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ユメウツツー夢と現実の狭間のデスゲーム  作者: クソラノベ量産機
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一章 調査編

 倉庫には黒焦げになった高梨の死体が横たわり、死体発見アナウンスが流れた。


「では、皆さんには私の用意したタブレットを持ってくださいよ。」


 スレンダーマンは部屋に置いて来たタブレットを未所持の人に配っていく。


「ふふん、君達にはこれから高梨蒼汰を殺した犯人捜しをしてもらいまーす♪」


「犯人捜しとタブレットに何の関係があるんだよ!」


「タブレットを開けば分かりますよ、なんせ死体の死因を書いてますからね、それに特別サービスで他人の証言を記録出来ちゃいますよ♪」


 スレンダーマンの言葉に不快感を感じながらもタブレットに目を通すと高梨の死因が書かれていたが何か引っ掛ける要因だった。


「窒息死? 焼死じゃないのか?」


「阿呆ちゃうか、明らかに死因は焼死やろ。 間違うとるで怪異はん。」


「いえいえ間違いなどありませんよ、確かに窒息死です。 私からはこれ以上は何も言えませんね。 犯人と君達ほ対等でなくては私が面白くないのでね、では調査が終わり次第また呼びますので頑張ってくださーい♪」


 そう言ってスレンダーマンは姿を消したかと思えば消灯時間にも関わらず電気が点いた。


『そうそう、言い忘れてましたが暗闇では調査し辛いでしょうから灯りくらいはサービスしますよ。 ではさいなら。』


「やるしか、……ないのか……。」


「待て。」


 倉庫内へ入ろうとすると止められ、高峰が内部の写真を撮る。


「それは?」


「ポラロイドカメラだ、現場の写真をその場で現像し保存する為のな。 これは事件前に撮った写真だ。」


 高峰から事件前と事件後の写真を渡され、二つを見比べてみると事件前はデッキブラシが壁に立て掛けられ、倉庫の奥には金属製の棚、棚には何枚か大きな布と雑巾に金属製の箱が置かれており、角にはバケツが置いてある。


「まずは、三人一組で行動した方が良さそうだな。 犯人に証拠隠滅される可能性を考慮するとな。」


「確かにそうね。」


 高峰の提案により、俺は御定と高峰の三人一組となり、他もチームを組んで調査に乗りだす。


「まずは、高梨の死体から調べるか。」


 俺は焦げた臭いを我慢しながら高梨の死体へと近付いて状態を確認する。


「あれ? 何だ、死体が何かで縛られてる?」


「これは、ゴムホースのようだな。」


「ゴムホース?」


「死体と棚の足に括られ繋がれているだろ、棚の方は焦げてないようだが死体に繋がっているのは焼け焦げて煤ができてる。」


「本当だ、ん……」


「気付いたか?」


「ああ、何かがおかしい。」


「おかしいって何? 高梨を殺した犯人が逃げられない様に縛ったと考えて不思議じゃないんじゃない?」


「そうかな、逃げられなくしてるにも関わらず藻掻いた形跡が無いんだよ。 普通、気絶させられたとしても身体を焼かれてるなら熱さで目を覚ますと思うんだけど。」


 ゴムホースを調べると途中から燃えてはおらず綺麗な状態で死体には藻掻いた形跡が無くゴムホースで両腕を胴体ごと縛られている。


「成程な、やはり死因は窒息死で間違い無いようだな。」


「え、何でそう言いきれるのよ?」


「爪が剥がれている、これはおそらく首を締められた時に藻掻いた形跡だろう。」


「そんなとこまで見るのか、流石探偵だな。」


「だが、分からない事もある。 この死体の近くに置いてある箱とその上に乗っている焦げた物体は何だ?」


 死体の直ぐ横にはステンレス製の箱とその上には焦げた物体が幾つか乗っており、まるでそこから出火したかの様に黒く焦げていた。


「あ! この箱ってアレじゃない? 色彩さんが作った霧が出る箱!!」


「そうかも知れない、でも何で死体の横にあるんだ? ん、死体の下に何か有るぞ?」


「何それ布?」


「これって、オバケ衣装の布じゃないか?」


「オバケ衣装だと!?」


「高峰、何か分かったのか?」


「そうだな、この現場に落ちている物から推測して……いや今は止めておこう。 早まった推理で混乱させる訳にはいかないからな。」


 高峰には何か犯人の手掛かりでも見つけた様な反応を示すが、まだ分からない事があるようで話すのを保留にした。


「それにしても倉庫に色々落ちてるね。」


「そうだな、この木の棒とか何なのか……ん? 倉庫からデッキブラシが無くなってる?」


「デッキブラシか、ブラシの部分なら離れた場所に落ちているぞ。 おそらく木の棒の部分を使って引き戸を施錠したのだろうな。」


「それで、あの時開かなかったのか……」

(いや待てよ、てことは既に高梨はもう……)


「白井君、顔色悪いよ大丈夫?」


「ああ、大丈夫だ……」

(死体を調べるのは、これくらいでいいか。)


 俺は倉庫の周囲を見渡すと箱の近くに試験管が落ちている事に気付く。


「これって試験管か、何でこんな所に落ちてるんだ?」


「さあな俺もそれは気になったが、さっぱり分からん。」


「他には、懐中電灯が落ちてる? それも、箱の方をを向いてるな。」

(点きっぱなしだし、事件と何か関係があるのか?)


