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初投稿です、何卒よろしくお願い致します。
字書きじゃなくて絵描きなので漫画の方がいいだろうな…と思いながらとりま文字にしてみるべ!と書き始めたものなので暖かく見守ってください。
薄暗い、森の中を足を時折躓きながら走る。
後ろからは黒い姿をして、ところどころ溶けたような身体をして、自分よりも数倍の体格があるような異形の化け物が、ぼたぼたと何かを垂れ流しながら、ギラギラと光る目を確かにこちらを捉えて追いかけてくる。
怖い、怖い、怖い。
どうして僕は、あんなのに追いかけられているんだ?
未知のものに追いかけられるというあまりの恐怖で、この森に人なんて誰も居ないのを忘れて、ただ助けて欲しいと半分泣きながら心で祈る。
なんでもいい、誰か、誰か助けて………!
息も絶え絶えになり元からそんなに無かった体力が無くなってきたその時、何かが通り過ぎると同時に視界の端で光るものが見えた。
「え?」
今のはなんだ、と後ろを振り向こうとした途端何かに衝突する。けもの道を走っていたし、走っている方角には暫く木なんて無かったはずなのに。
「うわっ!」
「おっと悪い。大丈夫か?君」
「は?え…えっと…?」
人?どうして…?瞬間そう思うが、はっとして後ろから来ていた化け物の方を見た。
………化け物は、黒い液体を垂れ流しながら倒れていた。化け物の前に立つ人の外套でよく見えないが、恐らく真っ二つになっている…のだと思う。化け物を切り伏せた刃物(多分形状的に刀だと思う)を液体を落とすように降り、どういう原理なのか(外套で見えないけど)懐にしまい込みながらその人はこちらを振り返った。
「君、怪我はなかったか?」
ぶつかってしまった人から声がかかる。
「大丈夫…です、ぶつかってすみません」
「いーのいーの、止める為に前に立ったんだし。君くらいの体格の子ならそんなに痛くないって!」
「そ…そうですか…」
ひょろっこい体格なのを気にしているからちょっとショックだった。でも落ち込むより先に礼を言わなければ…
「少年、命を救われたのに礼も無しか?」
化け物を真っ二つにした人がそう投げかけてくる。その言い方にムっとするも、先に言わなかった自分が悪いので素直にお礼を言う。…少し不貞腐れるようになってしまったけど。
「……すみません、助けていただいてありがとうございました。」
「おいおい、そんな言い方無いだろ?ま、君も気にするなよ。無事で良かった、それでいいじゃん」
「こいつが礼も言わずぼげーっとしてるからリアルに戻してやったんだろうが」
「………」
…なんていうか、変な人だ。お礼を言わなかった自分が悪いんだけれど。ていうか、あれ?
「…人?」
「まあ一応人だな」
「分類上では人ではあるな」
「いや、そうじゃなくて」
どうしてこの、神隠しの森に人が居るんだろうか?