表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

一瞬背筋が凍ったはなし。

 先日、仕事から帰るとあまりに疲れが取れず、頭がほてってよくない状態に気づく。仕方ないので明日もうまくいってもいない仕事に行かねばならなくて、せめて自宅であるアパートの一室で頭を冷やそうと本当に久しぶりに携帯のホラー話を読んでいた。

 クーラーを効かせ、部屋を無理やり冷やし、いつも部屋の外がうるさいのにそんな日に限って周囲が静かだった。しかし、明らかに息を潜めているような悪い緊張感はいつものままだった。

 そして、急に押入れでものが落ちる。その音に少し驚き、疲労感から感覚が鈍化していて隣の部屋だと思ったが、すぐに自分の部屋だと気づき確認する。すると二三日前に届いた贈り物の空ダンボールだった。一番上の方に重ねて置いたものがそのタイミングで落っこちた。

それでも疲労感から気にしないで、ホラー小説を読んでいた。

そして、今度は何か壁をたたくような物音。玄関の外の音かとはじめは気にしなかったが、いよいようるさくなる。

立ち上がり物音の所在を確かめる。すると一匹の緑色の昆虫がお風呂場で明かりに何度もぶつかっていた。気をつけて部屋に入っても昆虫は入るがそんな日に限ってそういうことがある。仕方なしちり紙を一枚取りだし、それで昆虫採集。生き物とはいえ、昆虫は好きではない。

 もどかしさを感じながらもつかみ、玄関のドアを開けて逃がそうと手をふらつかせる。

 ところが、昆虫はドアの隙間からまた暗い足元のほうへ入ってしまい、不平を言いながら僕はまた昆虫をつかもうとさがす。

 しかし、靴をどかしたり、ほうきをどかしたり、玄関の明かりをつけたり、いくら捜しても見つからない。

 あきらめてあとでまた出てくるだろうと部屋に戻り、ホラー小説を読む気もなくなって、寝る前のタバコの一服。

 ベットの横にすわり、タバコをふかすと一瞬呼吸が止まる。

 ……見つからないわけだ。

 緑色の昆虫が自分の右ひざの上にいた。それだけ。


 小説は止めなさいと言われて止めていました。これは話ですし、別にそれでなんにもなりませんが、ありがとう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