する周りを無視して


「どうぞ地下闘技場を確認して下さいね。


俺を含めた5人で………」


そろってドアの中に入れば?

スペイ王国の闘技場の最高峰よりも立派な建造物が眼下に広がる。


闘技場を実際に確認して貰いながら


「練習?イヤ特訓用の剣は

明日までに用意して、届けます。


今日は、これから先の特訓方法と基礎体力向上で総魔力量が向上すれば、

思考加速と身体強化を

修得可能に成る!


その事実を理解してもらい。

ガルゴフリードとの特訓に対し、心構えと覚悟を

決めて下さい。」


と4人に説明しドアから揃って出た。


ルシファード兄上も決意を新たに、修行を怠らないと

俺達と配下の前で

宣言したので、俺達5人は

ルシファード兄上の部屋を後にした。


自室に戻り


「ジルグフリードは、久々の親孝行をして来るが良いぞ。」


と実家に通じるドアに、

ガルゴフリードと共に返して


セシリアには、この部屋の使用方法をセバースに学ばせ

フラン学園都市の俺の自室の

使用方法を親子で話し合わせてる間に、俺は自分の地下闘技場へ足を運び


ルシファード兄上と

ガルゴフリードの

同じ造りの刃を潰した剣を

重量を10キログラムから

50キログラムの剣の

5段階の剣と

思考加速と身体強化に成功

したならば………

その手に出来る

2種類の剣を竈門に火入れしインゴットで創り出し収納魔法にしまい込んで、応接間に戻った。


その間にセバースが

セシリアに俺の取説を語りながら、水回りや電気関連の説明を終えていた。


「改めて、トモルシード王子様の偉大さを知り……………


尊敬の念を実感して居ます。」


と話すセシリアに


「今日出来る事は、全て完了したのだから、


セシリアもセバースと共に実家に帰りなさい。


実家も変化してるし

弟とも母親とも楽しんで来なさい。」


と、2人に命じれば………

 

「夕食までは、執事長の仕事ですから御気持ちは

有り難く受け取ります。」


と、セバースに返されたが


「夕食は、ルシーシアと共にするから、セバースは

家庭を大事にせよ!」


と大切な家族の時間を充実する様にセバースの意見を却下すると………


「トモルシード様には、

敵いませんね。

 

それでは、御言葉に甘えさせて頂きます。


これにて、失礼致します。」


そう発言し、固まるセシリアの手を引き俺の自室から

恐らくセシリアは、初めて帰る自宅へと戻って行った。


俺は、ルシーシアに手紙を飛ばして、夕食会に参加する旨を告げてから


今後の予定を考え始めた。


フラン学園都市に入学すれば

ダンジョン攻略へ出かける時間は?取れるのか?


それとも休日にダンジョン攻略をした方が良いのか?


迷って居れば?


ルシーシアが俺の部屋を訪ねて来た!


「フラン学園都市のスペイ王国の寮を快適に過ごす為に

王族専用の部屋に行かれたばかりなのに!


こんな直ぐに戻って来たのですか?


しかも、スペイ王国とフラン学園都市の転移陣さえ

使わずに?

どうやって帰国されたのですか?」


一気にまくし立てられた!


まぁまぁと憤慨するルシーシアを落ち着かせて………


「お前の兄がたった1人で

ダンジョン攻略に向う程の

男なのだから………


スペイ王国とフラン学園都市の転移陣以外の方法で

痕跡を残さずに、帰国する

方法を考え出したかも?


とは、考えれば分かるだろ。」


と返答すれば


「そうだとしても………早過ぎますよ?


重要な出来事でもあったかと? 心配したのですよ〜。」


ルシーシアの言い分にも一理あるのだから、事の概要を説明すれば………


「第一王子ルシファード兄上の呪術を解く方法が?


そんなに早く見つけられたのならば、帰国された理由は

解りました。」


ホッとした様子で口にした言葉に………

これは、ソフィーシア様にも

説明しなければならない様だから………


「ソフィーシア様にも、夕食会の前にルシーシア口から

報告だけしといてくれると

助かるんだけど?

頼まれてくれないか?」


と手を合わせて頼めば


「フフフ。

性が有りませんね!


御母様には、私から一応話は通して置きますわ。」


と、低い背を伸ばしながら

俺に1つ貸しですよ~

と言い放ち自分の部屋に安心し戻って行った。


夕食会が始まれば、

案の定ソフィーシア様からの

御説教があったが………


ルシーシアが先に事の顛末を

話してくれたおかげも有り

手短に済んだ事を

ラッキーだったと感じながら

楽しく晩餐を終えようとしたが………


「トモルシードさんは?


第一王子ルシファード皇太子の為に、自分がフラン学園都市で何年も生活する………


王族専用の部屋の重要性を本当に理解して

居るおつもりなのですか?」


と ソフィーシア様から問われて………


「も、勿論理解してますからどうか 御安心して下さい。


フラン学園都市のスペイ王国の寮の自室のワンフロアは

既に、改築済みですから……」


と 正直に答えれば


「有り得るのですか?

息子のジルルシークに聞けば、たった二人の配下しか

居ないと報告を受けて居ますよ?」


不信感を隠さずに問われたけど、本当にワンフロアを

好き勝手に改築?改造?

は終えて居る。


「二人の配下達に、フラン学園都市の図書館から呪術関連の本を全て貸し出しさせている間に、魔石の錬成で

全てを創り変えましたので、

御安心して下さい。」


と ソフィーシア様に答えれば、ソフィーシア様はこめかみ辺りを人差し指で擦りながら………


「普通は、必要不可欠な物は、スペイ王国から転移陣で揃えるのが………

一般的なのですょ?


トモルシードさんに一般論を諭しても無意味な事は?

スペイ王国の重職よりも

冒険者の道を選んだ時点で……


覚悟はしていたつもりでしたが……………

真逆?フラン学園都市の寮まで自分自身で改築するなんて……………」


と 呆れられた。

が、ルシーシアには

尊敬の眼差しで見られて


「流石は、トモルシード兄上ですね!


行動が早過ぎますよ。


それで?


第一王子ルシファード皇太子の御様子は?


大丈夫なのですか?」


と 話の流れを変えてくれたので


「呪術は、完全に解除しましたし、既に車椅子から解放されて、危機管理の為に第一王妃の近衛隊長だった者に

特訓をして貰う計画を遂行する様に、手配済みだよ。」


と ルシーシアに説明すれば


ソフィーシア様が何故か?

頭を抱えながら


「トモルシードさんの実行力と頭の回転の速さには、驚かされてばかりですが?


皇太子に、決定したルシファード様に特訓が………

必要ですか?」


と真面目に問われて


「皇太子に成ったからこそ

暗殺者や刺客が?

来ても………」


とソフィーシア様に苦言を

申し上げれば!


「確かに、絶対に無いとは言い切れません。

然し、何故そこまで………

第一王子に肩入れするのですか?」


ソフィーシア様の言葉は?

恐らく、第三王子ジルルシークでも良いのではないのか?

と言う事だと感じた。だから


「人は、試練や悲しい出来事を乗り越えてこそ……

人民に対して、思いやりの心を持つことが出来ると………

考えています。


その視点で言えば、1度母上を亡くされ、2度目は自分自身が策略とは言え死の淵に立たされた事で、


ルシファード皇太子の考えが国王の資質に、最も最適であると判断したからですね。」


笑顔でソフィーシア様に答えれば………


「2つの苦難で、人間的に トモルシードさんが認めた

と言う事で、間違いありませんか?」


囁くけれど、その眼差しは真剣その物であったので、

俺も真剣に答えた。


「自分は、ルシファード皇太子に何かあったら、全てから

ルシファード皇太子の歩む道を守りますし、敵が居れば

容赦なく全滅させるとこの場で、ソフィーシア様に誓います。」 


笑顔で答えて、夕食会が無事に終わった。


翌日早朝から、セバースとセシリアが2人で、出勤して来た。

親子で俺の面倒を観てくれる

欠け替えの無い者達に自然と感謝の念が湧く。


昼食後直ぐに、ジルグフリードとガルゴフリード親子が加わり揃ってルシファード皇太子の部屋を訪れた。


「良く来たな。

トモルシード。


体調も万全だから

直ぐに特訓に

入りたいのだが?」


とやる気スイッチが入った

ルシファード兄上が

俺とガルゴフリードに問う。


俺が、ガルゴフリードに確認する様に覗えば………

頷き返してきたから


「ジルグフリードとセシリアは、この場で少し待っていてくれ!


それでは、セバースとガルゴフリード共に付いて来なさい。


ルシファード兄上は、兄上の執事長と一緒に参りますよ。」


とルシファード兄上の応接間に設置したドアを開けて

中に入れば


「昨日、トモルシードが

特訓用の剣を準備すると

申したので………


何の準備もしていないが?

ガルゴフリードも同じでは、

無いのか?」


と 俺に問うルシファード兄上に対して、


「確かに特訓用の刃を潰した剣の準備はしていますから…


取り敢えず、闘技場に降りましょう。


闘技場の中で、渡しますから………」


そう4人に語り俺は、

闘技場に降り立ってから

収納魔法から

10刀の剣を出して

ルシファード兄上に5刀

ガルゴフリードに5刀

を目の前に広げて見せれば……


「同じ造りの剣に視えるが…


本当に特訓用の剣なのか?」


ルシファード兄上は、その剣を掴み上げようとして?


「ナッ! 何だ?

重すぎでは無いのか?


一体何で? こんなに重いのか?」


と 真ん中にあった30キログラムの剣を持ちながら………

言葉を口にし、ソレを見ていたガルゴフリードも真ん中の剣を手に取り?


「こんなに重い剣など、

振り回すだけでも?

直ぐに体力が尽きますが?

大丈夫なのですか?

トモルシード王子?」


とルシファード兄上と同様の意見を出して来た。


「その剣は、特訓の中盤で

使用する剣ですよ!


自分達から見て1番左側の剣を手にして下さい。」


と伝えれば、二人揃って俺が指示した剣を手にして…………


「一般的な剣よりも重たいが?先程の剣と見た感じは同じでも?

重量が全く違うのか?」


「その通りですよ。

訓練の過程に対して

剣の重量を5段階に

変化させています。」


俺の考えを理解したのか?

ガルゴフリードが


「成る程!

見た目が変わらず剣の腕だけを向上する為の剣でしたか。」


と1人で、感心していた。


「先ず最初は、その剣で

ガルゴフリードと同じ剣技を真似て下さい。


その後は、ガルゴフリードと相対して試合形式でマトモに対戦可能に実力が上がれば

1つ重量の重い剣に変更するだけで、二人揃って実力が

向上する仕組みになります。


最終段階まで到達出来れば

自然に思考加速と身体強化をこの本で学べますし

自分の物に出来るでしょう。」


と説明してから


「最終的なゴールは………

身体強化を会得した場合に

開く宝箱を2人にプレゼントしますよ。 


宝箱の中身は………

剣聖とも互角に闘える刀剣

ですから、頑張り甲斐も

あるでしょう。」


2人は、その言葉にヤル気を漲らせながら………


「成長が目に見える特訓ならば、これ以上のやり甲斐は

無いだろう。


大した物だな!

トモルシードは………」


そう呟くとルシファード兄上は、ガルゴフリードと共に

手にした1番左側の剣で

素振りを始めた。


ソレを観て……ルシファード兄上の執事長に


「休憩用の飲み物と軽食を

用意して下さい。


休憩を取り思考する事もまた特訓に不可欠ですよ。


後は2人に任せましょう。」


と伝えてルシファード兄上の執事長とセバースと共に

ドアから出て、

ジルグフリードとセシリアとセバースで自室に戻り


「これで、俺の心配事が

解消されれば、良いが………


セシリアとジルグフリードに他の要件が無ければ

フラン学園都市のスペイ王国の寮に戻るが?

大丈夫なのか?」


と2人に問えば


「ハイ。

久し振りの実家で

皆元気そうでしたから。」


と嬉しそうに答えたので


「セバース!

後の事は任せる。

ジルにも例の件の捜査の続行を伝えておいてくれよ。」


と命じてセシリアとジルグフリードの手を取り

低位瞬間移動魔法で

フラン学園都市のスペイ王国の寮の自室に戻った。


「御早い御帰りでしたが?

