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この連載作品は未完結のまま約2ヶ月以上の間、更新されていません。

Karmafloria(カルマフロリア)

作者:十六夜 優
祈りの名を、運命に

この世界には、魔法がある。
それは水を沸かすための小さな火であり、重い荷物を運ぶ風でもある。
誰もが生まれつき魔力を持ち、使いこなす力を授かる──はずだった。

少年の名は、シア。
銀の髪に、赤い瞳。
優しい顔立ちと、穏やかな声。
どこにでもいる、普通の少年。
ただひとつ、致命的な“異常”を除いては。

彼には──「戦う力」がなかった。

騎士を志し、強くなることを夢見た彼に与えられたのは、火を灯す、皿を洗う、風を通す。
そんな“生活魔法”だけだった。

「向いてないって、わかってる。でも、僕は……」

それでも、諦めきれず、彼は森へ向かった。
誰もいない、静かな場所で。
誰にも知られず、ただひたすらに剣を振るい、魔法を放ち、自らの限界を問い続けた。

そして、魔力が尽き、意識が遠のいたとき──

彼は、見たのだ。
夜の闇より黒く、ステンドグラスのように妖しく輝く蝶を。
それがふわりと彼の胸に降りたとき、彼の中に“何か”が流れ込んだ。

痛みはなかった。
夢のような心地。
まるで、母の腕の中にいるような、温かく、優しい……いや。

──何かがおかしい。

蝶は、何も語らない。
ただ静かに、シアの中で羽を閉じた。

そして物語は、静かに動き出す。

それは少年が「全ての属性を使える」存在に目覚める前。
それは少女が「乗っ取られようとしている」ことも知らない日々。
それは二人が出会い、戦い、そして選ばれるための──

始まりの祈り。


たったひとつの願いが、運命の扉を開けた。

そしてその代償に、世界は静かに、崩れはじめる。
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