「そんな物よりも見ろ、この窓は事件前は閉まっていたが事件後には開いてるのが気にならないか。」


「この窓、上に開くみたいだな。 ん、旧校舎がの二階が見えるな……それに窓の大きさを考えると人が通るのは無理か。」


「それと、このバケツ油が入っていた形跡がある。 これを使って死体を燃やしたのかも知れないな。」


「こんな少量の油で?」


 御定は疑問の表情を浮かべるが、俺も高峰の言っている事に納得出来る要素があり頭でどのようにして出火させたのかは明白に理解していたが、まだ方法が全て分かった訳では無いので犯人に必要だった物を考える。


(この窓から旧校舎の二階が見えるって事ら犯人は昨日、暗闇を駆けて行った奴か?)


「ま、倉庫はこんなものだろう。」


 俺は次に蛇口を見ながら、ゴムホースが新しい方の校舎から持ち込まれたのかと考えながら校舎の階段を上がると壁際の角に試験管立てに五本の液体の入った試験管とステンレス製の箱を見つける。


「これは色彩の雰囲気作りの為の箱か、この液体は何だ?」


「白井か、よく来たのだ。 その試験管の中身はあたしの研究成果で液体を箱に注ぐ事で大気の思い煙を発生させられるのだ。 結局、使う事なく終わってしまったのだ。」


 試験管の中身が使われなくて落ち込む色彩は項垂れる。


「そういや、この場所って窓が無いんだな。」


「そうなのだ、だからあたしと御定にはアリバイが無くて困っているのだ。」


「そうか、他には調べるとこは無さそうだな。」


 次に旧校舎へと向かうと多目的室の廊下の先に駆けて行った人物が何処に言ってたのか足取りを辿ると個室のトイレへと着いてドアノブを触るとギトっとした油が手に付く。


「うわ気持ち悪!? 何だこれ油か?」


 気味悪がりながらもドアを開くが何も無く大した情報は得られなかった。


「何も無さそうだな、二階調べるか。」


 二階へと着くと新しい校舎と同様に階段を上った先の壁際の角にステンレス製の箱と近くには試験管立てには四本の液体の入った試験管が置かれていた。


「あれ? 一本足りないわ。」


「足りないって?」


「うん、色彩さんから煙が少なくなったら入れる様に言われててね。 その煙を足す液体の入った試験管が一本無くなってるのよ。」


(一本無くなってるのは、倉庫に有ったやつか?)


 俺と御定は不思議に思いつつ次に調理実習室の廊下まで来ると部屋と廊下側にも黒いカーテンで閉じられていた。


「やけに暗いと思ってたら廊下までカーテン張ってたのか。」


「お、白井はんやないか調査はどないや?」


「五条か、そっちはどうなんだ?」


「関係あるかは知らへんが、ほれカーテン開いてこの窓から見下ろせば倉庫が見えはるで。」


 五条に言われた通りカーテンを捲り窓から見下ろすと倉庫が見え、更には死体の横に置かれたステンレス製の箱が見える。


「なんでこっち側だけ倉庫が見えるんだ? ま、そこまで不思議な事じゃないが覚えておくか。」


 次に調理実習室へと入り冷蔵庫の近くに何やら食べ滓が落ちているのを発見する。


「チッ、あのブタ野郎……」


「菓子折ちゃん、今はおいたはダメヨ。」


「わーってるよ、だがこれで犯人は確定だな。」


「この食べ滓って、太巻だろうな。」


「うん、昨日物音がしたから何かと思ってたけど太巻君だったのね。」


「迷惑かけるブタだよ糞が!」


「ん、あれは……」


 俺は菓子折の足元に落ちているゴム紐を括り付けた定規を見る。


「あ、何だよこれか? 別に事件にゃ関係ねえだろ、ま調べたきゃ調べれば良いんじゃねえか。」


 定規を拾い上げると括り付けた筈の蒟蒻が無くなっている。


「なあ黒墨、これ最初からこんなだったか?」


「いや、確かに蒟蒻は付けた筈……あ!」


「おい黒墨ぃ、今なんつった? まさか食い物で遊んだんじゃあねえだろうなあ? あぁん!?」


「あはは、何時の間にか無くなってたみたいだね。」


「うーん、私が照らした時には無くなってたよ。 仕方ないから、そこらへんに放置したの。」


「放置って…………、後は皆のアリバイか。」


「アリバイなら私と色彩さん、後は高峰君と太巻君、菓子折さんとキャロットさんと紗々羅ちゃんにシャオパオさんには無いわね。」


「逆にアリバイが有るのは俺と汐留さん、八雲と東栄さんに楠木さんに黒墨か……」


 その時、ピンポンパンポーンとチャイムが鳴りスレンダーマンの声がスピーカーから鳴り響く。


『はーい調査を終了してくださーい、皆さんは校庭に集まってくださーい!』


 そう言うとチャイムが鳴り、全員校庭に集まった。


「おいスレンダーマン集まったぞ! 今度は何する気だ?」


「もう、そんなに睨まなくても良いじゃない。 今から議論場に案内するってのに。 ポチッとな。」


 スレンダーマンが懐からボタンの付いた装置を押すとグラウンドの中央が開き地響きを鳴らしながら四角いエレベーターが出現した。


「さ、どうぞ私は先に行ってるから早くしてくださいね。」


「どうするんだ?」


「行くしかないだろ、他に選択肢は無いんだ。」


「罠かもしれへんのに、まあええわ最後まで付きおうたるわ。」


 俺達はスレンダーマンに言われるがままエレベーターに乗り込み暫くするとエレベーターが降下し重苦しい雰囲気を皆感じているのか誰も喋らず、俺は心の中で高梨を殺した犯人がこの中に居ると確信していた。

次回の推理編では誰が喋っているのか解りやすくする為、名前を台詞の頭に付けます。

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