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懐かしき友人

ココアの住むコビーナ村はバスで2時間ほど行った海沿いにある、通称小人族と呼ばれる小さな港町だ。


街の中心部では水揚げされたばかりの新鮮な魚介類や採れたての野菜、森の果実などを扱う露天が所狭しと並んでいた。

ココアみたいに小さな村人達が、威勢の良い掛け声を上げていて市場は活気に満ちていた。


「すげえ。全然変わってない。」

「ツクモ…来たことがあるのか?」


バスから見える海辺の風景の懐かしさに思わず呟やくと、隣の席に座っていたシャオンが不思議そうに尋ねてきた。


「昔住んでたことがあるんだ。ここでは料理人やっててさ。俺の店、結構繁盛してたんだぜ?」

「住んでたって…ツクモは年を取らないんだろ?知り合いに会ったらまずいんじゃないのか?」


いつも同じ場所には用心して5年ほどしか住まないようにしているのだけれど、ここはあまりにも居心地が良すぎてつい長居をしてしまった。

まさかまたこうやって戻れる日がくるなんて思いもしなかったな……


「もう百年以上も前の話だ。知り合いなんて誰も生きちゃいねえよ。」


そう言えばいつも一緒につるんでた奴がいたよなあ。なんて名前だったっけ?

男なんていちいち覚えてないんだよな。気持ち悪いくらい妹のことを可愛がってたのは良く覚えてるんだけど。

確か…木の実の名前だったような……

バスが森の入口にある停留所に到着した。


「ほらココア着いたぞ。ここで下りるんだろ?」


ぐっすり寝ていたココアを起こしてバスから降りた。

ココアは村で毎年行われている年越し祭りの準備を連日手伝わされていたらしい。

疲れていただろうにわざわざ学校まで俺達のことを迎えに来てくれたのだ。



木々や色とりどりの花が生い茂る森の小道を、ココアの家までのんびりと歩いた。

海から吹く潮風が優しく肌を撫でていくのが気持ち良い……


「あの青い屋根の家が僕んちなんだ。」


ココアの指さした家には、玄関デッキに小さなおじいさんが腰をかけて日向ぼっこしている姿が見えた。

随分長生きしてそうなヨボヨボのじいさんだ。

ココアは走って行くとそのじいさんにただいま〜と言って抱きついた。


「紹介するねっ!このおじいちゃんが僕の祖父のそのまた祖父のドングリじいちゃん。なんと今年で130歳!この村の村長やってま~すっ!」





い、生きてた──────っ!!





「じいちゃん、この二人が僕のルームメイトの……」


ヤバいっ!俺は慌てて顔を隠した。

ウソだろ?!よりにもよって一番仲の良かったドングリが生きてるだなんてっ……

この村に15年いた時も俺が年を取らないことであらぬ噂が流れた。

なのにまた顔も名前も同じ奴が現れるだなんて…さすがに勘づかれる!!



