第三話TS転生
幾分か経ち、ユーリが竜種の創造を終わらせたようだ。
「いいかい、君は僕に創造され、今から私が作る世界で管理者として働いてもらう。」
ユーリに創造された竜種は緑髪が綺麗な美男子でまだ幼さが残るような顔だちをしていた。
ユーリが寿命なども僕のいた世界にあったラノベと同じくらいと言っていたけど、
“種族の始まり“だから他の竜種とは別で、寿命は無限なのだろうか?
そうじゃないとユーリが言うように、創造した世界を任せることはできないと思えるな。
「察しがいいね。そうだよ。始祖たちには悠久の寿命が約束されているようなものだよ。」
ユーリが僕の思考を読んだのか、僕の疑問に答えてくれた。
「ってそれってつまり僕も一生ここで生きなきゃいけないってこと!?」
と思わず思ったことを口に出していってしまった。
ユーリも驚いている。
ユーリが驚いているところを見れて少し嬉しく思ったが、
自分がもう死ぬことができないのかと考えると急に怖くなってきた。
「それについては何も言えないかな。」
とユーリは僕の言葉を全く否定しなかった。
それが急に怖くなった。
僕はここで一生生きなければいけないのだろうか。
いやユーリなら僕を殺すことができるはず。
「私もね君を殺すことは上司によって禁じられているんだ。」
とユーリが思考を読んで僕の疑問に答えてくれたが、
その答えは全く安心できるものではなかった。
豊はどうしたらいいと思考を巡らした。
豊の今の状況は一言で言うと非常に悪い。
普通永遠の命というものは喜ぶべきものなのだろうが、
誰でもいつか永久の時を生きているうちに生きることが飽きてくるはずだ。
そんな現状に豊は大きな不安を感じていた。
「さて次の種族を作るとしよう。次はエルフ種だ。」
といい竜種を創造した時に多少コツを掴んだのか、竜種を創ったときよりも素早く創ることが出来ていた。
ユーリに創造されたエルフ種は白髪で翡翠色の眼を持った女性だった。
竜種の少年のような幼さはなく、どこか大人びたと感じるような雰囲気を纏っていた。
スーアで読んだラノベに書いているように耳はとんがっていて“theエルフ“という容姿をしていた。
そして先ほど竜種を創造したときと同じことをエルフ種の女性に言っていた。
「エルフ種も完成したことだし、次はドワーフ種を創ることにしますかね。」
ユーリはそう言ってドワーフ種を創ったが、
竜種を創るのにかかった時間が一時間でエルフ種を創るのにかかったのが十分だとするのなら
ドワーフ種を創るのにかかった時間はわずか一分ほどだろう。
生物を創造したことなどないからどれほど時間がかかることなのかわからないが、
すごく早いのではないのだろうか。
と思っていたときユーリが、、、
「そんなことないよ。私なんかよりも上司は素早く創造することができると思うね。」
とわざわざ僕の思考の中の疑問に答えてくれた。
そして、竜種やエルフ種に言っていた決まった一言を言って次の種の創造を始めた。
ちなみにドワーフの男性は身長低めの筋肉質で茶髪イケオジだった。
「次は、悪魔種にしようか。
少しずつコツも掴んできて創るのにかかる時間も少なくなってきたからこのままささっと創っちゃいましょうかね。」
と言って次は十秒ほどで創造を終わらせた。
悪魔種の男性は黒曜石よりも黒いような髪と
日曜日が終わって次の日から仕事だということに絶望しているサラリーマンくらいの暗さの黒い目を持っていた。
顔はきれいな上に身長は高く、髪は長めだった。いわゆるイケメンであり、
少し嫉妬したがそれぐらい仕方ないと思ってしまうくらいにはきれいな顔立ちをしていた。
ユーリは決まった一言を悪魔種の男性にも言い次に種の創造を始めた。
「最後に人種。」
とユーリが言い終わる時には創造が終わっていた。
金髪、黒目の美男子でまるでデーモンとついになるかのような容姿をしていた。
「ふー創造をし終わったから疲れたな。」
と神なのか?と疑問に思うほど間抜けな声を漏らしたユーリに対し、
「ユーリ様彼の者はなぜこの場にいるのですか?」
とエルフの女性が(おそらく)僕に対しての質問をユーリにしていた。
「あーそうだった。豊だったけ。君にはさっき言ったけど吸血鬼になってもらうから。
ということででも創造をしたことがあっても種族転換。」
とユーリが言った途端に身体が急に熱くなった。
ここまでテンプレ通りとなると少し心配にもなるが、
あくまでもこの世界は僕の記憶の中にあるテンプレートを参考に創られているから仕方がない。
どれほどの時間が過ぎただろうか、
無事種族変換とやらは成功したのだろうか?
「やっと起きたね。」
とユーリが声をかけてきた。
続けて。
「君が寝ていた間に創造した者たちの名前は決めたよ。」
と唐突に言ってきたがなんとか意味は理解した。
「竜種の子がウェッサーウ
エルフ種の子がリーズ
ドワーフ種の子マーティリア
悪魔種の子がナハト
人種の子がメターグ
そして君はリヴだよ。気づいてないから言っておくけど私が生命変換をミスしちゃったから
君は女の子になっちゃったけど、許してね。新しい名前をあげるよ。
あっ生命変換したら基本戻せないから。」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
少しこんがらがりますが、
竜種の始祖は龍です。
うまく本文でこの設定に繋げることが難しいのでこの場で設定として書いておきます。
この先は竜種の始祖は龍であるという設定をここで書いたので、
龍として扱います。ご了承ください。