俺の秘められし能力
俺はサーラという新たな仲間と伝説の聖剣を手に王女の待つ城へと戻った
「お待たせいたしました王女、聖剣はこの通り手に入れてまいりました」
俺は腰に下げている聖剣エロガッパを見せつけるように王女に向けた
すると聖剣は再び光り始めたのだ、激しく点滅を繰り返し俺に何かを訴えかけている様である。
その現象に驚きを隠せずざわつきはじめる王女と重鎮達。まあ無理もないだろう
しかし俺にはわかっていた、このエロ聖剣が何が言いたいのかを……
「王女様、この聖剣は剣でありながら意志を持っているのです
その聖剣が王女に挨拶をしたいと訴えているのです、この激しい光の点滅はその意志の表れなのですよ」
俺の説明に再び驚く王女達。
「まあ聖剣が私に?そうですか、ならばルドラン王国の王女として正式にご挨拶しなければなりませんね
で勇者様、この聖剣の名前は何というのでしょうか?」
やはり来たかその質問が。この流れで教えないわけにはいかない
しかし王女の反応次第ではまた面倒臭い事になるかも……
しかし躊躇している暇はない、言わなければ言わないでまた面倒なことになる事は明白だからだ。
「この聖剣の名はエロガッパといいます」
それを聞いた王女はクスリと笑った。
「随分と面白い名前ですのね」
終わった、終わってしまった……だが王女を責めることはできない、これがごく普通の反応だからだ。
しかし名前を笑われた聖剣はさぞかしご立腹だろう
ここはまた俺の土下座でまた機嫌を回復して……あれ?聖剣が光らないぞ、怒っていないのか?
そんな俺の心配を尻目に王女は聖剣を手に取り優しく語り掛けた
「初めまして聖剣エロガッパ様、此度のご助力、この国の王女としてお礼申し上げます」
そんな王女の言葉に応える様に剣の赤い宝石部分だけ激しく点滅を繰り返した
どうやら聖剣様は大変ご満足いただけたようである。
このエロ剣は美人なら何を言ってもいいらしい、ある意味清々しいまでの忖度である。
すると王女は俺の後ろにいるサーラに気が付いた。
「そこにいる少女はどなたなのですか?」
自分の事を言われたサーラはガチガチに緊張している様子で頭を下げた。
「は、初めまして王女様。わた、私はサーラと申します
この度シンジ様と一緒に行動させていただくことになりました、よろしくお願いします」
深々と頭を下げるサーラに対し、ニコリと微笑む王女。
「頭を上げてください、そんなに恐縮しなくてもいいですよ
そうですか勇者様の仲間に……その、色々と気を付けてくださいね」
王女はチラリと俺の方に視線を向けた後、そうサーラに告げた
初対面であるサーラの身も案じているとは、さすがに優しい王女様だ
俺は自分の胸を軽く叩き〈お任せください〉というアピールをした
その時、王女が複雑な表情を浮かべたのはなぜだろう?
俺は早速魔犬の撃退の為に橋に向かおうとしたのだが、ふと王女に呼び止められた。
「お待ちください勇者様、一つお知らせしたい重大な事があるのです」
「何ですか一体、重大な事って?」
「実はこの世界には生まれ持った魔力の適正というモノがあります
我々は子供のころにそれを見極め、その素質に合った教育や就職というモノを推進しているのです
勇者様は異世界からお見えのお方なのでまだ適正や能力値がわからないはずですよね?
今ここで調べてみてはいかがでしょうか?」
おおおーーー来たよ、異世界名物第二弾【能力判定】‼︎
ここで俺は秘められた力を皆に見せつけ、そのあまりの素質と才能に皆が驚くというデフォルト展開
これで王女も俺の力に魅かれて……込み上げてくる笑いを抑えきれない、ムフフフフ
ニヤつく俺の姿を冷たい目で見ているサーラ。しかしそんな事には構っていられない
俺はワザと知らないフリをして王女に聞いてみた。
「何ですかその適正とか、能力値とか?私など大した者ではありませんから
調べたところで平凡な結果しか出ないと思うのですが」
これはもちろんフリである。このまま何も知らないフリをして調べた結果
〈こ、これは凄い、とんでもない能力値が出ました、魔力の数値が桁違いです‼〉
と皆が驚く中で〈何ですか?俺そんなに凄いんですか?〉とすっとぼけて切り返す
コレだよコレ‼︎これこそが異世界の醍醐味といっても過言じゃない
関西風にいうならば〈しらこい〉というやつか?
