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ややこしいわっ!

作者: 如月はじめ

はやりの乙女ゲー(笑)

やっちゃった感はあるけど……


後悔はしていない!!←


※年齢や言葉の言い回しを少し修正しましたが、内容は変わってません!


 それは突然だった。

 私が4歳の時、家族と一緒に庭で遊んでいた時だ。

 父と母が見守る中、私と2つ上の兄はそこそこ広い庭でかけっこしていると、私は何かに躓いてしまった。

 4歳児の短い足ではよくあることで、まあ仕方のないことだと思う。しかし運の悪いことに躓いた先にさっき使ったばっかりのバケツがあり、勢いよく頭を打ち付けることになった。

 幸いと言っていいのか疑問だけど、遊具用のバケツなので角はなく、軽いプラスチック製で逆さになっていたため、パコーーーンッ、と小気味の良い音を響かせるだけとなった。

 そこから私には記憶がない。けど打ち付けてすぐ駆け寄った父と兄によると、抱き起こした父の腕の中で私はこう・・呟いてから気を失ったらしい。


「……ややこしいわっ……!」


 暫く経ってからそんなことがあったと教えてもらった。爆笑と共に。兄貴はいつか張り倒す。




 そんなことを呟いたとはこれっぽっちも覚えていない私だけど、その日から私はあることを思い出してしまった。

 勿体振るのもアレなんで(どれ?)、まあ簡単に言ってしまえば前世と言われるものだ。……と、思う。自信がないのは、完璧に思い出したのではなく断片的な映像と思想、それにとある漫画の内容だったからだ。

 あの時(覚えてないけど)何で“ややこしい”なんて言葉を言えたのか分からないけど(多分前世の私が一瞬だけ浮上して今の状況を把握して思わず呟いた、とかかな?)、当時の私は4歳。知能も4歳。当然何だろうと思いつつも良く意味が分からなかった。テレビでこんなの見たのかな?と思う程度だった。

 でも何故かこのことは誰にも言ってはダメ、と自分の中でブレーキが掛かり、もやもやとしつつも誰にも言うことはなかった。

 忘れられれば良かったのだけれど、ふとした時に夢で映像が流れるため忘れられず、“ああ、これは所謂前世ってやつ?”と理解する頃には結構な月日が経っていた。具体的に言うと中3の受験が終わったあたり。……決して“厨なんちゃら”ってやつではない。違うったら違う。

 まあ前世云々は『ふーん……』で結局流してしまったけれども。小出しの上に長い付き合いだしね。

 それにそんなことよりも“ややこしい”って意味をやっと理解できたからね。これから私に降り掛かる出来事を表す的確な言葉すぎて前世の私の人生ごときで慌てる余裕なかったわ!


 前世よりも今世の人生が大事だからなっ!



*****



 実は私には前世の記憶があるの!

 と言っても思い出したのは高校の入学式の日。桜が舞い散る中でとある男の人を見掛けた途端に私の頭の中で色んな記憶が駆け巡ったの。余りの情報量に頭が痛くなったけど、どうやらこの高校は前世で大好きだった乙女ゲーの舞台だと言うことが分かった。

 そして私のポジションは名前すら出てこないモブらしい。

 それが分かった瞬間、私は心の中でガッツポーズをしたわ! だって最高じゃない! 直接関わるのは面倒だけど、私は完璧モブだから常に傍観者の位置で大好きな乙女ゲーを間近に観られるのよ! アレやコレのイケメンをリアルタイムで観られるのよ!? ……なんて素敵なのかしらっ!

 気付かれないようにするのは大変だと思うけど、これから楽しい学校生活になりそうね!


 ――――と、思っていたのに。アレレ? なんで先輩は私に笑顔を向けるの? 後輩はなんで私に抱き着くの? え、ちょっ! 先生それはセクハラですよ!?

 ……どーなってんの!? 私はモブでヒロインじゃなーーーい! 誰か助けて、私を傍観者に戻してーーー!!



*****



 ――――……はいっ。以上が先日完全に思い出した漫画の内容です。

 はっはっはっはー。もうこの時点で笑っちゃうね。今世で思い出すくらいだから相当大好きだったと思うんだけどねー。今の私にはベッタベタ過ぎてギャグとしか思えないわー。ベタ大好きだけど!

 でだ。まどろっこしいのは嫌いだからズバッと言っちゃいますと、この転生モブなヒロイン(笑)さん、略してモブヒロ(笑)、実は私のことです。

 モブヒロ(笑)の名前は“鈴木ここな”。私の名前も“鈴木ここな”。

 んで、舞台は“私立星陵学園”。私が今度行く高校も……“私立星陵学園”……。

 あっはー、やっだー、ふっしぎー☆

 ……よし、念のため解りやすく整理してみようか!

 

 名もないモブ(←乙女ゲー)に転生したヒロイン(←漫画)に転生した私(←現在)


 ……って、解りやすくしてもややこしいから! 意味わからんわ! 何がどーなってんだ!?

 おいいいい! 何でわざわざ受験したんだよ私いいい! あー知らなかったからだよ名前まで思い出してなかったからだよ兄貴と従兄が『来い』って言うから“拘りないしいっかー”なんて思ったからだよ“家から近いし、何より学食美味しそうだし!”って思ったから受験したんだよ、アホゥ!!!

 つーか今度行くじゃなくて登校は明日からだよ!! 思い出してから時間経つの早いよ!!

 もおおお逃げ場がないいいいい!!!

 私は三次元には興味ないから攻略者とかどーでもいいよ! 恋愛なら二次元で十分間に合ってるし! 悲しいヤツ☆、ってうるさいよ! ほっとけ!

 あーこれだと完璧に無視、ノータッチだったら逃げられるのか、モブヒロ(笑)だって逃げてたのに結局は捕まるんだよ考えるだけムダムダァ☆、みたいなことになるのか分かんないし! でもモブヒロ(笑)と私じゃあ性格違うし、ここは現実の世界だから関係ないのかも!?とか! あ! そう言えば物語は二年生からじゃん!

 って、ああもう、自分が何言ってるのか分からない……。



 ――取り敢えず、寝よう……。全ては明日から、だぁー…………ぐぅ。


つづく、といいね。←


※続き書きました!よかったらどうぞー。

また一人で叫んでるだけの内容ですが(笑)

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