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魔法大国の花嫁様!?  作者: ルナ
生神となる少女
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第二十六話 ~取り戻した日常とプロポーズ~

 相沢美冬はいつもの日常に戻ることができた。

残念ながら、旅行は途中で終わりになり、

城に戻らなくてはならなかったけれど。

「「「ミフユさま!!」」」」

 一番真っ先に美冬を出迎えたのはメイド達だった。

心配していたのだろう、その顔には涙の痕がある。

「皆、心配をかけてしまってごめんね」

 美冬はメイド達に抱きしめられながら謝罪した。

テレーズもマリオンもオリヴィアも泣きながら

いいんですと返した。

 その後は、早速お世話しますと意気込んで

来られたのでちょっと美冬は困り顔になったという。

 美冬はいい香りのするお風呂に入らされた後、

白いフリルやレースのたっぷりついたドレスを着せられた。

 ついでに髪も後ろで編み込んでドレスと同じ色の

リボンが結えられている。

「うわあ、ミフユかわいい……!!」

 カインに褒められた美冬は、思わず頬を

真っ赤に染めてしまった――。


 その後、美冬はアクアやルーやシーレーンや

フィレンカと一緒に鬼ごっこをして遊んだ。

 いつもの日常が戻ってきたみたいで、

彼女はとても嬉しかった。

「アクア、捕まえたわ!!」

「何よ!! ミフユのくせに!!

 待ちなさいよルー!!」

「やーだよー。アクアなんかに捕まるかよ!!

 あ、シー飛ぶの禁止だぞ!!」

「ごめんね~」

「ルーを捕まえると見せかけて、捕まえたわフィレンカ!!」

「ずるいっ!! フェイントをかけるなんて!!」

 ぎゃんぎゃん言い合いながら楽しく遊ぶ五人。

メイド三人はそれをほほえましく見ていたが、一人仲間に入れない

カインだけはちょっとうらめしそうにそれを見ていた。

 美冬達はくたくたになるまで遊んだという――。


 美冬が自室に戻ると、オリヴィア達が美冬の大好きな

お菓子を山盛りお皿に用意してくれていた。

 〝クルリア〝と〝ルーナエル〝、

そして以前出してくれたコルネルの花の香りのする

紅茶である。美冬は笑顔で〝クルリア〝を平らげ、

チョコレートケーキに似た〝ルーナエル〝を食べながら

ちょっと苦笑していた。

「ちょっとふとってしまうかもしれないわね。

こんなに食べていたら……」

「何言ってるんですか、ミフユさまはもう少し

ふとったほうがいいですよ!!

 ただでさえ、旅行に行ってから前より痩せたんですから!!」

 テレーズは採寸しなおした際に、美冬が以前より

かなり痩せていることに気づいて憤慨したのだろう。

 もう少しふとらせなくては駄目だと思ったのか、

さらに二、三切れも〝ルーナエル〝を進め、

美冬をさらに困らせたのだった。

 おやつの時間が終わった後、ノックの音が聞こえたので

オリヴィアが美冬の了承を得て扉を開けた。

 そこに立っていたのは、ミステルだった。

「ミフユ様!! ご無事でよかったです!!」

 いきなり美冬は抱きしめられた。

かなり心配していたのだろう、しばらく

ミステルは美冬を抱きしめたままだった。

「……カイン様がお呼びですよ」

 安心したように微笑んだ後、美冬を離した

ミステルはその事実を告げた――。


 カインは自分の部屋にいた。

美冬はカインの部屋に入るのは初めてなので、

ちょっとドキドキしながら入室した。

 部屋は上等な家具や調度に囲まれた上品な

造りの内装になっていた。

「カイン、どうしたの?」

 カインはただ黙って自分が座っているのと

反対の椅子を指で示した。

 美冬も椅子に座り、二人は向かい合うような

恰好になる。しばらくカインは口を開かなかった。

 ただ見つめ合う、時間だけが過ぎて行く。

「あの、カイン?」

 しびれを切らした美冬が、口を開いた時だった。

カインはいきなり美冬の手を取った。

「ミフユ……」

「か、カイン……!?」

「僕と、結婚してください!!」

 一瞬、美冬は何を言われているのか理解できなかった。

しばらくしてプロポーズされたのだと気づき、

その顔を耳まで真っ赤に染める。

「えっ!? ええええええっ!?」

「いきなりでごめんね。だって、ミフユってすぐどっか

言っちゃうんだもん。僕から逃げちゃうし、やっと

想いが通じ合ったと思ったら攫われちゃうし、

つなぎとめておきたかったんだよ」

 いつのまにか、美冬の指には真っ白い宝石がきらめく

銀の指輪がはめられていた。しかも左の薬指だ。

 魔法を使ってはめたのだろう。

「わ、私まだ返事してないわよカイン……!!」

「だって返事はもちろん〝はい〝でしょう?」

 見透かされていた気がして美冬はさらに真っ赤になった。

ちょっと反抗してみたい気もしたけれど、

何の得にもならないのでやめる。

「はい。あなたと結婚、します」

「ようやく、君を僕の本当の花嫁にできるんだね……」

 カインの瞳が熱っぽくきらめいた。

美冬は温かい気持ちになりながら彼の手を取る。

「早速明日結婚しようか」

「あ、明日!? ちょっと急すぎるんじゃ……」

「思い立ったら吉日って言うでしょ?

 明日やろうね。結婚式!!」

「ええええええええっ!?」

 こうして美冬は、カインのプロポーズを

受け入れ結婚することになったのだった――。

ようやく美冬がいつもの日常を

取り戻しました。皆と仲良く遊んだり、

メイド達に給仕してもらってお菓子を

食べたりして楽しみます。

 そして、ついにカインが美冬に

プロポーズしました。

 魔法大国の花嫁様!?は次回で

終了します。でも、時間があったら

また後日談とか短編とかを

投稿したいので、もしよかったら

そちらも見てやってください。

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