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Storia di molti  作者:
序章
2/4

1

記念すべき一番手は有名なこの童話から。


ずしり。

全身が重くなり、目を開ける。

私は大きな木にもたれかかって、ひざに本を置いていた。

ふふふ、とひかえめな笑い声が聞こえてそこを見ると、隣には、とても美人な女性が本を片手に優しく笑っていたのだ。


「…だれ?」


声を聞いてから深い霧がかかった脳内はずっと変わらず。

まるで脳を使うことを拒んでいるかのように。

なにか考えようとしても、それは水に溶けるようにゆらりと消える。



私の問いに彼女は優しく笑ったまま、私の頭をゆっくりとなでた。



「アリス、ここで寝ていたら、風邪をひいてしまいますよ。」


「…ありす?」


私の名前、だろうか。

そういえば、私は自分の名前を覚えていない。

忘れた、というよりも、最初からなかったかのような感じだ。

彼女は悪い人には決して見えなかった。

私は何の疑いもなく、彼女を受け入れたのだ。


「ありす、私の、名前?」


「あら、まだ寝ているの?本当に、お寝坊さんね。」


口元に手を当てて、静かに笑う彼女はとても綺麗で、儚かった。




誤字、脱字等、教えていただければ、嬉しいです。

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