第七話タイムトラベル
やっと展開が進む〜
シトシトと降る雨の音で僕は目を覚ました
可愛げなくすぐに状況を飲み込む
が、全ては飲み込めない。ここはどこだ?なぜ僕はここにいる?
数え切れないほどの疑問が僕の脳裏をよぎる。
生まれて初めて感じる孤独感。
前世ではこんな思いをしたことがなかったなぁと想起する。
降っていた雨はさらに強くなっていく。
また、僕の視界は暗闇に閉ざされた。
目を開けると、そこは檻の中だった。
そこには今にも息絶えそうな人間と思わしき影がいくつかあった。
身につけている服は元々は息を飲むほど綺麗だったのだろう。
一人一人の服から職人が丹精を込めて作ったことが感じられた。
僕が起きたことに気づいても誰も声をかけたりしない。
声をかける労力が無駄だと思っているからだ。
その目には生気などひとかけらも宿ってなどはいなかった。
「おう。目が覚めたか。」
檻の外に筋肉質の男が1人立っていた。
「ここから出してください。」
隣にいた男性が声を上げた。
「そんなことをするわけがねぇだろうが。」
あり得ないといった表情で男は答える。
無駄だと悟ったのか隣の男性はまた無気力に項垂れる。
「わざわざ俺が食料を持ってきてやったんだ。光栄に思え。」
僕は命令されることが嫌いだ。いや、見ず知らずの状況もわからないままに命令されることが嫌いだ。
この筋肉質の男が僕に命令をした途端僕の思考が冷静になった。
とりあえず男から食糧とは言えないようなものを受け取る。
口に含んだ途端全身を駆け巡るような吐き気におそわれたが、
気にせず飲み込む。勿体無いと思ったからだ。
「ははっお前ばっかじゃねーの。」
と男が僕が食事を飲んだ途端に笑いだした。
「なんの警戒もせずに飲んじまったようだが、
その中には食べたら毒になるキノコが入っていた。
こいつらがこんなにグッタリとしているのはこのキノコのせいだぜ。」
とニタニタと気持ち悪い笑みを浮かべながらきのこを指差しながら言った。
「ご親切にどうも。」
と軽く嫌味を含ませながら言うが、
そのままゲラゲラと笑いながら男は去っていった。
周りに誰もいないことを確認して僕は隣の男性に声をかける。
「あなたは生きたいですか?人間じゃなくなってしまったも。」
と男性の目を虚な目を見つめながら問いかける。
男性の目には一瞬生気が戻ったが人間じゃなくなってもという言葉が聞こえると同時に
元の虚な目に戻ってしまった。
気にせずもう1人いる女性の方へ同じ質問をした。
♪⭐︎♯w*・゜゜・*:.。..。.:*・翌日・*:.。. .。.:*・゜゜・*w♯⭐︎♪
憂鬱な気持ちが体を締め付けながら翌朝を迎えた。
「どうか昨日のことを許してくれ。」
僕が目覚めると開口一番にそんなことを言ってきた。
あまりにも都合の良すぎる思考回路で少し苛立った。
「昨日のことってなんですか?」
だからおちょくるように僕は言う。
「昨日君が俺にまだ生きたいか?と質問にしてきたことだ。
あの時は人間じゃなくなってもと言う言葉に気持ちを落として、無視してしまったが、
昨夜、、、
〜昨夜〜
「あなた。なんであの娘の勧誘を断ったのよ。」
と元気のない声で女性は男性にいう。
「私たちは貴族だ。人間でなくなってしまったら、
領民たちに不満が募る。そんなものになってまで、私は生きたいと思えない。
もし、君があの娘の勧誘を受け入れ、生きながらえたいと言うのなら、
好きにするといい。ただ私は領民を大事にしたい。」
そっけなく男性は答える。
「あなたは貴族である前に、まず1人の人間です。
あなたはこれまで領民に尽くしてきました。
それに多くの領民があなたのことを信じてくれていることでしょう。
そんな中あなたが死んでしまったと領民たちの耳に届いたら、
もし自分たちのために死んでしまっととわかっても、
多くの人が悲しむでしょう。それに、私はまだあなたと一緒に生きていたいです。」
少し顔を赤くしながら女性は言った。
「この私を信じてくれている領民などいるものか。
領民たちの収めた税を無駄に使いたくないとケチった罰だ。
ああ、せめてもっと領民のために使いたかったなぁ。
俺の人生もここまでか。」
女性の説得も虚しく男性はまだ意思を変えない。
「今もこうやって領民のために考えているじゃないですか。
そんなあなたを信じない領民がどこにいると言うのですか!?
そんな領民がいたら私は領内に住まわせませんよ。
それに区長が元に戻っていますよ。さぁ生きましょうよ。」
無邪気な笑顔で自分の思いを男性に伝える女性。
「ああ。俺を誰か信じてくれているといいな。
あとちょっと生きてみるか。あの娘は許してくれるかな。」
と希望が灯った目で呟く男性に
「まぁ私は信じていますし、
私以上に領民たちはあなたを信じてくれていますよ。
それにあの娘も許してくれるでしょう。」
〜今日〜
んなことがあって。生きる理由ができた。
図々しいのは重々承知しているが、俺たちを生かさせてくれないか?」
「は?勝手にのたれ死ねよって言いたい気持ちは
山々だけどそこの女性にさ、昨日の夜頼み込まれたんだよね。
お前みたいな自殺願望クズ野郎と違ってこの先を見据えて生きていこうと思っている人の頼みをを断ることなんてできないよ。」
しょうがないなと言ったトーンで僕は言う。
「俺の扱いひどくないか?」
と惨めな声をあげるが、
「全くひどくないし、もっと自分の発言に気持ちを込めようよ。勘違いされるよ。
それと、いい妻を持っているね。」
最後の言葉は聞こえないように呟いた。
趣味の一環としてと国語力アップのために書き始めました。誤字脱字などは指摘していただければ修正します。また、日本語が間違っていたりする場合も指摘していただければ修正するつもりです。物語文を書くのはこれが初めてなのでどうかご容赦願いたいです。
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