大丈夫なのですか?」


とトールに問われ


「あぁ……後は、本人の頑張り次第だよ。


処で、ドラニちゃんの方は

問題無かったか?」


1番の不安を口にすれば………


「余程………漫画が気に入ったのでしょうね。


ずっと読み込んで居ましたから……………」


と目線でソファーの上で

漫画を集中して読むドラニちゃんを観るトールに

一安心した俺だった。


然しながら、入学前に用意する物が無くなってしまったし

どうした物か?と考え倦ねて居ると……………


「何もする事が無いのならば、フラン学園都市のダンジョン攻略か?


近隣諸国のダンジョンへ

行くのは?


どうだ!トモルシード!」


と ドラニちゃんに提案され

本格的な入学式は?

何時頃になるのか?

とセシリアに問えば………


「入学式の前に

クラス編成試験が

約3ヶ月後から開催されます。


ソレまでならば、トモルシード王子とドラニちゃんに

自由を満喫出来ると考えます。」


と 言われたので、ドラニちゃんが


「3ヶ月もあれば………

ダンジョン攻略を楽しめる。」


と発言すれば、トールが物申す


「編成試験なる催事が在るのならば………一月で1つのダンジョン攻略と計算して

3ヶ所が妥当な判断だと

進言します。

トモルシードさん。」


俺1人でダンジョン攻略へと

向っていた時は

スペイ王国のサグラダファミリアだけで、相当な時間を費やした事を思い出して………


「トールの言い分も理解して

先ずは、3ヶ所のダンジョンの場所の選定から

3人で検討しようか?」


と 決めた。


「まぁ 慎重派のトールが

言う事も、解らなくは無いのだが………


我は、国外の美味い名産があるところならば、我慢しようぞ!」


具体的な場所よりも食い気に敗けるドラニちゃんらしい意見に………何とか笑いを堪えて

俺は頷いた。


最初の海外遠征は

ノルウェ王国だったから

一つ飛ばした国

フィンラン公国ならば

1つ目の国としては

割りと良い案だと思い


「フィンラン公国のダンジョンから、フラン学園都市に

近づくダンジョン攻略ならば、時間的猶予の問題も

クリア出来ないかなぁ………」


と2人に相談すれば

ノルウェ王国の近くですから

と、トールは賛成側に付いてくれた。


ドラニちゃんはと言えば?


「フィンラン公国とやらには、美味い料理かもしくは酒があるのだろうな!」


上目遣いで睨まれた。

食べ物と酒が絡むと

ドラニちゃんは、自然と変貌するのだから……………


俺は慌ててスマホで検索して情報を精査する。


フィンラ公国首都ヘルシンキ

料理では…トナカイやサーモンがある。

だったら、最初のダンジョン攻略は、フィンラン公国で

決まりだなと!

スマホを懐の中にしまい込み 


「俺達が、留守の間に

セシリアとジルグフリード

には、闘技場で訓練して貰うぞ!


俺の配下になったからには

それなりの実力を求める。」


急に振られた2人は、

何事か?と互いの視線を合わせてから………


「私達も第一王子ルシファード様と同様に特訓せよとの

事でしょうか?」


セシリアからの質問に頷くと


「まぁ 此処で話すよりも

闘技場で、実際に感じた方が2人とも理解しやすかろう。


ドラニちゃんとトールも

参加してくれ!」


そうして、5人は応接間にある闘技場に直結するドアから

入った。


闘技場にて、直ぐに俺は

並行存在魔法でカラー

レッド ブルー グリーン

を出現させて

最初にセシリアとジルグフリードの剣技の今の実力を測る

為に、レッド対セシリア

ブルー対ジルグフリード

10分勝負の試合形式を

始めさせた。


セシリアの剣はレイピアで

基本に忠実なタイプだ。


ジルグフリードは、普通の騎士剣より多少長いタイプの長剣を流石剣豪の名家であり

技を披露して来た。


レッド ブルー共にその剣技を受け止めて、一切の攻撃を

出さずに試合時間が過ぎ去った。


ジルグフリードの評価を

トールに任せて、セシリアを

竈門に連れて行く。


「今から、セシリアとジルグフリード専用の練習用の剣を鍛冶職で創り出す!


セシリアには、鍛冶職を

学んでもらいたいと考えているが? どう思う?

セシリア?」


と問えば…


「鍛冶職などは?

フラン学園都市での授業に

無いので………

どう思うか?

問われましても?」


小首を傾げながら不安気に

俺を覗うので


「まぁ 生成!鍛冶職をと

聞かれても困るだろうから

先ずは、観てから決めると良い。」


俺は竈門に、ファイヤーボールで火入れし収納魔法からインゴットを10個取り出して

竈門の隣に並べてから………


その1つを竈門に専用の道具で中に突っ込む………

興味深そうに見ているセシリアに対して、無言で赤く染まったインゴットを魔石のハンマーで数回打ち付ければ………


白く輝きを放ち一刀のレイピアが完成したのを間近で観た

セシリアは……………


「スッ 凄いです。


私のレイピアと色は違いますが?


同じ剣に見えます。」


と驚愕して居たが…


「本当に、同じ剣に見えるならばこの剣を実際に持ってみよ!」


とそのレイピアをセシリアに渡せば?


「エッ! 重さが違います。

私のレイピアよりも重いです。」


「そのレイピアは、練習用の剣だからなぁ。


待って居ろょ。


5段階の重量の違う練習用のレイピアを用意するから……」


俺は、連続的にインゴットを竈門の火に入れて赤く染まったインゴットを魔石のハンマーで数回叩き上げ

白く輝き見た目そっくりな

レイピアを数分で4刀創り出した。


「そのレイピアが、セシリアの練習用の剣になる。


試しに、全部を確認すれば

鍛冶職の有り難みも自ずと理解出来るはずだよ。」


と言いながら次のインゴットに手を伸ばし、今度はジルグフリードの刃を潰した練習用の剣を創り始めた。


その後ろで、セシリアは?

同じ見た目のレイピアなのに

重量が異なる5刀を確認し

深い溜息を溢しながら………


「これが、トモルシード王子の鍛冶職……………


普通の鍛冶職では無いので

しょうが?


果たして、私に…………」


考え込んでいたセシリアに


「ジルグフリードの練習用の剣も出来上がったから、皆の所へ戻るぞ!セシリア!」


と伝えれば……

慌てた様子で5刀のレイピアを運び出そうとして………無理だと気が付いた。


何も言わずに俺が1度収納魔法に全ての練習用の剣を入れて…トールとジルグフリードの話し合いに合流した。


トールの指示に


「こんな感じですか?」


と自分の剣を振り

素直に取り入れるジルグフリードにセシリアは?


信じられない物でも観た様に

声にならない口をパクパク

させていた。


そんな中で、俺は


「セシリアとジルグフリードの練習用の剣が、完成したからそれぞれに台座を錬成してその上に置いておく。


始めは、1番上の剣から

始める様に!」


と話し魔石で壁に貼り付けた

剣を置いてゆく。


俺は、練習用のメニーと

鍛冶職に成る為のメニーを

並行存在魔法のレッド ブルー グリーンに準備してくれと頼み。


セシリアとジルグフリードに


「俺達が留守の間に、

2人が成長する事を

期待しているよ!」


と伝えレッド ブルー グリーンのメニーの完成するのを待ちながら………暇そうにしているドラニちゃんに


「俺達の実力を知ってもらう為に……三つ巴の試合時間10分を見学させて

みないかい? 

ドラニちゃん!?」


「それは面白そうだが!


我の圧勝だと思うが?


どうする? トール!」


と 意味心気にニヤリと笑いながらトールに問えば


「三つ巴戦ならば、

最初にドラニちゃんから

潰す作戦もトモルシードさん次第で可能になるのですから………兆発する事は

お薦めできませんよ。」


と トールも試合に賛成の様子に………


「試合時間は、10分イヤ

5分で良いだろう!」


俺は、懐からスマホを取り出してタイマーを5分に

セットして、


3人でおおよその距離を取ってから


「試合開始!」


と叫んで


2人がどう出るか?

様子見に入れば!


ドラニちゃんがトールへと向うと、見せかけて俺に白剣を

振り上げた!


一瞬で思考加速と身体強化で

ドラニちゃんの重すぎる一撃を受け止め返す剣で

ドラニちゃんの胴体にカウンターを狙うが………

あっさりと白剣で受け止めて

互いに距離を取るが?


距離を空けた瞬間トールが

俺に追撃して来た?


思考加速で可能性だけは

頭にあったが?

驚きながらトールの剣閃を

流しながら


「三つ巴戦で、真逆俺を狙って来るとはな! トール!」


と言い放てば


「何事も、戦略が勝敗を左右するのですよ。

トモルシードさん!」


見事な戦略だったが

逆に直感力のドラニちゃん

よりも作戦や技能型のトール

の方が、思考加速で読みやすいのだから隙を与えずに

トールに俺の剣技を繰り出した。


技巧派のトールには、

相性的にも俺に武があったのだが………追い詰めた処に

ドラニちゃんが割って入る!


三者三様の剣閃が更にスピードを上げて征けば………


セシリアもジルグフリードさえも、俺達3人の残像と剣閃音だけを何とか視認出来る

状態までレベルが上がった所で、タイマー音が鳴り………


「試合終了! 

各自其処まで!」


と、俺が叫べば?


「三つ巴戦は?


我には向かぬ闘い方法だ!」


自分の身長と変わらない大剣の白剣を小さな背の鞘にしまいながらも、ジルグフリードとセシリアにアピールして見せた。


トールはトールらしく………


「今回は、作戦ミスだった様ですね。


ドラニちゃんの動きよりも

トモルシードさんの警戒に

策謀を巡らせ過ぎましたよ。」


とハッキリ進言した。

清々しいまでの発言に

トールの情報収集を

何段階か?修正して置く。


「本当に、御三人様は?


素晴らしかったです。


あの試合が、デモンストレーションであって、恐らくですが?


もっと、凄いレベルが本来の実力ではと、憶測しました。」


嬉しそうに語るジルグフリードに対して


「まぁ 本気では無かったのは、ソナタの言う通りだろうがなぁ?トモルシードよ!」


とドラニちゃんに問われれば

俺は?

頷くしか無かった!


絶賛の嵐がセシリアからも

同時に出て来たが………


これで、俺達3人の実力を

垣間見たから、自分達の練習にも成果を期待したい。 


「と言う訳で、今から俺達3人は、ダンジョン攻略へ向うから…その間の事は全て任せる。じゃあ頑張るんだぞ!」


と言い残し、ドラニちゃんと

トールの手を取り

低位瞬間移動魔法で

先ずは、ノルウェ王国の端の上空に移動し

フィンラン公国の首都ヘルシンキを目指してフライの魔法で方角を確認して、高速で

飛行し急いだ。


首都ヘルシンキの上空から

冒険者組合を視力強化で

探しながら下降してゆけば


流石に首都ヘルシンキの冒険者組合だと、感じさせる立派な建物に冒険者らしい格好の者達が出入りして居る場所を特定出来た。


俺達3人は、堂々と冒険者組合に入り、受付嬢が居るカウンターに足を運び


「フィンラン公国の有名な

ダンジョンの1番詳しい地図を10枚欲しい。」


と話しかければ


受付嬢が戸惑った様子で


「御子様では?

買えないと存じますよ?


親御様と御一緒で無ければ

無理だと……………」


俺は無言で、懐の巾着財布から3枚の金貨を取り出して

カウンターに置けば


目の色を変えた受付嬢が


「誠に申し訳ありませんでした。 直ぐにフィンラン公国の有名なダンジョンの詳しい場所の地図をご用意してまいります。


少々お待ち下さい。」


と頭を下げて、下がって行った。毎回こんな感じに成るのは、仕方が無い。


冒険者組合から発行される

冒険者プレートを取得していないのだから……………

美丈夫のトールに頼んだ方が良かったかも……………


そんな事を考えていれば

受付嬢が10枚の地図を

手に抱えて戻って来た。


「こちらの10枚の地図が

フィンラン公国の有名なダンジョンの地図に成ります。


現金で金貨1枚と銀貨5枚に成ります。」


俺は金貨2枚を渡し、地図を10枚手にして………


「お釣りは、丁寧な接客をした君のチップだよ。」


銀貨5枚を手にしていた

受付嬢が?

