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この作品は「カノン~その約束は果たされない~」のシリーズとして書かせてもらいます。
世界観、設定などはすべて前作と同じです。
この話単体でも分かるような作品にしたいですが、設定や前作の登場人物などは詳しく書かきません。
ですのでよろしければ「その約束は果たされない」を軽くでも読んでいただければなと思います。
前作はそんなに長い話ではなく、話自体も一応完結を迎えてますので目を通していただければ幸いです。
では、よろしくお願いします。
陽の光さえも届かない砂嵐の中、永遠とも思える砂漠を突き進む影が3つ。
風により足跡はすぐにかき消され、前も後ろも分かったものではないだろう。
彼らはみな揃いのローブを風にはためかせ、目深にフードをかぶっているので顔
は伺えない。
そんな中、先頭を歩いていた男が立ち止まる。
そしてかぶっていたフードを脱ぎ、来た方角であろう場所を遠く眺めた。
「どうしたしっしょ」
「……いいや何でもない」
そう言いつつも男の双眸は獲物を見つけた獣のように爛々と輝き、口にはわずかに笑みを浮かべている。
「何をにやけているの、気持ち悪い」
男の後ろを歩いていた二人も彼に習うように、同じ方向を見やる。
しかしそこには何もない、ただひたすらに砂の海と、砂の空が広がっているだけだ。
「先に行っててくれ、用事が出来た」
先頭の男は二人の肩に手を乗せるとそう告げた。
「何言ってんだしっしょ」
「この砂嵐で頭がおかしくなったのかしら?」
二人は先頭の男を引きとめようとするが、男は聞こえていないと言うように来た道を戻り始めた。
「大丈夫、すぐ追いつく」
男は振り返ることなく手をひらひらと振り、やがて砂嵐の中に消え去っていった。
「こんなことならちびっこも連れてくるんだったぜ」
「仕方ないわ、私たちだけで先へ進みましょう」
残された二人は再び前へと歩みを進めた。
男はしばらく歩くと砂嵐の闇よりも暗い炎を身にまとう。
そして嵐さえも切り裂く疾風となり砂漠を駆けて行った。
男は最後に呟く。
「蕾が、開くかもしれない」
誤字脱字等ありましたら教えていただけると嬉しいです。
よろしくお願いします。