いかん、自然と笑いが込み上げて来てニヤケが止まらない
だ、ダメだ、まだ笑うな……こらえるんだ
俺が必死で笑いをこらえている時、王女の後ろから白い高級そうなローブを羽織った老人が出てきた
鋭い目つきに大量の白髭、何とも威厳に満ちた立ち振る舞いはただ者ではない事を感じさせた。
「この者は私の父の代から宮廷占術師として仕えてもらっているロネオラといいます」
王女に紹介されたロネオラという老人は軽く会釈した後、大きな水晶玉を取り出し俺の前に置いた。
「あの~今から何が始まるのですか?それにこれは何を調べるモノなのでしょうか?」
俺はあくまで自然を装い聞いてみる、ただ一抹の不安が拭いきれないのも事実である
何せこの世界に来てからというモノ、俺の予想の斜め下を行くことが多く
安易にわかった気でいるととんでもない事になると学習したからである。
「今から調べるのは勇者様の適正です、元来人間には生まれ持った適正というモノがあり
それは火、水、風、土といった属性に分かれていまして、どれか一つに秀でている事が多いのです
ただしこれには例外もあります。稀にこれのどれにも当てはまらず特殊な適性を持っている者がいるのです」
うむ、ここまでは俺の予想通り、しかし油断は禁物だ最後までしっかりと話を聞こう。
「その特殊な適性というのは何ですか?」
「はい、これらの属性とは別に〈英霊属性〉というモノがあるのです
それは過去に世界の危機を救ってきた英雄の英霊がそのまま力を貸すというモノなのです
本来確率的には一万人に一人程度しか発生しない希少な属性なのですが
勇者といわれるお方には高確率でこれが備わっていると過去の文献にも記されているのです」
キターーーー‼勇者特典、SSRレア並みの能力アシスト
コレだよコレ、間違いなく俺にも何らかのサーバントサービスがあるはずだ
ワクワクが止まらないぜ‼︎でもこの世界の英霊ってどんな人がいたんだろうか?
できれば美人の英霊だといいけど……よし、聞いてみるか。
「あの、過去の英霊とはどんな人がいたのですか?文献には載っているのですよね」
王女は静かに頷き、話始めた。
「過去には色々な英霊が勇者様に力を貸したという文献が残っています
その中で代表的なものといえば、常に相手を一撃で倒してしまった〈一撃神〉と呼ばれた英霊イバラキ
敵の魔法攻撃も魔獣のヤバい攻撃も全て耐えきり〈耐久神〉と呼ばれた英霊デガワ
各国のカジノを次々と破産させ、各国の経済にまで悪影響を与えた〈賭博神〉と呼ばれた英霊ガイシ……」
何ですかそれ?そいつら本当に英雄なんですか?
「あの、王女様。最初の〈一撃神〉イバラキはまだわかりますが
二人目の〈耐久神〉デガワって、ただ耐えているだけですよね?
しかも三人目の〈賭博神〉ガイシに至っては博打して各国のカジノ潰して回るって……
戦ってもいないし寧ろ苦しめていますよね?」
王女は俺の方をチラリと見た後、話を続けた。
「〈一撃神〉のイバラキの力を授かった者はイバラキ系勇者と呼ばれました
それと同様に〈耐久神〉の力を授かった者はデガワ系勇者
〈賭博神〉の力を授かった者はガイシ系勇者と呼ばれるようになったのです」
どうしよう、どうやら俺の疑問には答える気が無いらしい
まあいいや、しかしイバラキ系やデガワ系はともかくガイシ系はちょっと意味合いが違うと思うのだが
まあ国外に金が出ていくという意味では似たところもあるのか?
「わかりました、では私の属性を調べてください」
俺は宮廷占術師の前に立った。ロネオラは水晶玉をマジマジと見つめながら気難しい表情を浮かべている
すると急に両目を見開き驚愕の表情で立ち上がったのだ。
「な、何という事じゃ、こんな事が⁉」
ロネオラの態度に王女を始め重鎮達も動揺する。
「いったい何があったというのですか⁉」
王女もロネオラのただならぬ態度に思わず質問した、だが俺だけは内心余裕なのである
アニメや漫画で何度も見た光景、ここから繰り出されるセリフはおそらく
〈有り得ない程の膨大な魔力、この様な事は今までありませんでした
過去最強の英霊の加護が付いていています‼〉
って感じ?そうでしょう、そうでしょう、しかし俺は〈何が起こっているの?〉
という顔をしなければいけないのですよね?ヤレヤレ勇者も楽じゃないぜ。
そして俺の思惑通りことは進んでいったのである
「有り得ない程の膨大な魔力、この様な事は今までありませんでした
過去最強の英霊の加護が付いていています‼」
俺の想像通りに発言するロネオラ。この世界に来て初めて想定した事と一致した瞬間であった
一同からは〈おお~~〉という感嘆の声が上がり、王女も涙を潤ませながら嬉しそうに頷いていた
少し前にクーリングオフを検討されていた男と同一人物とは思えない反応である。
「一体何があったのでしょうか?私にはどんな英霊が力を貸してくれるのですか?」
俺も単純に興味があった、過去最強の英霊とはどんな人物なのか?
美人の女剣士なのか、それとも最強の魔法使いなのか、どちらにしろワクテカ展開である事には変わらない。
「失礼しました勇者様、貴方に力を貸してくれる英霊は〈最強神〉ナロウ系勇者です」
「えっ、なろう系勇者?」
もう嫌な予感しかない。人違いで死んで以来、この嫌な予感が外れた事が無いのが更に俺を不安にさせた
頑張って毎日投稿する予定です。少しでも〈面白い〉〈続きが読みたい〉と思ってくれたならブックマーク登録と本編の下の方にある☆☆☆☆☆から評価を入れていただけると嬉しいです、ものすごく励みになります、よろしくお願いします。