びっくりした表情で


「有難う御座います。

何かご要望の際は、何でも仰っしゃて下さい。」


そう言われて俺は


「3人でこれから先の話し合いをしたいのだが、

軽食を楽しみながら

話せる場所を知りたいのだが?」


と受付嬢に問えば


「あちらから2階に上がった場所に、冒険者の皆様が食事を

取れるレストランが御座いますので、そこでなら話し合いもできると思います。」


と丁寧に教えてくれた。

礼を言ってから、3人で2階に行き、周りから少し離れた奥のテーブルに座って

適当に注文した。


注文した商品が届く前に

10枚の地図をテーブルに広げ


「何処のダンジョンが良いと思う?」


とドラニちゃんとトールに問えば………


ドラニちゃんは、どこでも良いぞ。と言い


トールは、1枚1枚の情報収集しながら………


「神が閉じ込められた場所を探し当てたいですからね!


私は、検討する価値は

当然あると思いますが?」 


折角フィンラン公国まで遠征して来たのだから、俺もトールの意見に賛成だ。


然し、ダンジョンの名前と地図だけでソレを判断するのは

難しいが………


「トールを発見したのも

ドラニちゃんと出会ったのも、教会だったから!


このペタヤヴェシの古い教会と書かれたダンジョンは?


俺は、気になるんだけど……」


と2人に問えば


「確かに………私もドラニちゃんも共通点は?


教会のダンジョンです!


行って観る価値はあると……」


そこで、注文した品が届いたので、一端地図を回収し

軽食に手を伸ばして

ドラニちゃんにどう思う?

と聞けば…………


モグモグ食べながら


「2人ょ…に…任せシェル。」


食べながら話す。


これを同意とし

行くべきダンジョンが決定した!


帰りにカウンターの受付嬢に

食材調達の場所を尋ねれば

丁寧に、首都ヘルシンキの

市場を教えてくれた。


やはりチップを渡した事が、

良かったのだろうなぁ。

と薄っすら感じながら

大量の食材と飲料系を

確保して、

ペタヤヴェシの古い教会

にある。ダンジョンへと、

高速飛行で向かった。


確かに…古そうな教会だが

そこには、礼拝する者と

冒険者達が同じ様に並んで

居る。


厳かな雰囲気と冒険者の熱気に、何とも例えづらい光景を眼にし………


「我もあの列に並ぶのか?」 


と嘆くドラニちゃんに………


「もし割り込めば、スペイ王国の人々に御迷惑をかけますから、ちゃんと並びましょう。」


とトールがドラニちゃんを宥めていた。

俺も他国の王子と言う武器を

余り使用したくは無いので

トールの発言に賛成し1番後ろの列に、並ぶ。


ドラニちゃんは?

ブツブツと言いながらも

俺の隣に立つ。


礼拝者の列よりも

冒険者達の列の方が、2倍以上早く扉の中に入れたが………


「冒険者プレートの提示を。」


と 門番みたいな守衛に

問われて


「俺達は、冒険者では無いが?


他国では、料金を払い名簿に記名すれば?ダンジョンに

挑戦できたが?


フィンラン公国では、違う物なのか?」


と尋ねれば、守衛は面倒くさそうに書類と筆記用具を隣の机から取り出して


「もし死亡しても………


名だけは、記名する決まりだ!


ここに名を記し1人、銀貨3枚を請求するが、子供のお前達に払えるのか?」


俺は、トモと記名し金貨1枚を守衛に渡しドラニちゃんとトールに記名させ


「釣は、迷惑料だ!」


と宣言して、ダンジョンの中に足を踏み入れた。


走りながらダンジョンを突き進めば、苦戦する冒険者の敵を殺しながら

1階層の魔石やインゴットは

全部無視して、フロアボス部屋にたどり着けば?


恐らく、少し前にフロアボス部屋を攻略したのだろう。

部屋の前には?

10人しか居なかった。


いつもの如く


「俺達は?人数が揃うのを待つ気は無い!


フロアボス部屋に入らないのであれば、先に3人だけ行かせてくれ。」


と話しかければ


「バカか?

フロアボスにたった3人で

勝てる訳がない!


黙って冒険者達が揃うまで待てよ!」


と怒鳴られたが


「勝てる保証が無ければ

こんな提案をする訳が無いとは、考えないのか?」


トールが少々威圧的に問えば

相手が怯み

リーダーらしい男が

その話に割って入って来た。


「勝算があっての話なのか?


見た目と実力が違うのか?


子供達で、対処出来るとは

思えないのだが……………」


「ならば、独りでも我の白剣を持ち上げられたら…………

貴様の言う通りに待ってやるぞ!」


と ドラニちゃんが背中の鞘から白剣を出して

地面に軽く突き刺した。


10人全員が挑戦したが

結果はピクリともドラニちゃんの白剣を動かせなかったから………………


「見た目で判断した事は

謝ります。


私達もどうか御一緒しても

宜しいでしょうか?」


手の平を返した態度だが

先に並んでいたのは、彼等なのだから………


「一緒にフロアボス部屋に入っても、一切の手出しはしないならば………同行する事を

許可するが?どうする?」


とリーダーらしき人物に問えば………

少し話し合い


「仰っしゃる通りに致しますので………御同行させて…

下さい。」


道を開ける冒険者達を引き連れてフロアボス部屋に入る。


中央に魔法陣が浮かび上げれば………3体の巨大な全身毛むくじゃらの前の世界で例えるならば、未確認生物のイエティがでかい棍棒を持ち上げ

威嚇して来た。


俺達3人は、アイ・コンタクトで独り1イエティを倒す事に


デカい棍棒の攻撃をすり抜け

俺は流れる様な剣捌きで

イエティを倒して2人を見れば、


ドラニちゃんは正面からイエティの棍棒を弾き飛ばし

イエティを真っ二つに斬り裂き、


トールは、完全に相手の背後を取りそのまま胴体を斬り

倒れた首を跳ねた。


3人の素速い攻撃と威力に

一緒にフロアボス部屋にに入った冒険者の口が空いたまま

塞がらない程に、動揺している隙に


「魔石やインゴットは、


お前達で分けるが良い。


俺達3人は、先を急ぐ!」


その言葉を残しフロアボス部屋に出現したが新たなドアに手をかけて3人で、出て

また走りながら先を急いだ。


数組の魔物との対戦音が聞こえたが、助けを求める声も無かったなら俺達は、目の前に現れた魔物を倒して、魔石やインゴットを収容魔法に入れる余裕が出てきた。


走りながらだから、出会う魔物の数は少なかったが、それでも2階層のフロアボス部屋に

無事到着すれば……………


3組の冒険者チームがフロアボス部屋の前に並んでいた。


1階層と同様に公称に入れば


ドラニちゃんが直ぐに同じ提案を出して

白剣を軽く台地に突き刺して

他の冒険者に有無を言わせなかった。

 

「俺達3人の邪魔だけはしないならば、同行は許可する」

と伝えれば、モーゼの様に人々が割れて俺達を

優先させた。」 


3人と数組の冒険者がフロアボス部屋に入れば、中央に魔法陣が浮かび上がり

今度は、ブラックエルフが5人登場したが、その内の1人は?以前俺と対決した事があったらしく仲間に

俺を指差し


「アイツだけには注意しろ!想像以上の化物だ!」


と注意勧告を与えているが

勿論俺自身も成長しているので、構いもせずに攻撃の合図を送った。


ソレに便乗したのは当然ドラニちゃんだ!


「何人相手だろうが?格下に負ける訳が無い。」


と唸り声を上げながら

固まっている3人を白剣で潰して行く。


ソレに反してトールは、

相手の出方を慎重に見極めた上で、本気の魔人の首を跳ねた。 

俺は残る一人の魔人をテスト代わりに攻撃の先を読みながらの剣筋を流して…体幹を崩しその隙を付き余裕で対処して魔人の首を跳ねて、後の事を冒険者に全て任せて

次の階層を目指した。


3階層には、冒険者時代に遭遇する事は、ほとんど無い

しかし、走る事を止めずに

出て来る。

魔物 魔人 達を倒しながら

インゴット 魔石 金塊

を次々に収納魔法に入れながらフロアボス部屋に到着し

誰も並んでいないので………


そのまま、フロアボス部屋に入る。

中央から魔法陣が浮かび上がり、屍らしい元冒険者を操る

不気味なネクロマンサー的な

フードを被った魔人が


「貴様らもワシの操り人形へと、殺して変えてやろう!」


と言い放ち!


ゾンビみたいな元冒険者達を一斉に特攻させて来た!


生きている冒険者なら

兎も角、死んだ人間ならば

遠慮する事は、無い!


次々に、動けなくする為に

両足を斬り、それでも蠢く

元冒険者達の体と魂を自由にする事を考慮し

首を跳ねれば、全身の動きも

止まった!


マジでゾンビみたいだなぁ。

死後時間が、経過した者は

腐りかけ死臭さえ放って……

居たのだから?


魔人が呼び出したゾンビ全てを完全に殺し尽くして


「お前みたいな、他力本願な魔人は、反吐が出る程!

痛めつけてから殺す!」


と最終宣告をして


両足首を切断し

トールが両手を

ドラニちゃんは、フード越しに顔面を殴った。


吹き飛ばされながら

苦痛に喚き散らす魔人を見据えて


「楽に死ねると!

思うなよ!


貴様は、人間を冒涜した

不愉快極まり無い存在だ!」


と痛みつけながらジワジワと

剣で斬りつけて、叫び声を上げさせた。

これで多少は、死んでいった

冒険者達の無念が晴れたならば……………と鼻を削ぎ耳を削ぎ

両眼を潰して


「殺して下さい。」


と、泣き叫ぶ魔人にトドメを

さして………


出現した魔石 インゴット

金塊を収納し


次の階層へと向かうが………

気分的には、最悪だった。


そこにトールが


「操られていた冒険者達の魂も、アレで解放されて…

良かったと思いますよ。」


と慰められて………


「そうであれば、良いのだがなぁ。 心配させて済まなかったなトール!」


と自分を奮い立たせた。

まだ、ダンジョン攻略中なのだからと気持ちを入れ替える


4階層の攻略もスムーズに進みフロアボス部屋に到着し

中に入る。

同じ様に中央に魔法陣が浮かび上がり

全身硬そうな鱗で覆われた

巨大化したクロコダイルの顔した魔物が?


「貴様らの剣では、


我が身に傷一つ付けられはしないだろうが!


死ぬまで、足掻けよ!」


ワニの口から言葉が?

どうゆう理屈で?

とは驚いたが!

ドラニちゃんが飛び出しながら


「我意外に我と使う等

このドラニちゃんが

許さん!」


と白剣を抜き放ち

防御しようと右腕をかざした

腕をドラニちゃんの白剣が

斬り潰した。


ギャーと叫び声を上げた

クロコダイル魔物は?


「何故だ? 我の完璧なまでの強固な鱗を切断された?


だが!見ていろ!む~ん」


と雄叫びを上げれば?

切断された筈の腕が

内側からまた瞬時に

出て来た。


ポーションを使わずに自力で回復したのだ?

その証拠に切断された右腕は

地面にまだ存在して居るのだから………


それでもドラニちゃんは


「たかが右腕を回復した所で、偉そうにするな!


我は、まだ本気にさえなって無いぞ!」


と白剣を構え直して余裕を見せれば、魔物が一歩退いた。


だが!もう既に手遅れだった

怒涛のドラニちゃんの斬撃が魔物を強襲すれば

吹き飛ばされる中、両足 両手を切断され慄く魔物に


「首まで跳ねれば?

流石に回復出来ぬであろうが?


仮に回復しても我が全身

細切れになるまで、斬り裂いてやろう。」


そう魔物に告げて

魔物の首を跳ねた。


流石に回復出来なかったらしく、消滅後に魔石とインゴットと金塊が現れて収納魔法に入れれば


ドッカーン ゴゴゴッゴー

と轟音と地響きが鳴り

その場に座れば

エレベーターが最奥に出来上がった。


エレベーターを観たドラニちゃんは、急に気持ちが萎えたらしく………


「また……アレに乗るのか?」


とガックリと首を落とし

ボソッと言葉と溜息を

吐いた。


しかしエレベーターに乗るしか下降する方法が無いので

ドラニちゃんの手を取り

エレベーターに乗れば

俺の袖を強く握り締める

ドラニちゃんに対して


「エレベーターの1階層に

着いたら、休憩するから

何とか頑張ってね。」


と優しく背中を擦った。


ドラニちゃんの顔色が変化する前にエレベーターの着信音が鳴りエレベーターのドアが開くと、真っ先にドラニちゃんが外に飛び出した。


夢中で何度も深呼吸を繰り返すドラニちゃんを俺もトールも見守った。


直ぐに回復?

