第九話抵抗
表現力がないためわかりにくい擬音語がが今回もこの先も多発します。ストレスに感じる方は読まずここで引き返すことをお勧めします。また、いい擬音表現がありましたら教えていただけると嬉しいです。
叫び声が聞こえたあたりから人が出てきた。男性のようだ。
腰には剣を携えている。至って普通の剣に見えるが剣は少し湿っている。
何かが塗ってあるかのように。
「貴様今何をした?今家が飛んできた。お前は弓なんて持っていなかっただろう。」
驚愕といった表情で草むらから出てきた男が僕に聞いた。
その男の周りの草むらからゾロゾロと人が出てきた。女もいれば男もいる。
しかし女も男も綺麗な格好はしていない。小汚い服装をしている。
ほとんどの人が腰に剣を携え弓を構えている。
その照準の先にいるのは、ホークとサーリスだ。
2人とも弓を構えられるのが初めてなのかあの天真爛漫なサーリスでさえビクビクと怯えている。
あっという間に僕は周りを囲まれた。
ズカズカと真ん中から一際大きな大男が出てきた。
男はみんな筋肉質の身体をしていたが、その中でも一線を画すような巨体の持ち主だった。
「お前は多少強いようだがこちらに2人の人質がいるぞ。
さぁ抵抗なんてせずにさっさと捕まるんだな。
うちの子分が怪我しちまってよ。その責任をお前は払わなければならないわけだ。」
自分の要求だけを突きつけてくるただの身勝手な野郎だ。
目は僕のことを獲物だとしか思っていない。今僕のことを見て舌なめずりしやがった。
気持ち悪い。
あの筋肉質の男は人質と言っているが2人とも単なる人間ではない吸血鬼なので
そんな心配はいらないだろう。そのことに気づいている様子は見られない。
「ホーク、サーリス。今の君たちなら矢を避けれるよ。頑張って避けてね。」
我ながら無責任な言葉をかけた。でもそんなに長く・・・
「なんですぐに動かないんだ?お前らは責任を取らなければいけないと言っただろう。
今から3秒以内に両手を上げて頭を下げるんだな。寛大思え。
3、2、1、0武力行使はしたくはなかったが、こうなってしまったら仕方がない。
総員。矢を放てぇー!」
と力強く大男が大声量で言った。矢という単語が言われとたんに打ったのだろう。
全ての矢は僕を含めた3人の方向に向かっている。方向にブレはない。
ホークの目には怯えが見えてはいるが、覚悟の決まった男の足だ。
サーリスはあまりにも突然の出来事で足が震えて動けていない。生まれたばかりの子鹿のように。
吸血鬼になっているため大事には至らないと思い僕は動かなかったが、
ホークは動いた。愛する妻を守るために自分の身を挺してでも。
その光景が目に入ったとき、体が咄嗟に動いてしまった。
ボトッ
ボトボトボトボトボトボト
矢が僕に当たって落ちる何十本と言う矢が当たっても僕の体には傷ひとつない。
「ホーク。昨夜サーリスになんて言われたか覚えていないの?
まぁいいや君たちの身体能力は以前の何倍もあるんだから、
わざわざ身を挺して守らなくてもサーリスを連れてよければ良かったのに。
もしかしてお嫁さんをお姫様抱っこするのが怖かったり。」
最後は少しおちょくるように言った。
「そんなことがあるわけないだろ。
私とサーリスの仲は誰よりも深いさ。」
顔を赤くしながら言った。サーリスの顔は見えなかったが、
少し湯気が登っていた気がしたのは気のせいだろうか。
「じゃあサーリスをお姫様抱っこして攻撃を避け続けるくらいできるよね。」
僕はホークに言った。
「ああ。もちろんだとも。サーリスには傷一つ付けさせない。
サーリスしっかり捕まってね。」
少し頬を赤らめながらもサーリスを見てホーク入った。
「はい!」
サーリスを震えながらも、元気に言葉を返す。
サーリスをお姫様抱っこしたホークめがけて数多の矢や魔法が飛んでくる。
それをホークは軽い身のこなしで避けていく。
「前までより幾分介護きやすいな。これなら矢や魔法がいくら飛んできたって平気だ。」
とホークが言うので
「じゃあ僕はこのまま家に帰っていい?」
と僕は言った。
「いいわけないだろ。命の恩人にこう言うのはなんだが、避けることはできても攻撃することはできないんだ。」
「仕方ないなぁ。敵は僕がなんとかするよ。
『状態異常魔法』ネムリー。」
僕は恥ずかしかったが魔法を詠唱する。
この魔法をくらった相手は睡眠状態になるというそのままの魔法だ。
それに状態異常の魔法は実力差にもよるが聞きにくい場合が多い。
だから、基本使われないのだが、僕なら話は別だ。
必ずと言って良いほどの成功確率を誇るこの魔法で時間を稼ぐ。
「よし全員寝たね。」
僕が詠唱するまでの短い間だったがホークはちゃんとサーリスを抱えながらも、
敵の攻撃を避け続けてくれた。
「ホーク一旦終わったよ。これからどうするの?
僕気づいたらここにいてどこに行けばいいかわからないから。
できれば連れて行ってほしいな。」
僕はここがどこなのかわからない
「ああ、もちろんだ。命を助けてもらったんだからそれくらいしないとな。」
ホークはすぐに了承してくれた。
サーリスも大丈夫そうだ。
「ああ、リヴさん案内するのは構わないんだが、
うちの使用人たちを助けてはくれないか?」
とホークが助けの声を上げる。
「ホーク。それは傲慢よ。私たちが助けられたばかりなのにそれ以上の助けを求めるなんて。」
サーリスが気持ちはわかるがと言った表情でホークに言った。
「対価によってはって感じかな。僕もタダ働きをするような善人じゃないからね。」
僕は全く想定していなかった質問に少し驚きつつも返した。
「私のもっている伯爵位を…と思ったが皇帝が何処の馬の骨ともわからない連中を許してはくれないだろうな。
じゃあ私と養子縁組をしないか?これ以上の対価を出すことはできないが、
これで勘弁してくれないだろうか。」
趣味の一環としてと国語力アップのために書き始めました。誤字脱字などは指摘していただければ修正します。また、日本語が間違っていたりする場合も指摘していただければ修正するつもりです。物語文を書くのはこれが初めてなのでどうかご容赦願いたいです。
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