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 僕が正式に冒険者になってから、僕のギルドが全滅してから1週間が過ぎた。

 ギルド全滅の知らせを聞いてから3日間は、夜も眠れないほどに悲しんだ。そこから2日間はルミーユと二人で涙を流しながらも、これからについて話した。

 そして、昨日、冒険者としての一歩を踏み出そうと、ダンジョンへ行く準備をした。装備を整え、ギルドの使えそうなものを家に運び、ギルドを王国に明け渡し、冒険者ライセンスを取得した。

 現在、僕の冒険者ライセンス(名前はスティートカード)には次のようなことが書かれている。

 

 『リューリ』

 15歳・冒険者・〔無所属〕・ランク0

 〈鉄の矛〉〈綿の服〉

 スキル 【スラード】《防御上昇1》

 

 さてさて、順に説明していこうか。

 まずは名前。次に年齢。所属ギルド(僕のギルド〔蒼碧玉〕のギルドマスターであったショージが死んでしまったので、ギルドは解散されたため、無所属となっている)

 そしてランク。ランクは単純に言うと、どこまでダンジョンを攻略できたかというものである。


 ダンジョンでは人が入ってくると、その魔力を感じて、魔物が発生するのだが、ダンジョンの階層数が多くなればなるほど、魔物が強くなっていく。そのため、ランクが高ければ高いほど、強いということになる。

 この世界にはダンジョンが二つ存在しており、一つは上ダンジョン、もう一つが下ダンジョン。ひどく安易な名前だが、名が体を表している。上ダンジョンは、どこまでも上へと続いていくダンジョン。下ダンジョンはどこまでも下へと続いていくダンジョン。


 ランクは、上ダンジョンの攻略階数と下ダンジョンの攻略階数の合計地値である。

 なにをもって攻略かというと、答えは単純。階の最奥にいるボスを倒せば、無事に攻略である。現在、上は82階、下は81階、ランク163が最高である。 

もっともその攻略を可能とした冒険者はもう死んでしまい、ギルドはもうすでに全滅となってしまっているが、冒険者とギルドの名はもはや伝説となっている。

 その冒険者の名は『リオウキ』、ギルド名は丹王解龍におうかいりゅう。いささか厨二じみた名前ではあるものの。その強さは完全に本物である。

 

 今、誰もが目指しているのが下82階。そこを攻略すれば、自分こそが伝説となる。

 それは僕も同じである。いつの日か、そこを攻略してみせる。

 まずは、ランク10となり、ギルドマスターの資格を手に入れる。そして、ギルド〔蒼碧玉〕を復活させる。

 ギルドマスターが死ねば、ギルドは解散となる。しかしギルドで一番ランクの高い人が同じ名前で再びギルドを作り、そこに元のメンバーが集うことでギルドは続く。が、ギルドが全滅してしまえば、それは不可能となる。ギルドに名前を付ける場合、誰をつけたことのない名前か、自分が所属していたことのあるギルドの名前しか付けることができない。

 ギルドの解散は、ギルドマスターの死にやすいという理由から、冒険者ギルドで主に起きる。


 〔蒼碧玉〕を復活させようとするなら、それができるのは僕しかいないのだ。

 無事にランク10になることができればの話だが。


 

 スティートカードの説明に戻ろう。

 〈鉄の矛〉〈綿の服〉というのは僕の装備。そこらへんで売っているような安物装備だ。

 【スラード】というのは剣のアクティブスキル。

 武器を横に振り、敵を斬るスキルである。


 スキルの特徴はいくつかある。

 1、あまり力を入れないでも、発動することができる。

 2、威力が高い。

 3、体力をかなり使う。

 4、一度発動すると、スキルが発動しきるまで止めることはできない。

 5、アクティブスキル、パッシブスキル、それぞれ4つまでしか持てない。


 前の2つは利点、後の3つは欠点である。

 【スラード】を具体例に考えてみる。武器を普通に横に振るよりも、段違いに威力は高いが、段違いに体力を消費する。また、武器を横に振り出してから途中で止めることはできない。また、剣がはじかれた場合も剣は振れようとするので、あんまり硬い敵にスキルを使うと、腕が折れる。

 4つのスキルを持っている場合。どれか一つを捨てなければ、新たなスキルを手に入れることはできない。

 《防御上昇1》は名前のとおり、防御力が上昇するスキルのレベル1である。

 もっとも、上昇の程度は、個人差がある。しかも防御力を数字で表してくれる便利なステータスはないので、正直、どれくらい防御力が上がっているのかはわからない。


 以上が僕のスティートカードである。

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