復活したドラニちゃんに


「もう冒険者達が来れない所まで到達したし、先を急ぐ必要も無いだろうから


今日は、この場で休んで

食事を取り、また明日に

ダンジョン攻略にしよう。」


俺は、エレベーターの近くの壁にドアを貼り付けて中に入りドラニちゃんとトールに入る様に促す。


夕食時、スマホで、フィンランド国の有名料理を検索しレシピを見ながら、挑戦すれば

数回の味見で、納得する料理が完成しテーブルにドンドン乗せていった。


ドラニちゃんはその小さな口一杯に頬張りなから


「食後の酒の準備は、勿論

用意して有る筈だよなぁ。

トモルシード!」


と言われても、しょうがなかった。何故なら幼女がたらふく酒を飲めば………周りの反応も気ががりだし、悪評が立つに決まっているので、人前では禁酒させていたのだが………


ダンジョンの地下深くでは、

俺とトールしか居ないのだから………当然ドラニちゃんは、

飲む気満々なのだ。

仕方がないので………


「フィンラン公国の貴重な酒を特別に用意して有るから」


がっつくドラニちゃんに対し


「少しは、楽しめよ〜

折角ドラニちゃんの為に

俺自身が擦り出したのだからさぁ?」


「不味かったら、我は絶対に口にせぬ!美味いからこそ

我は、口にするのだぞ!」


そうして、慌ただしい晩餐会が終わった。


翌日軽食を済ませて

ドアから追い出してドアを収納魔法に入れ、本日の大怪獣バトルに突入した。


ドラニちゃんの直感力に助けられ巨大過ぎる迷宮に入ったが、ドラニちゃんのお陰で最低限の戦闘でラスボス部屋に案内された。


1時間もかけずにラスボスの部屋に到達出来た。

此処まで5頭の大怪獣にしか遭遇していない。

ドラニちゃん様々であった。

決して侮れないドラニちゃんの直感力に感謝しながら

フロアボス部屋へと入る。


部屋の中央から、魔法陣が浮かび上がり

神獣4頭が出現した。

俺の記憶では、朱雀 白虎

青龍 玄武の4代勢力がその姿を現した。


広大過ぎるフロアボス部屋の中に30メートルを軽く超える神獣が一定の距離を空けて

100メートル先の正面に

鎮座している。


俺は直ぐに並行存在魔法で、

三人組のカラーの10パーセントの俺のチームを出して

対抗手段にした。


ドラニちゃんVS朱雀

トールVS白虎

トモルシードVS青龍

三人組の俺VS玄武


朱雀と青龍は、上空へと上昇して行くので………


同時に俺とドラニちゃんも

フライの魔法で、相対する神獣と同じ様に上空へと向うと


上空戦と地上戦に自然と分かれた。


青龍は、100メートル先に浮遊して居る俺を敵と見なして急速に加速し俺を食い殺そうと、その牙を剥く!


その牙を若干ずらして剣で起動を逸らして、剣の返しで

胴体を斬り裂こうとしたが、

硬度過ぎる鱗に俺の剣が

弾かれた。


だが、青龍も無傷とは言えなかった。

俺の剣が当った場所の鱗には

大きな亀裂が見て取れる。


「何度も剣で攻撃すれば……

青龍を斬り裂けそうだが?


どの神獣が回復させられるのかが?問題点だなぁ。」


俺は、通り過ぎた青龍に

追撃でファイヤーボールを

連弾で撃ち出せは………


青龍の手脚から放電された

落雷でファイヤーボール全てを相殺される?


瞬時に距離を詰めながら落雷を躱し連続的に鱗に剣撃を与えて、拳で胴体を殴れば

身体強化した拳に

青龍が後方に飛ばされ

拳が当った鱗は、陥没し

変形して青龍が唸る。


荒い息を吐きながら青龍が

咆哮すれば、薄黄色の光線が

朱雀から放たれて

青龍の傷が、一瞬で回復した。


そうか!

回復可能な神獣が朱雀である事が、判明したのだから

念話でドラニちゃんに


「ドラニちゃんの相手が!


回復魔法をたった今仕様したから、先ずはドラニちゃんの相手朱雀から倒せば、俺の方は問題無く倒せるが?


ドラニちゃんの方は? 

大丈夫か?」


と念話で話せば………


「解っておる!


様子見で、攻撃し


その影響も理解した!


他の敵も今ので、回復した筈だ!


これからが我の攻撃パターンだから、回復させる余裕等


無くさせるから安心しろ!」


と念話で語りプツリと念話を

切られた。


ドラニちゃんが、そこまで

確信持って発言したから

俺は信じて、全力で青龍を

倒すだけだと思考を切り替えて………収納魔法から

ヤマタノオロチから出たインゴットで創り出した

長剣に持ち替えて、青龍の懐に飛び込んだ。


その長剣で青龍を一閃横薙ぎすればあの硬い鱗も貫き

青龍から夥しい鮮血が吹き出す!

長剣での攻撃が有効になれば

後は、ドラニちゃんを信じ

青龍の首を落として

他者のフォローに向かう事が

ベストな選択だ!


青龍がまた回復を求め咆哮する前に………

俺の斬撃が、容赦無く

青龍を血反吐を吐かせ

その太い首を上段から長剣で

斬り裂けば………


首と胴体が離れ地上に落ちて逝く。


俺は、他の敵との闘いが

どんな状況かを確かめれば


ドラニちゃんは、既に朱雀を

討ち取った様子で

白剣を背中の鞘に戻す処だ。


トールも白虎相手に地上戦において、鮮血を流す白虎に対し無傷でハンマーを手の平で

回している。


ホッとしながら玄武相手の俺の並行存在の三人組を見れば

その頑強な甲羅に対し………

手段が無い様子で………

兎に角同じ場所の甲羅を剣撃で攻撃していた。


俺はトールならば大丈夫だと判断して玄武との対戦に参戦しようと救援に向かった。


防御に徹して居た玄武は

頭 手脚 尻尾を甲羅の中に隠していたが………

俺が到着する寸前にドラニちゃんが


「よいしょっ」


と片手で玄武をひっくり返した!

眼の前で見たその怪力っぷりに……………俺はちょっと?

イヤイヤ相当ドン引きした!

どんだけのパワーがあの幼い体に隠し持って居るのか?


そして玄武を駒の様に回しに回した挙げ句に

眼を回したのか?

遠心力で出されたのか?

解らないが?

回転しながら玄武の頭 手脚

尻尾が出て来た!


ソレをドラニちゃんが背中の白剣を抜き放ち

回転に合わせて

全て斬り裂いて倒したのだ。


呆気に取られた俺に


「怪力幼女!とは?

末恐ろしいですよね。」


と何食わぬ顔で声を掛けてきた。

トールに対して


「白虎相手に良くやったよ。


互いに無傷で、何よりだが


ドラニちゃんには、驚かされるよなぁ…………」


と返答した所で


朱雀 白虎 青龍 玄武の

亡骸が消滅し

魔石 4個

インゴット 4個

金塊 8個

が出現しそれらを収納魔法に

入れたら!


ゴゴゴッゴー ドッカーン

と地響きと轟音が鳴り

最奥にエレベーターが出現した。

ソレを観て………

またドラニちゃんが拗ねる。


「アレさえ無ければ………」


しょんぼりするドラニちゃんの手を取り

エレベーターに乗り下降し始めれば…………

俺の袖を硬く硬く握り締めて

気を紛らわそうとするドラニちゃんに………


「頑張ってくれたから……


次の階層に着いたら、少し休憩して漫画の続きの本を渡すから。」


ドラニちゃんは、声を上げて


「本当だな!


あの漫画の続きは、気になっていた。


我も………このエレベーターに耐えてみせるぞ!」


と意気込んだが………

次第にドラニちゃんの

テンションが下がって

行った。

が到着音がしてエレベーターのドアが開けば

真っ先にエレベーターから

脱出ゲームなのか?

と感じる速さで降りて

深く深く深呼吸を繰り返し


「休憩するから、ドアを壁に貼ってくれ!

トモルシード!」


と言われて俺は壁にドア貼り付けたらドラニちゃんが先に入りなから


「漫画の続きを………読める。」


と呟き俺に要求する。


俺はスマホを取り出して

複製魔法で、ドラニちゃんの好きな漫画の続きを全て複製して、3冊をドラニちゃんに渡し残りの漫画は収納魔法に入れて、飲み物を考えていれば


「トモさんは?コーヒーで

宜しいですか?


ドラニちゃんには、ホットミルクにしましょう。」


とトールに問われ


「あぁ…済まん助かるよ。」


と返して飲み物を待った。

その間も真剣に漫画を読み込むドラニちゃんの表情の変化に、クスッと笑いながら

4神獣との戦いを振り返り

ながらトールが入れてくれたコーヒーを飲んで、俺も一息付いた。


「休憩は、終わりだよ。」


と漫画を取り上げれば


「我は、まだまだ漫画を

読みたいぞ!」


少し拗ねながら文句を付ける

ドラニちゃんに対して


「続きを読みたいのならば

トモさんに逆らえば………

漫画の続きは?

読めなく成るかも知れませんよ。」


とトールに言われ

仕方なさそうに

テーブルから立ち上がり


ドアから出て、


「我に続け!


このダンジョンをサッサと


クリアして、漫画を読んで


楽しむのだ〜。」


とエレベーター2階層の大怪獣バトルへ意気込みながら

駆け出した。


エレベーターの1階層の

大怪獣よりも2階層の方が

レベルアップしていたので

神様が地下牢獄に閉じ込められている可能性が上がった。


ドラニちゃんの直感力で

大怪獣との遭遇回数も減って

直ぐにフロアボス部屋に到着し、迷う事無くフロアボス部屋に並行存在魔法で10パーセントのカラー付きの俺を3人組を出現させて………


フロアボス部屋へ突入すれば

広大な部屋の中央に魔法陣が浮かび上がり

1階層のフロアボスよりも

色合いが濃く見て取れる。

朱雀 白虎 青龍 玄武

4神獣が100メートル先に

威圧感たっぷりに登場した。


俺達も4つに別れて

1階層とは、違う相手と

対戦する事を決意し各々別れて、正面に相手取った。


トモルシードVS朱雀

ドラニちゃんVS白虎

トールVS玄武

俺の並行存在3人組VS青龍


この図式に変更し開戦の火蓋が切られた!


俺の相手の朱雀は、やはり上昇して制空権を取ろうと上空に舞い上げる。

俺もフライの魔法で同じ高さまで高速で舞い上がれば


朱雀の口から、炎が俺を襲うが、ファイヤーボールの連弾で相殺し、朱雀の動きを観察すると?

100メートルの距離を一気に詰め鋭い爪で、俺を襲うが

剣技で爪の攻撃を受け流せば


両翼の羽を炎と化し

雨あられに俺へと向けた。


この上朱雀には、回復魔法も

存在する為に思考加速で

攻略法を想定し朱雀へと突進し、ドラニちゃんから学んだ

回復する隙を与える事なく

朱雀の両翼だけを剣技で滅多撃ちすれば………飛行不可能になり墜落するが?墜落したかに思えた朱雀が、全回復して

周りの神獣達も回復させて

もう一度上空に舞い上げる。


たが、収穫もまたあったのだ


朱雀だけでは無く、白虎も同時に回復を他の神獣に与えていたのが、俺の眼に入っていたのだから!


俺は、瞬時に念話でドラニちゃんに話し掛ける。


「ドラニちゃんの相手の白虎も俺の相手の朱雀と同時に回復魔法を出した!


俺とドラニちゃんで、朱雀と白虎を同時に滅ぼす事が

先決だ!」


「我に合わせて、トモルシードは、朱雀を殺せ!


1分後に我がカウントダウンを言うまで………朱雀にダメージを与えて待て!


