外面しか見ない大人
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
なんでも許せる方向けです。
女児向けアニメを見る成人を蔑むのも、人の贈り物にケチを付けるのも、行き着く先は同じだと思うんですよ。
SNSの荒れたコメントを見て、心が疲弊して、自分自身の我儘に気が付いたとき、ふと、星の王子さまが読みたくなる。読んでいると、自分に対する皮肉をひしひしと感じて、日頃の行いを反省しようと思うから。
大切なものは心で見ないと分からない。なんてあの本には書いてあったけど、私はそうじゃなくて、目でしっかりと見ないと分からない物だと思っている。些細な事でも目に焼き付けて、頭で考えないと、見える物も見えない。
本の森の片隅で静かに頁を捲っていると、一人の女性が声を掛けてきた。彼女は興味深そうに私の指を熱心に見詰めている。
「何を読んでいるの?」
「星の王子さま」
そういうと、彼女は瞳を輝かせて私の隣に腰を掛けた。
「懐かしい。私も昔読んでいた」
私はそれを見て、ただ静かに笑った。この子、子供の様な感性をしているな。
つい最近、SNSで見掛けた文言。
――社会人の俺が、中学生の時に挫折した小説を電車で読むのは恥ずかしいよね。
その言葉を見た時に、全身の血が沸騰するかと思った。
そんな事はない。全然ない。いい物は、幾つになって読んでもいい物だ。それを『中学生向けだから』とか『年相応じゃない』という言葉で片付ける輩の方が余っ程恥ずかしいと。
でもそうやって外面しか見ない大人もそれなりに多いのだ。女児向けアニメを見る大人を、蔑みの目で見るように。
別にこれは人の好みによるものじゃない。誰かに贈り物をした時に、貰った人がケチを付けるのと同じ話。その人がどんな思いで探して、選んだのか知らないで、ただ物だけを見て判断するのと似ている。
外面しか見ない大人が、この世界には多すぎる。
「忘れないでね。その心を。その感性を、私は貴方のその純粋な心をとても大切にしたいと思っているよ」
人の事を言えないから、読んでいるんです。
同じ穴の狢でしかないと、そうした意味での冒頭文。
その人がどんな思いで選んで渡したかも考えないで、物だけ見て判断する。
凄い功績をお持ちなのに、外見だけで判断する。
そうした事象がやはり多い。
でも本能的だし、手っ取り早いんです。
明らかにヤバい物に寄らない、近付かない、無視をする。という鉄則と一緒です。
私も人の事は言えません。
だからこそ、初めて話す人の第一印象は、第二印象よりも遥かに気を使います。
見掛けも、言葉使いも、贈り物も全て。
でも中身だけで勝負しようとしてないから、そうなんです。姑息ですね。
だから星の王子さま読むと、グサッと来ます。
バラのツンデレに気付かないのと同じです。
中身に目を向けたら、ずっと傍に居たと思うんです。
バラの心に気が付く旅だと思うので。
本当に大切なものは、中身だよ。
外見はどうでも良いじゃないか。
というのがあの物語の肝だと思ってるので。