他の青龍と玄武には、

ダメージを与えずにと

トールとトモルシードの並行存在達に伝えておけ!」


と念話で伝えられたが

この念話は、一応全員に繋げていたので


「了解した。こちらの事は気にするな。ドラニちゃん!」


とトールからの念話が入れば


「では、作戦開始だ!」


とドラニちゃんの念話で

再戦闘が開始された。


俺は、ドラニちゃんの指示通りに朱雀にAttackを連続で与える為に高速飛行で朱雀の懐へと潜り込む。


炎をかい潜り、朱雀に身体強化した拳の剛腕と剛脚で

連打で朱雀を吹き飛ばし

低位瞬間移動魔法で背後に回り剣の一閃で、休む間も無く

朱雀を追い込む。


遣り過ぎたか?

と思考加速で考慮して、

チラリとドラニちゃんを見れば、俺以上に白虎を追い込む様を見れば…………


いつカウントダウンして来てもおかしくない状況に

俺も朱雀への追撃を直ぐ様 再開した。


1分後と言った筈のドラニちゃんから、その後直ぐに念話で


「10秒前!」


その言葉に俺は収納魔法から

一瞬でヤマタノオロチのインゴットで創り出した長剣に持ち変えて、朱雀を剛腕と剛脚で連打で飛行されない様に

攻撃を加えると………


「5 4 3 2 1 0今だ!」


とドラニちゃんに言われて

ヤマタノオロチの長剣で

朱雀の首を跳ね上げ

返しの刃で袈裟斬りに朱雀の体を斬り捨てた。


ドラニちゃんは?

と目を凝らせば

白虎の30メートルは有る

巨大化した神獣を白剣で

両手脚を押し潰し逃げ道を塞ぎ白虎の頭部をかち割って

白剣を上に掲げていた。


一息付き青龍と玄武に眼をやれば………

トールは、朱雀と白虎の死を確認し青龍をハンマーで

青龍の雷を吸収し

倍返しとばかりに

蓄積した落雷をハンマーで

上空から地べた迄叩きつけて

飛び上がろうとした青龍の

頭部をハンマーを巨大化させて青龍の頭をぶっ潰して


「こっちも、完了しましたよ。」


と平然と答えている。

元神の力を侮っていた訳では無いが………トールの戦闘力を

上方修正して、余り怒らせ無い様にしなければと心に誓う


3人組の俺の並行存在達は?


九尾の狐のインゴットから創り出した。大釜と大槍と長剣を与えていたので、玄武の硬すぎる甲羅に幾つもの亀裂を入れて、火炎魔法白炎で

頭 手脚 尻尾を焼き

焦げた匂いが、充満する程に

玄武を追い詰めていた。


まだ死んで無い玄武にツカツカと近寄り


「どっこいしょ!」


と片腕で玄武の身体をひっくり返し、駒回しの如く

玄武を回し、出てきた頭部を

切断したのは、ドラニちゃんだった。


神獣が全滅すれば、消滅後に

インゴット 魔石 金塊が出現する。

インゴット 4個

魔石 4個

金塊8個を収納魔法に収めれば………

コゴゴゴッゴー、ドッカーン

と地響きと轟音を伴って

再奥にエレベーターが出現した。

いつもの様に、ドラニちゃんを説き伏せてエレベーターに乗る。


今までのダンジョン攻略では

次の階層が、最終ボスであったので、

エレベーター内にも少々緊張感が漂う。

その気持が伝染したのか?

ドラニちゃんの表情が

船酔いした子供みたいに

ドンドン蒼白くなり

顔面蒼白で………

俺の服の袖を硬く握り締めて

耐えて居るのが、可哀想に

思えて…………


「もうすぐ到着するから……

今は、大好きなお酒の種類を考えて、気を紛らせると?

良いと思うよ。」


と心配して声をかけたが!


「そんな事なら、既に考えた後だ!」


と小声でドラニちゃんで睨み返された。


ヤバイなぁ。俺も子供の頃

見学旅行等の学校行事で

バスに酔って、黒いビニール

袋のお世話に成った事実を考えて、そっと優しくドラニちゃんの背中を擦ってやりながら…………心の中で謝った。


そこでエレベーターの到着音が鳴り、ドラニちゃんが素速くエレベーターのドアが開くと同時に外に飛び出し


深く深く深呼吸をしながら

徐々に顔色も元に戻って来た


これが、毎回続くのか?

と不安に成るが………

取り敢えずエレベーター付近の壁にドアを貼り付けて


「ドアの中で少し休憩しよう!」


と提案しトールとドラニちゃんを先にドアの中に入れ

今後の展開を考慮し

早くも並行存在魔法で

3人の10パーセントの俺を出現させて、ミーティングに参加させた。


勿論、ドラニちゃんには希望通り3冊の漫画を渡して

気持ち的にもテンションを

向上して貰う。


「恐らく、最後のフロアボス戦に成れば………

4対神獣全部に回復魔法が

加わると、想定されるから


並行存在魔法の3人組にも

同じ神獣の1番強敵だった

インゴットから創り出した

武器を今から、授けておく。」


俺は、収納魔法から取り出した妖しく光る武器を全て

取り出して、3人に選ばせた


レッドは、大鎌を手にし

ブルーは、佐々木小次郎並みの長剣を手に取り

グリーンは、大槍を手にした


これ以上無い最高峰の武器を手にし並行存在魔法の俺は、

喜びながらも…………

不安視して居る。


そこにトールが


「4体の神獣を、ほぼ同時に倒さなければ………

回復されて自分達が危険に晒される。

自分とトモさんなら君達の状態に合わせられるが……………


ドラニちゃんの場合は、俺の想定の上を行くから?

何とも言えないよ!


然しながら、もう三度目の玄武と相対するのだから………

目算位の戦略位は立ててはいるのだろう?」


と3人にプレッシャーを与える。急に黙り込む3人が意を決して…………


「全く心当たりが無い訳では有りませんが?


ドラニちゃんに良い所を

持って往かれた事は?事実ですから、とても自信があるとまでは、言い切れません。」


と心配そうに語るが、新たな武器を手にした者達の目の輝きは、信じても良さそうであった。

コーヒーをすすりながら

報告を聞いていたが………

同時に殺す事は、無理でも

対等に闘える程の実力だけは確かな様子に胸を撫で下ろさして、話を聞いた。


俺は、朱雀と青龍とは闘って居る為に白虎戦を選んだ。、

炎系魔法の朱雀は、

ドラニちゃんに

青龍はは、トールに

玄武は、並行存在魔法のカラー三人組レッド ブルー

グリーンにまかせた!


一応の作戦を考えてからドラニちゃんの漫画を取り上げて 

話を纏めた。


意気揚々とドアを収納し

大怪獣バトルのスタートを切った。


相変わらず、ドラニちゃんの直感力だよりだが………


「我の後に続けぇ〜!」


と雄叫びを上げるドラニちゃんの後ろ姿を追えば、

大怪獣の個々のレベルも上がっている。


が………フロアボスよりも巨大化してはいても、その実力差は神獣の比に成らないのだから、俺達は、大怪獣を倒して

魔石 

インゴット

金塊

紅い花

を収納魔法にしまい込みなから、小一時間掛けて

フロアボス部屋へと、到達し


計画通りに配置する事を考慮して、フロアボス部屋の扉を開け放って侵入すれば


広大なフロアボス部屋の

中央に魔法陣が浮かび上がり

100メートル以上先に

神獣が現れた。


各自の担当の神獣へと一斉に

散会し

トモルシードVS白虎

ドラニちゃんVS朱雀

トールVS青龍

並行存在3人組VS玄武


予定通りに配置が完了すれば

敵の神獣達の威圧と咆哮が

殺し合いの合図に成った!


俺は白虎との距離を身体強化した剛脚で、一瞬で詰めたが

白虎のスピードもレベル同様に加速していて………


白虎の雷撃の攻撃を白炎で

相殺し、もう1段加速度を上げて白虎を追尾しファイヤーボールの連弾で追い込もうとし


フェイントで、剛拳と剛脚で

白虎を捉えて力任せに殴れば


苦痛に呻る白虎を

剛脚で真上に蹴り上げた!


神獣白虎の体が宙に浮く

その隙を剣技で滅多斬りに……


手応え充分だった筈が

薄黄色の膜が白虎を包み込み

一瞬で回復し、咆哮を上げて

薄黄色の回復魔法を!

その咆哮から、3箇所に飛ばすと!


「トモルシード!


貴様の相手の所為で


我の相手の朱雀が


回復したぞ!」


と、ドラニちゃんから苦情が入ったので………


俺も誰かの相手から回復魔法を使われたのに……………

思考加速で呟きながら

念話で全員に語りかけた。 


「俺の対戦相手の白虎も


誰かの対戦相手の回復魔法で、回復しその直後3方向に回復魔法を飛ばしたが………


アレだけの回復魔法を

そう何度も連発するのは

多分不可能だと……思うよ?


神獣と言えども限界点や

タイムラグが発生すると

読んだ!


同時に殺す以外の方法は?


何度もトライアンドエラーを繰り返し、神獣の回復魔法を枯渇させる!」


と全員に念話で呼びかければ


「トモさんの意見に同意

します。」


とトールと並行存在3人組から念話が入れば?


ドラニちゃんも渋々だが!?


「チッ………良かろう!

その策略に乗ってやるぞ!」


と俺の急遽な戦略的思考に

皆が賛成したので助かった。


俺は、先見の明も併用し

白虎と改めて対峙し

どの神獣が回復魔法を使用

したか?

を見極めるのと同時に白虎に

猛攻を開始した。


白虎を5回程倒す寸前まで追い込めば………


ある種のパターンが明らかに成った。


それは、回復魔法を使用する

神獣の順番が

朱雀 青龍 玄武 白虎

と?


思考加速で法則性を見極める為に………


ワザと白虎を追い込まずに

回復魔法の効果を観たり

逆に、回復魔法して直ぐに

追い詰めたりと変化させたが?


タイムラグや回復魔法の枯渇には、未だ達して

居なかった。


ドラニちゃんからは!


「何時まで、戦い続けるつもりだ?


我は、もう飽きてきたぞ!」


とドラニちゃんに小言を言われたが……………


俺自身にも神獣の回復魔法枯渇させる条件までの答えが出来ずに居る?


俺の2倍以上朱雀を倒す寸前まで追い込んで居るドラニちゃんが怒るのも無理無いなぁー

と考慮していて………


ンッ?


と気が付いた。


朱雀が放った回復魔法で!?

白虎が完全に回復しきれて?


居ないのだから………

見過ごして仕舞いそうな?

微々たる傷だが………


「ドラニちゃん!

今しがたの朱雀の回復魔法で、白虎の傷が完全に回復

しきれて居なかったよ!


トールの相手の青龍は?


並行存在3人組の玄武は?」


と思念で問いかける。


「トモさんに問われて?


思い返せば? 恐らく青龍にも僅かに傷が残っていた気がしますね。」


「こちらの玄武は?

元から頑丈だった為………


確認は不可能でしたが?」


と並行存在3人組は答えた。


だがドラニちゃんには、

トールの返答で十分だったらしい。


「やっと最終段階に入ったかァァァ!!


我の攻撃が完全に成果を上げたからじゃ!


トモルシード!

トール!

並行存在3人組!


ここからがぁ!正念場だぞ。」


とヤル気を漲らせながら

意気揚々と朱雀を倒さんと

ドラニちゃんの眼が甦る。


ソレに連動したかの如く

俺もトールも3人組も

攻撃力を上げて己の敵に

素速く突っ込んでゆく!


そのペースに神獣達の傷が

徐々に回復魔法後にも多少なりと増えていった!


そして遂に俺の先見の明でも

残り3回白虎を倒せば絶対に

回復不可能だと…判断出来た。


ドラニちゃんが朱雀の頭部を斬撃でぶっ潰し!


俺は白虎の腹部を斬り刻み!


トールは青龍を巨大化させた

ハンマーで空中で壁に撃ち付け両断し!


並行存在3人組は玄武の両手脚と尻尾を斬り落とし、

ドラニちゃんが最後は加勢に入り………怪力幼女!!


「ヨッコイショ!」


と玄武をひっくり返し

駒の様に回転させて

遠心力で出て来た頭部を斬り落とし回り続ける玄武の甲羅事………白剣で割って見せた!


ドラニちゃん独りでも

神獣朱雀 白虎 青龍 玄武

倒せたのでは!?


と感じたが、口に出せば

ドラニちゃんが図に乗るだけ

と鑑みて………


その瞬間に神獣が

魔石 4個

インゴット4個

金塊 20個

に変化し、収納魔法に仕舞えば………


ゴゴゴッゴー ドッカーン

と地響きと轟音を鳴り響かせながら、再奥にエレベーター

が出現した。


エレベーターを眼にしたドラニちゃんが、ガックリと首を落としながら


「またアレに乗るのかぁぁ…」


とボソッと呟くのが

聴こえた。

俺は聴こえなかった事にして


「さぁ、どんな神様が

このダンジョンの地下牢獄

に閉じ込められているのか?


エレベーターに乗って確認に向おう!」


と言いながらエレベーターに

向う。


トールの足は軽いが、

ドラニちゃんの脚は止まって

いたので………


「ドラニちゃん!

腹をくくって行くぞ!」


とドラニちゃんの小さな手を取り、エレベーターに乗り込んで下層行のボタンを

推した。


エレベーターのドアが閉まれば、ドラニちゃんが俺の服の袖を硬く握り締めて………


「何時まで経っても…………

馴染めない…………」


と愚痴を溢しながら

顔を俯かす。


最後のエレベーターがダンジョンで1番永い時間拘束されるのだから………


下降時間が進むに連れて

ドラニちゃんの顔色も比例して青褪めて逝く。


「まだなのか…………到着は?」


とドラニちゃんに問われて


多分やっと半分位だとは言えずに………


「もう少しの辛抱だと…………

思うよ………ダンジョン攻略

したら、フィンラン公国で1番のお酒で乾杯しような!」


とドラニちゃんの思考を大好きなお酒へと導こうと返答すれば……………


顔面蒼白だった顔色がほんの少しだけ、緩和された様に

感じた。


「もう少しの辛抱ですよ。

祝杯には、私も参加致しますからね。」


トールも何とかドラニちゃんの意識をエレベーター内から

お酒へと導こうと加勢してくれた。


「酒………さけ………サケ………」


と呪文の様にドラニちゃんが

呟き続けて…………………

やっとエレベーターの到着音が鳴ると?


ドラニちゃんは、我先にエレベーターのドアが開くと同時に外に飛び出し!!


深く深く深呼吸を始めた。

俺は、紅い花のポーションを懐から取り出してドラニちゃんに与えれば………


ドラニちゃんは、紅い花のポーションを一気に飲み干し

顔色が完全に回復し


「これだけ我慢したのだから、何としてでも

地下牢獄に閉じ込められた神を救出するぞ!」


と眼の前に広がる巨大過ぎる両扉を押して、中へと入れば


「何者だ!


神の前に現れたのは!?」


と言う声に、やはりこのダンジョンは、当たりだったと

胸を撫で下ろす俺と対象的に


「永きに渡りこの地下牢獄に閉じ込められていたお前を

救出しに来た者達に対して

失礼な神だな!」


一体全体急に何を言い出す?

ドラニちゃん?

今は、元神であって神様では

無くなって居るのに………

思考加速で話に割って入る。


「貴方様神々は、この世界を4つに区分けされました様ですが、騙されて罠に嵌められ


ダンジョンの最下層の

地下牢獄に、閉じ込められ

この区画は、ゼウ神だけの

支配領域へと変えられました。


この2人も元神様ですよ。」


俺の簡略した説明に、目の色を変えその神様は……………


「神の座を捨て、人間に堕落するとは?


フンッ 嘆かわしいなぁ。」


まぁ神様からすれば、人間などと成ると理解はしても

俺の気分的には、腹立たしい


「この地下牢獄は、あの巨大過ぎる扉を開け放っても


神様の姿では、脱出不可能なので、仕方無く彼等も

人間化を受け入れて

他の神々達を自由にし


ゼウ神だけのこの区画を

取り戻す為に人間化までしたのですから…………


元神様の彼等を冒涜するのであれば?


貴方様を自由には、出来かねます!」


ハッキリと俺が断言すれば


「信じられぬ事象だろうが


トモさんに私は、感謝しか


無いよ。


怒りや報復!ましてや復讐の女神と呼ばれたネメシ神が


己を騙したゼウ神に復讐しないとは…………全く嘆かわしい」


とトールがハンマーを肩に担ぎなから神に問う?


真実を語られたネメシ神が

動揺しながらも………


「そのハンマーは!?


もしかして、雷神トーなのか?」


黙って頷くトールに感謝し

これまでに経験した事柄を自分なりに纏めて語った。


何となく理解した様子であったが、本気で考慮したのはドラニちゃんの一言であった。


「復讐の女神とまで、崇拝されていた貴様が?


地下牢獄に閉じ込めた犯人のゼウ神に復讐出来ぬとは……


世も末だ!」


この言葉で、復讐の女神の瞳の色に火が灯った。


「そこの人間よ!

今直ぐに、私を自由に…頼む」


と言い放った。


俺は素早く収納魔法から筆を取り出して、ネメシ神を中心に魔法陣を描き始めた。


そして魔法陣の上空にフライで、上昇し神様を人間化する詠唱を唱え出せば………


魔法陣内に霧が立ち込め出し

直ぐにネメシ神の姿がかき消されていった。


魔法陣の円形を半円状に霧が立ち込めたのを確認し終え

自分の手の平を小刀で軽く

切ってその血を、魔法陣へと

落とせば


魔法陣内の霧がスーと消失し始めて薄っすらと人影が現れた。


見た目年齢は、17才位の

165センチ程の身長でスリムな

金髪ショートカットで

淡いブルーの瞳の色だが

その瞳には、鋭い意志を感じさせまるで、宝塚歌劇団の

男役トップスター並の女性が

佇んでいた。


「成る程! 確かに神の力は………衰えてはいない様ですが………」


と独り言を言った後に俺と眼が合えば!?


俺との間合いを一瞬で詰め

慌てて構えたのだが………


彼女は、俺の目の前で跪き?


「トモルシード様。


盟約を受け入れ貴方様の


新たな眷属として、参戦させて頂き誠に光栄です。」


と俺に対して最大限の礼の

言葉と態度を示した。


だが、俺は眷属として扱うつもりが無いのだから


「確かに、神様を人間化する方法として、俺の眷属には

成って居るが………


俺に対して公の場以外では

様や殿等の敬称は要らないよ。」


と仲間として受け入れたいんだ伝えれば………

困った顔をして


「それでは、私が納得出来かねます。」


と反論されたので、仕方無く


「ならば!トールと同じ様


トモさんと呼ぶ事を命じる。」


最初に命令すれば


「御命じならば、致し方ありません。」


と渋々ながらだが了承させた


「呼び名が決まったならば

神から人間化したのだから…


トモルシードが名を与えて

やれよ!」


そうだったと思い出しながら

懐からスマホを取り出して

検索を始めれば


ネメシス 復讐の女神 

エトセトラ


と判明したので 


「今日から、君の名は………

ネメシスとするが、不服は

無いか?」


とネメシスに問えば

数度頷きながら


「何だか、しっくりと馴染が有ります。ネメシス!

今から私はネメシスです。」


これで、新たな仲間元神様の

ネメシスが誕生した。

自分が閉じ込められていた 

ダンジョンの地下牢獄が

どんな場所だったのか?

知りたいならば……


一緒にダンジョンを戻るけど

どうしたいのか問えば………

余り関心無い様子で


「早く扉の外?

ダンジョン外に出たいです。」


とネメシスが言うので


取り敢えずネメシスの手を取りドラニちゃんとトールと

共に低位瞬間移動魔法で

フラン学園都市のスペイ王国の寮の俺の部屋に戻った。


突然戻った俺達にセシリアは

驚きながらも


「トモルシード王子?


お帰りなさいませ。


あの………そちらの御方は?」


とネメシスをチラッと見て

ソワソワしている様子に


「新たに加入した俺の仲間だよ。


名前は、ネメシスだ。


宜しく頼む。少し世の成り立ちと俺達のスペイ王国との

関係性や俺の立場を教えてやって欲しい。」


とセシリアとトールに任せる事に決めた。


畏まりました。とセシリア

トール共に快諾してくれたので、ホッとしながら

セシリアに御茶の準備を頼み


ネメシスの部屋を魔石の錬成で準備する。


「今日から、この部屋がネメシスの部屋だよ。


先ずは、人間界の常識的な事柄をトールとセシリアに

教えて貰う事から始めよう。」


戸惑うネメシスに

二人の事を先生だと

思って、人間界の知識を

理解しろと伝えれば


「解りました。

元神のドラニちゃんや

トールも学んだ様子でしたので、トモさんに恥をかかせない様に頑張ります。」


とネメシスが受け入れてくれたので、一安心した。


セシリアが入れてくれた

コーヒーを飲みながら

今後の予定を思考加速で練りながら、ネメシスがボッチに

ならない様に会話を振る。


気になるのは、ネメシスの実力の把握と神の力をダンジョン以外の人間界で使用すれば

ゼウ神に計画を潰される

危険性を理解して

欲しいのだ。


それは、ドア内の闘技場で

ハッキリさせるつもりだが……


直ぐに、ダンジョン攻略へ連れては行けそうも無い?

だろう。


コーヒーを飲みながら

試行錯誤を頭の中で繰り返す


少しの休息後に

4人で闘技場へと向かい

ネメシスの実力を測る為に

先ずは、トールとの10分間の練習試合を提案すれば、

ネメシスも賛成し


「トモさんに私の実力を

たっぷりと御見せ頂きますね。」


とトール相手であっても

何の抵抗も無く言ってのける

その自信に、俺は驚いた?


どんな武器?剣は所持していないので、想像出来ないかなぁ。それが俺の印象だった。


いざ、試合が始まれば

俺は、思わず唖然とさせられる羽目に成った……………


トールのハンマーを


「復讐の連鎖!」


とネメシスが言えば?

鎖がネメシスの右手から現れて、トールのハンマーの攻撃と雷撃さえも鎖で、平然と

防いで見せたからだ。


良く観察すればネメシスは

右手から5本の鎖を器用に

操りその内2本の鎖を雷撃

対応に後の3本の鎖で、トールのハンマーとの攻防戦に

使い分けて居る。


圧倒的にトールが優勢だろうと決め付けていた俺は?

ネメシスの実力に改めて

感心させられた。


ドラニちゃんは………


「中々やるではないか!


我の期待を裏切る武器を


隠し持って居ようとはなぁ。」


ネメシスの試合を絶賛する

ドラニちゃんに、俺も頷いて

同意した。

試合結果は、時間切れの引き分けとなったが?

嬉しい誤算だったが…………


冷静に考えれば、この区画の世界でダンジョン以外の所で

神器であろうあの鎖は、使用すれば直ぐに噂の種になり


ゼウ神に知られた時点で、

アウトになり俺達の計画の

破綻に繋がるかも知れない

危険性がある。


試合後のネメシスに


「ネメシス!


悪いんだけども、その鎖は


トールのハンマーと同じ

神器だと判断した!


その鎖は、ダンジョンでの

使用と俺の闘技場以外の

使用を禁止させてくれ!」


とネメシスに宣告すると!?


「私の復讐の連鎖は?


意味が無いのでしょうか?」


とネメシスに問われて

普通に使用した場合のデメリットを話せば、納得したのか


「アッ………それでは使用出来ませんね。


しかし、私はこの鎖以外の

武器を持ち合わせていないのですけれど?」


と困り顔で尋ねられたので


「それは、安心してくれ。


トールの普段使用の剣も


俺の鍛冶職で創り出した品


だから、ネメシスの武器は


これから俺が創るが?


どんな武器を希望するのか


考えて欲しい。」


と頼めば、その場で悩み出したから今直ぐに、決断しなくて良いから……この世界の理を学びながら考慮してくれ。

と言い聞かせて、ドアから出るとジルグフリードが


「セシリアからトモルシード王子が帰還されたとの報国を受けて、先程戻りました。」


と俺に跪いた。

俺は、新たな仲間のネメシスをジルグフリードに紹介し

セシリアと共にジルグフリードをネメシスの教育係に

任命した。


ネメシスには、俺の配下達だからトールが接する様に

2人と仲良くする様にと忠告

すると


「セシリアさん

ジルグフリードさん


宜しくお願いします。


トモさんの仲間に加入した


ネメシスと申します。」


と一礼しセシリアとジルグフリードが慌てて


「トモルシード王子のお仲間ならば、私達配下の者よりも上位者に成られたのですから、どうか呼び捨てでお願いします。」


そんな状況にトールが口を挟んだ。


「それは、筋が通りませんよ!


ネメシスより先にトモさんの仲間に成った自分が

セシリアさん

ジルグフリードさん

とお呼びして居る。


しかも、これからこの世界に付いて教わるのですから!」


とネメシスに話すと


「トールの言い分にも一理ある。私もそれで良いと考えますが?


トモさんの御考えは?」


と急に振られたので


「互いに仲良くするのであれば、依存は無いよ。」


と返答すれば


「「トモルシード王子!」」


とセシリアとジルグフリードに反論されかけたが


「配下も仲間も俺には大切な者なのだから………」


これで、ドラニちゃんと俺以外はこの先新たな仲間が加入しても、セシリアとジルグフリードを邪険には、扱えないだろうなぁと考えながらも

セシリアとジルグフリードがネメシスに色々と説明する様を眺めながら、次のダンジョン攻略へ思考を向けた。


フラン学園都市の入学前クラス編成テストまで、残り3週間を切った頃には、

ネメシスの人間界の知識も

常識も教え終わり。

その間にも、2度他国のダンジョン攻略へ遠征し………


教会にあるダンジョンに、

神様が地下牢獄に閉じ込められて居るだろうと言う理論が

破綻した。


2箇所とも、エレベーターの

1階層から3階層まで

フロアボスの強さは変わらず

新たな神様との出会いは、

叶わなかった。


その代わりに、2箇所のダンジョン攻略で俺が鍛冶職で創っていた剣を、何種類か試しに使用させてネメシスの

武器が決定したので、

ネメシスが閉じ込められていたダンジョンの神獣の最高品質のインゴットで


ドアから闘技場の端にある

竈門で双剣をネメシスの注文通りにイメージし魔石のハンマーで赤く染まったインゴットを叩き上げた!


朱雀 白虎 青龍 玄武

のインゴットでそれぞれの

属性を付与した刃渡り50

センチの小刀の部類だが

組み合わせ次第で、

その場に適した双剣へと

変化させて闘う事も可能に

成る。


ネメシスにも既に、収納魔法を教えて居るので、4刀の小刀を渡し


「組み合わせのパターンは、


これからネメシスが経験して決めれば良いよ。」


と軽く剣に付与した性能を

説明すると


「トモさんにわざわざ創って頂いた双剣ですから、


大事に使い続けます。


有難う御座います。」


と軽く頭を下げて直ぐに

闘技場で双剣の実践的な練習を始めるネメシスに


頑張れよと心の中で、告げて

俺は、3週間後のフラン学園都市の入学前クラス編成テストの事柄に付いて考えた。


実力を隠してドラニちゃんと

入学するのか?

それとも、最初に実力を誇示して他国から2人だけ浮いた

存在になるのか?


前項を選べば、友人と呼べる者も出来るだろうが…………


ドラニちゃんの性格では?

多分イヤ絶対にボロが出て

最終的に敵を増やし兼ねない

んだよなぁ………


だったら最初から、実力主義を貫いた方が? 正解なのか


と思考が彷徨う……………………

結局前日まで迷走する羽目に成ったが、最終的にドラニちゃんからクラス編成テストを

受けさせて、出方次第で俺が

判断するのが、ベストだよなぁーと決心を固めた。


当日の朝セシリアから

薄紫色のマントを渡されて

俺とドラニちゃんが小首を傾げて?


「何だこのマントは?」


とセシリアに問えば


「このスペイ王国の寮から


フラン学園都市の学園に


転移陣で学生が移動する為の必需品であるのと同時に

スペイ王国の者と、他国の者とを区別する為のマントに

成って居ます。」


成る程なぁ。他国の者との違いをマントの色で区別するのか。と少しの驚きと納得をし


「ドラニちゃんもスペイ王国の賓客だから、マントは必ず着用してくれよ。」


と頼んだが?


「我には向かぬ色合いのマントをトモルシードは、着用しろと?」


ドラニちゃんから、睨まれた

思考加速で俺は閃いた事を提案した。


「紫色というのは、高貴な生まれの人物にだけ許された

色だょ。


高貴さで言えば………

ドラニちゃんが1番だと思うけどなぁ………」


チラリとドラニちゃんを観ると!?


「我程高貴な色が、似合う者はこの世界に居ないだろう!」


そう呟いて早速マントを身に纏った。


正確には、紫色であって薄紫色では無かった気もするが?

ドラニちゃんが、納得して自分から身に纏ったのだから

良しとする。


スペイ王国の寮の1階に、フラン学園都市の学園に転移する転移陣の部屋がある。

一度に100名が同時に転移可能らしいが?


王族から順次転移するらしく

第三王子ジルルシーク兄上が

配下の学生と共に俺達を待っていた。


「今日は、フラン学園都市の入学クラス編成テストだろ。


まぁトモルシードが、只者ではない事実は母上から聞いているよ。


ドラニちゃんも頑張って欲しいので、こうして見送りに来た。武運を祈って送り出したい。」


と第三王子ジルルシーク兄上に激励されて俺は、嬉しく思いながらドラニちゃんとセシリアとジルグフリードと共に

転移陣にて、学園の門に出た


同時に100名以上が通れる程の立派な門に転移し

周りを見渡せば、同じ様な門から次々に人が現れて正面の学園へと歩いて行く様は

荘厳さを感じさせる。


「トモルシード王子先を急ぎましょう。


貴族の学生達も此の後に控えていますから。」


とセシリアに言われて

セシリアの案内でフラン学園都市の学園に歩き出した。


色とりどりのマントが学園へと導かれる様に入って行く。

俺もセシリアとジルグフリードに案内されて学園の第一講堂と記された広い体育館みたいな所へ案内され


「各国の王族達から、順番で魔法のテストと剣技テストへと分類されます。


王族の入学クラス編成テストに、立ち会った事が無いので詳しい事は分かりませんが。


多分学園長から説明があり

その後に呼び出しにより

テスト会場に向う筈です。」


講堂の入口には、教師らしき成人の男性が2人何かを記入していて、入口はまだ空いたままだ。

恐らく、各国の王族が揃うのを記入しながらだが確認しているのだろう。


「トモルシード王子本当に配下の者が、2人だけで大丈夫なのですか?


他国の王族は、最低10名は側仕えや護衛が居ますが?」


ジルグフリードの不安視を


「気にするな!量より質を重視して、2人に任せているのだから!」


微笑みながら返答すれば


「その御気持ちは、大変光栄なのですが………他国の王族に舐められは、しないかと

心配なのです。」


セシリアが言葉を挟んだが


「舐められた方が、むしろ

好都合だ!


我の実力に慄き驚愕する

阿呆な顔が目に浮かぶ!


セシリアとジルグフリードよ。楽しみにして居れば良いぞ!」


とドラニちゃんが2人に宣言すれば、2人が安堵したのか

溜息なのか?解らないが

吐息を漏らした。


そこで講堂の入口が閉められ

教師2人が、報告へと向えば


ざわつき始めた講堂に一人の人物が壇上の奥から出て来て


「ようこそ実力至上主義のフラン学園都市の学園へと、参られた。


この学園は、形式上は各国の王族達が上位者と成って居るが………


それは、それぞれの国内と

フラン学園都市にある各国の寮内だけの話だ!!


君達は、これからクラス編成テストに強制参加させられ

Aからkまでのクラス編成が決定する。


甘やかされて育った王族達が、自分の配下よりも下のクラスに成れば!


このフラン学園都市では

見下されるかもな!!


以上学園都市学園長からの

言葉として覚悟を期待する。」


長い髭を蓄えた老人が

覇気と共に告げ終えれば

教師達が入って来て

それぞれの担当の国の受験者を確認し本人だけを連れ出していく。


俺とドラニちゃんの前に、

女性の教師が確認しに来た。


「ドラニちゃんとトモルシード君とは、貴方達2人で合って居ますか?」


俺が頷きながら ハイ!

と答えれば


「2人は、教員の私に付いて来なさい!


側仕えと護衛者は、昼食後に迎えに来なさいッて…………


怪しいわね!

スペイ王国の王子にたった

2人しか配下の者が!?」


怪しむ女性教師に


「守られる程弱き者では無いし、量より質が私の配下には求められるのですから、他国と比較されると困ります。」


ハッキリ女性教師に告げれば

ムッとした表情を浮かべながらも………


「そう。ならば2人は、黙って私に付いて来なさい。


あなた達は、魔法のテストから行います。別会場に移動します。」


と言って背を向けて歩き出した。

俺とドラニちゃんは、その女性教師の後を追いながら………


「セシリアとジルグフリードは、昼食後まで自由にしていてくれよ。じゃあな。」


と伝えて女性教師の後に続く。 


5分程付いて行けば

陸上競技場が2つ程足した位の大きな闘技場に着いて

説明を受けた。


魔法での攻撃で的に当てた

数字が個人の点数になるらしい。


クラス編成テストと聞いていたので、魔物や魔人との勝負でもされるのか?

と考えて居たので

まるでただのゲームじゃ無いのか?


と思いながらも、順番待ちの列に並んで観察すれば…………

10メートル事に点数が標示されたボードがあり、

自分の属性魔法で射貫くらしかった?

自分達の番が来るまでの得点の最高点は50点しか取れて居なかったが、本人は満足そうに笑っていた。


ドラニちゃんが


「的に当てるだけとは、詰まらぬなぁ。最高得点は何処じゃ!

それで充分だろうよ!」


俺は、ドラニちゃんに


「1番奥のボードに300点と

書いてあるから。」


と小声で声を掛けると

白炎でそのボードとその直径10メートルを燃え上げて見せれば!?


「無詠唱で!


そんなバカな!」


驚く教師達が慌てて消化活動しながらも、ドラニちゃんを

凝視して………


「前代未聞だ!」


と騒ぎ出す始末に


「次は、自分の番なんですけど?

もう始めて良いですか?」


と目の前で騒ぐ教師に問うと


「エッ あっ ちょっと待て!

あの子が………ドラニちゃん。

ならば、君がスペイ王国の

トモルシード王子ならば……


君も無詠唱なのか?

イヤそんなバカな………」


テンパる教師に平然と


「当然。無詠唱ですよ。」


と答えて


ファイヤーボールを連弾で

60点から150点までの

10連弾ボードを燃やして

魅せた。


「嘘だろ!


スペイ王国では、無詠唱が

普通なのか?


イヤ待て最上級学年のスペイ王国の王子は、無詠唱ではないぞ!」


「この2人が………化物クラス

と!?」


騒ぐ周りを他所に


「この調子ならば、剣術のテストの場合ドラニちゃんは

白剣を抜いたら、教師を殺し兼ねないからさぁ。


俺もドラニちゃんも素手で

テストを受けるしか無いよ。」


と話しかければ


「そうだろうなぁ。


まぁ致し方あるまい………」


と結論が出た。

それでも周りの騒動は、収まらなかった。


俺とドラニちゃんを引率して来た女性教師の下に行けば

唖然としながら………


「貴方達2人には、護衛が必要無い事実は……理解しましたが、突然無詠唱で魔法攻撃を行った結果…………


教師も生徒もこの有り様です。どうするつもり………

ですか?」


と諭されたが


「俺達2人が、この試験会場から去れば…

自然と騒動も治まると?


考えて教師でも有り、テスト会場への引率者の貴方の所へと、来たのですよ!


さぁ、剣技のテスト会場へ

向かいましょうか!」


と告げれば、


「こちらにも段取りがあったのですが………

状況から判断すれば………

貴方の考えの方が妥当だと

言わざるおえません。

着いて来て下さい。」


と女性教師が歩き始めた。

魔法のテストを終えた生徒の横を通り過ぎて、入口とは反対の扉から出て、剣技のテスト会場へと向う道すがら?


「魔法のレベルだけが、

突出して居るのでは

無いのでしょう…………


剣技のテストは?

どうするつもりですか?」


また騒ぎを起こされては!?

堪らないとでも、言いたいのだろうか?


「心配しなくても、

良いですよ。

俺達は、素手で剣技のテストを受けるつもりです。」


何を言っているのか?

という表情で睨んできた女性教師に対して………


「自分達の剣を使用すれば、

多分教師の方の大切な剣を

破壊するか!

下手をしたら、殺してしまう可能性が有るでしょう。」


カチンと来たのか?

女性教師は、目を見開きながら!


「舐めないで欲しいものです!

Aクラスの担任の先生方が、

剣技のテストの相手です!」


女性教師の逆鱗に触れたようだが、誰が相手でもダンジョン攻略した。

俺とドラニちゃんの相手には

成らないのだと教えたいが


簡単に信じて貰えないだろうし、ダンジョン攻略し最下層の地下牢獄に閉じ込められて居る神様の救出と

人間化の事は、誰にも知らせられないのだから……………


「百聞は一見にしかず。

ですよ。」


と女性教師の意見に耳を貸すつもりは無い。

そんな言い争いをしていれば

剣技のテストの会場に到着し


「1人の教師が、何を勝手にクラス編成テストに、遅れて生徒を連れて来たのだ!」


と女性教師を問い詰める。


「魔法のテストでの出来事の報告が、まだ入って無いのですか?」


女性教師も反論し問い返せば


「一体全体何が………

あったのだ?」


女性教師が相手の教師に、

小声で、魔法のクラス編成

テストでの出来事を話すと?


それを聞いた教師が行き成り背を向けて、走り出して行った。

その先に剣技のテスト会場には、不釣り合いな豪華な椅子に座り剣技のテストを

監視する大柄な男性に、

何やら話し始めた。


その大柄な男性の顔色が、

報告を受けて変化し怒声を上げた!


「全ての剣技のクラス編成

テストを切り上げろ!」


その怒声に、教師達も生徒達も一斉に振り返り

会場が凍り付いた。


その大柄な男性が、椅子から立ち上がり


「案内役の女性教師よ!

その2人を連れて来なさい。


わしが自ら剣技のクラス編成

テストに出る!」


女性教師がハッとして


「逃げ出すならば、今の内よ。

Aクラストップレベルの教師の大将が相手では、流石に

入学前の2人共々負けが

確定したわよ。」


そう言われても………危機感さえ感じ取れないのだから………

黙って女性教師の後に続いて

大柄な男性の前に出た。


「魔法のクラス編成テスト

では、報告を疑う結果を出したらしいが?


剣技のクラス編成テストでは、残念だったな!


わしが2人同時に相手を

してやる!」


と大柄な男性が言えば

直後にドラニちゃんが異を唱えた。


「フン! 何を寝言を!


貴様など我1人素手で十分。」


と一歩前に出た。


「井の中の蛙とは言え

その度胸だけは、買ってやるぞ!」


大柄な男性教師が自らの大剣を抜いてドラニちゃんに強襲を仕掛けたが……………


ドラニちゃんは、宣言通り素手で大剣の間合いを詰めて

剣の持ち手を片手で、受け止めて蹴りの一撃で吹き飛ばして見せれば………………


大柄な男性教師は、その一撃で気を失ってピクリとも

動けなかった。


周りの教師も生徒達も

一瞬の出来事に、何が起きたのか!?

理解出来ずに茫然としていたが……………………………


「井の中の蛙は、貴様の方だったな!」


と、笑うドラニちゃんの声で

教師達は、大柄な男性教師の

無事を確かめ始めて


「息はある。失神して居るだけの様だぞ!

早く大将を医務室に運べ!」


と教師達が俺達の前で

慌てて大柄な男性教師を運び出して、残った教師が…………


「私達では、君達二人の事をクラス編成テスト出来ない。


上層部と連絡を取るから

暫くの間………悪いが待っていてくれると……助かるのだが。」


と言われて…


「構いませんよ。待つのは?


然し、俺達2人をクラス編成テスト出来る教師が居るのならばの話ですよ。」


と条件付きで待つと伝えれば

教師達の顔色が真っ青になり


「直ぐに、上層部に掛け合うから………」


と3人の教師達が慌てて

その場から走ってテスト会場から出て行った。


そして、俺達は会場の隅の壁にドアを取り付けて、中から椅子と飲み物を取り出して

ドアを収納魔法に仕舞い。

飲み物を飲みながら…………

椅子に座り待つ事にした。


女性教師が俺達の側まで来て


「本当に、貴方達2人は

人間なの?」


と呟きながらも、自分の担当としての仕事だからと

俺達の近くに座り込んだ。


止まっていたクラス編成

テストも教師増員がされて

再開したが……………

30分経っても、上層部からの返答は無かった。


「まだなのか!

トモルシード!」


とドラニちゃんが駄々をこね始めたが、俺にだって分からないので……………


「後1時間待っても何も無ければ、スペイ王国の寮に帰るよ。 良いですよね。先生。」


と女性教師に問えば?


「上層部と連絡を取ると約束した教師達には、後1時間待っても連絡も無ければ………

私から説明しておくわ。」


と、付き合いきれないのだろう発言に正直驚いたが、

黙って頷いた。


後は、駄々っ子のドラニちゃんの為に、収納魔法から漫画本を数冊渡せば

ドラニちゃんの機嫌も直って

漫画本を読み始めた。

ホッとしながら俺は、女性教師にコーヒーを渡して

待つ事にした。


それから30分後に事態が動いた。


ゾロゾロと教師達を引き連れて4人の教師達が入って来れば!


「嘘だろ!


英雄の4人様が?」


と周りの教師達がざわつき始めた。


女性教師は?

「まさか!」


と固まっている。

4人の教師からは、強者が醸し出す雰囲気が見て取れる。


「君達2人が!


大将を一撃で倒した

強者だろ!」


周りの教師達を置き去りにして、一瞬で距離を詰めた4人の教師が不気味な笑顔で

俺とドラニちゃんを

見据える。


「自己紹介から始めようか。


自分は英雄の一人ナポリオンと申す。」


「俺は、英雄の一人

アレクサンダーだ!」


「私も英雄の一人

マリーナ アントワネットよ。」


「私くしも英雄の一人

クレサ パトラと申します。」


英雄と自分達で名乗った

男女4名だが名乗られたからには、礼儀としてこちらも名乗る。


「私は、スペイ王国第4王子トモルシードです。」


ドラニちゃんを見れば、まだ漫画本を読み漁って居たので

奪い取りながら


「自己紹介をしてくれ!」


漫画本を奪われ拗ねる様に


「我が名は、ドラニちゃん


トモルシードと同じスペイ王国から来た!」


仏頂面して自己紹介を終えれば………………


「中々の豪傑だなぁ。


我等4人を前にして、これだけ萎縮しない人物と会うのは?いつ以来だ!?」


変に感心されても困るのだが

ドラニちゃんとは、見た目の幼さと愛くるしさから暴言を吐いても、何故か?

許されてしまうのだから

より一層調子に乗るのだ。


「英雄と呼ばれているならば、それなりに上位者だと思うが!


皆の期待虚しく我に敗北する定めよ!


場所を変更して闘えば

観客無しで、貴様らの対面も保たれる。


1番大きな闘技場で!

一戦交えようぞ!」


とドラニちゃんが4英雄達を挑発すれば……………


「流石に大将を一撃で!

倒しただけの器の持ち主だ。


良かろう。その条件を飲もう!」


とさっきの大柄な大将よりも筋肉隆々のアレクサンダーが

代表して答えた。


「第一競技場に場所を変更して

彼等と対決する。


着いて参れスペイ王国の2人の剣士達よ!」


言われる儘に俺とドラニちゃんは、英雄達の後に続いた。


俺達の担当の女性教師だけは

意地でも着いてくるつもりらしい。

此処まで案内して来て、英雄の活躍はその目に焼き付けたいらしい。

俺たちの担当なのだからと

俺は許可した。


第1競技場は、上空の高さも申し分の無位の大きさと上空にも余裕が有る。


「本来4対1で対戦する予定だったが!

そうすると、トモルシードの試合が出来ずに終わるから


2対1で勝負を挑む!


誰と誰が我の相手だ。」


この挑発にアレクサンダーが吠える。


「ならばこのアレクサンダーとマリーナ アントワネットで貴様に大恥を書かせてやるぞ!」


マリーナ アントワネットも

闘志を燃やす。


ドラニちゃんの白剣の威力を英雄達は、誰も理解していない。下手すれば………


英雄の武器を破壊するし

俺は一応備えで並行存在魔法で、アレクサンダーと

マリーナ アントワネットの被害を抑える方法を模索した。


試合開始に成れば、アレクサンダーとマリーナ アントワネットの息の合った攻撃がドラニちゃんを襲うが………


ドラニちゃんは、ある程度の余裕を保ちながらアレクサンダーの大剣とマリーナ アントワネットの細剣の攻防を見切って両者の攻撃が重なった所で白剣で吹き飛ばした。


俺は並行存在魔法で2人が吹き飛ばされた2人を受け止めた。


そのままだったら壁に激突して戦闘不可能に成っていたが、


「己の剣を良く見てみろ!


防御しても俺のパワーでお前達の剣は、残念ながら………

もう一撃撃ち合えば!

破壊される程の亀裂が見えないのか?」


二人が互いの剣を確認すれば無数の亀裂が、大剣と細剣に入っている。


此処で、無謀にもドラニちゃんを攻める事はせずに………


素直にドラニちゃんに負けを宣告した。


次の試合は、俺とナポリオンとクレサ パトラだ!


「君は、大将と闘って居ない情報は無いが、ドラニちゃんの実力を考えてみれば、

軌道修正する必要がありそうだな!」


クレサ パトラとアイコンタクトを取りながら前衛と背後に位置を修正し同時に踏み出してきた。


俺は、先ず背後のクレサ パトラからナポリオンのスピードより速く接近戦に持ち込みクレサ パトラの剣撃を流して体勢を崩し自慢の豪腕での一撃をクレサ パトラに繰り出し、前方から来たナポリオンと対峙し、剣技の全てを先見の明でナポリオンの攻撃を防ぎながら剣の寿命を削り

ナポリオンの剣を無効化し

剣を折り、クレサ パトラを

一騎加勢に豪腕と剛脚で壁まで吹き飛ばした。 


4人の英雄2対1で圧勝したドラニちゃんと俺は

相手の剣を崩壊させて、勝利を掴んだが……………

大事な英雄の剣を破壊した重苦しさに耐えかね


「今から破壊した剣を希望した剣に鍛冶職で、作り替えるので、希望を申して欲しい!」


と提案してドアを闘技場の壁に取り付けて一人で中に入る前に一人一人の願望を聞いた。


「俺の剣が、あっさりと破壊された。君達の実力は既に、

剣聖や剣王レベルなのかも知れない。」


大怪獣のインゴットで彼らの希望通りの性能を追加して鍛冶職で作り出して、


「毎日己の魔力で磨き上げれば、

今よりも、自由に操作できるし剣自体も成長する。」


クレサ パトラだけ新たな剣をプレゼントしないのは、

依怙贔屓な感じがして、

クレサ パトラにも剣を新調し、ついでに迷惑を掛けたであろう女性教師の騎士剣も

インゴットの品質を普通の

フロアボスに変更して


「先生にも、迷惑をかけたから………この剣を受け取って欲しい。」


と騎士剣を手渡せば………


「何もして無い私にまで……」


嬉しそうに微笑む女性教師に

送られて、セシリアとジルグフリードに合流した。


これにて、クラス編成テストが完全に終了して、少しだけ待たせたセシリアとジルグフリードと共にスペイ王国の寮に戻った。


結果は3日後にフラン学園都市の学園長から発表がもたらされる予定らしい。

 

どうなるのか?

魔法の技術点、剣技のテストでは、英雄を振り回した技量は、誠に素晴らしいく

クラス編成の結果として、


「トモルシード君とドラニちゃんには、Aクラスより上の

スペシャルのSクラスを

新たに新設する。

二人共に、この学園に改革をもたらしたのだから…………

一層の努力を頼む!」


と書き記された。

学園長直筆のサインが書かれたクラス編成書が、スペイ王国の寮に届いた。


セシリアとジルグフリードには、絶賛されたが?

正直新設されたと言うSクラスには、驚いた!


そして、入学式を迎えた。

やっとこさ。

ストーリー展開が始まりました。


フラン学園都市に入学し

Sクラスで、どんな展開に成るのか?



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