「ココア久しぶりじゃのお。また背が伸びたんじゃないか?」

「ええ?今朝会ったばっかじゃん。しっかりしてよじいちゃん!こっちがシャオンでこっちがツク……」



ドングリじいさんはよお来なさったと言って家の郵便受けに挨拶をした。

「じいちゃん違うっこっち!!」

今度はペットの犬に握手を求めている……


助かった……いい具合にボケてやがる。




ドングリじいさんとの挨拶もそこそこに家の中へとお邪魔した。

建物もそうだが、椅子やテーブルや皿やハサミに至るまで、全ての大きさが通常の三分の二の小人サイズだ。

オモチャの家に迷い込んだようなこの独特のミニチュア感が実に懐かしい。


ココアの両親が嬉しそうに出迎えてくれた。両親とも俺の腰の辺りまでの大きさしかない。

ココアの身長も140cmと小柄だけれど、コビーナ村では高身長だったりする。


お腹が空いたでしょうと海の幸いっぱいのご馳走をお母さんが振舞ってくれた。

家族団らんというものに慣れてなくて最初は緊張気味だったシャオンも、ココアの両親がする楽しいお喋りを聞くうちにだんだんと解れてきたようだった。


「そんでなあ、そん時ココアがお漏らしを……」

「わぁーっ!父ちゃん!!その話はしないでよお!」


コビーナスープも久しぶりに食べた。

魚介類をふんだんに使った具沢山のスープで、優しい甘さのする郷土料理だ。

普段は少食なシャオンも気に入ったようで、おかわりをもらっていた。


ドングリじいさんがこれも美味そうじゃのおと言いながら俺の手にブスリとフォークを刺した。

「じいちゃんそれは食べ物じゃない!!」

ココアが慌てて注意をする。

シャオンがお腹を抱えて笑っているから別にいっけど……




楽しいご飯の時間は瞬く間に過ぎ、ゲストルームへと案内された。

「私達のサイズで窮屈でしょうけど、ごゆっくりなさって下さいね。」


小さな部屋に小さなベッドが横並びにピッタリと置かれているのを見て、シャオンの顔が引きつった。







「荷物置いたらティ兄のとこに行かない?面白い魔具がいっぱいあるよっ。」


ティ兄とは魔具創りの鬼才とやらで、以前ココアにロケットランチャーのような空飛ぶホウキを創って危うく宇宙まで飛ばしかけた人物だ。


「ココア、あまりあの人のところへは……」


ココアのお母さんが言いにくそうにしている。

きっとココアは他にもえらい目にあっているんだろう……

母親ならあまり近づいて欲しくない危険人物なのは当然だ。


「みんな誤解してるだけでティ兄は悪くないよ?僕が好きで仲良くしてるんだから平気だって。」


それでもと引き止める母親にココアは行ってきま〜すと言って半場強引に外に出た。

昼間歩いた道はもうすっかり暗くなっていて、急な斜面に沿うように建つ家々には暖かな明かりが灯っていた。



「僕さあ…ティ兄の話を聞いて広い世界に出たいと思ったんだよね。村にある魔法学校じゃなく、メタリカーナ国立魔法学校を選んだのもそんな理由。」


コビーナ村は住みよくて豊かな土地なのでほとんどの村人がこの村で一生を過ごす。

訪れる人達には寛容なのに自分からは進んで外と交わろうとしないのは、小人のような外的な見た目への偏見があるのだろう……

そんな中でココアは周りに臆することなく、外へと大きな一歩を踏み出したのだ。

随分勇気がいったことだろう……


「父ちゃんにも母ちゃんにも大反対されたけどね。でもじいちゃんだけが味方になってくれて二人を説得してくれたんだ。」

「あのボケたおじいさんがか?」

シャオン…ちょっと口を慎め。


「いつもはああだけど、たまに目をカッと見開いて覚醒する時があるんだ。あ、噂をすればじいちゃんだっ。」


森の中でひっそりと建つ古い教会に、ドングリが入って行く姿が見えた。

さっき食べた夕食と同じものをお盆に乗せていたけれど……

「あそこには誰が住んでいるんだ?」

シャオンが俺と同じことを思ってココアに尋ねた。


「誰も住んでないよ。あの建物には村の守り神が祀られていて、この村の村長しか入れない神聖な場所なんだ。」


守り神?そんなものいつ出来たのだろう……

俺がいた頃にはなかった。



「ああやっておじぃちゃんが朝昼晩てお供えものを持って行くんだけど、いつも空っぽになってるんだ。不思議でしょ?どうなってるか聞いてもボケた答えしか返ってこないし…僕はおじいちゃんが食べてるんじゃないかと思ってるんだけどね。」



確かに…あのじいさんなら食ってそうだ。

シャオンは何が気になるのか、何度も振り返っては教会の方を見つめていた。











村外れにあるティ兄の家へと到着したのだが、それは金属の板を縫い合わせたツギハギだらけのヘンテコな建物だった。

他のとは違い、この家は小人サイズではないようだ。


「ティ兄はこの村の人じゃないよ。世界各国を回っていて、ここに来る前はドルミン王国に居たんだって。」


ドルミン王国には俺も少しだけ住んでいたことがある。

まさかまた知り合いが出てくるんじゃないだろうな……


呼び鈴を鳴らしたのだが誰も応答する気配がない。

ココアは鍵のかかっていない扉を開けてティ兄〜と名前を呼んだ。

部屋の中には赤だか青だか緑だか…怪しげな色の照明の下で摩訶不思議な魔具が所狭しと並んでいるのが見えた。


まだ寝てるのかもしれないと言ってココアは2階にある寝室へと階段を上っていった。

どうもティ兄とやらはかなりの変わり者で、朝と夜が逆転した生活を送っているらしい。

シャオンは好奇心がうずくのか、近くにある魔具をマジマジと観察し始めた。


「おいシャオン、危ないから触んなよ。」

「ツクモ、これはなんて魔具だ?」


俺にもわかんねえよこんなキテレツな魔具……

部屋の奥へとどんどん入っていくシャオンに俺もくっついていった。

あのロケットランチャーをさらに改良した空飛ぶホウキが壁に立てかけてあった。

こんなもん誰が乗りこなせるんだよ……

シャオンが興味深げに見ていたのはキラキラと輝く赤いマントだった。


世の中には不思議な効果のある天然石がある。

それは魔石と呼ばれ、とても貴重だし高価なものだ。

このマント……超レアな防御効果のある魔石が細かく砕かれて編み込まれてやがる。

いくらするんだか天文学的過ぎて検討もつかない。


ティ兄って…一体、何者なんだ……?



「ツクモ、僕には触るなと言っておきながら自分はいいのか?ズルいぞ。」

「はあ?なに言って……」


俺の横で壁に掛けてあるランプが激しく点滅していた。

デザインがコウモリの羽のようにも見える……

……何だこのランプは?




「ほ、ほ〜うっ……」




唸るような奇妙な声に振り向くと、玄関先にヒョロっとした長身の男が立っていた。

牛乳瓶の底のような分厚いメガネを掛けていて髪はクルクルと伸び放題。サーカス団のピエロのような派手な服装をしていた。

俺のことをほうほうと言いながら舐めるように見てくるのがすっごく気持ち悪い……こいつがティ兄か?

2階からココアが飛び跳ねるように下りてきた。


「あー!どこ行ってたの?約束してたのにーっ!」


ココアが勢いよく現れたことに驚いたティ兄はメガネがずり落ちた。

その左右で色が違うオッドアイの瞳には見覚えがあった……


こいつっ……

ティーチ・アルバ・デロス博士だ!!


俺の記憶にあるのは白衣姿の博識ある天才学者なのだが間違いない。

ドルミン王国では知らない人はいないほどの有名人だ。

なぜかと言うと、十年前にドルミン王国の首都で大爆発を起こして壊滅状態にしたキテレツ博士だからだ。

住民は全員避難していて怪我人こそ出なかったものの、街が半分跡形もなく無くなったのだ。

俺も当時住んでいた家を吹き飛ばされたのでこいつの顔はよく覚えていた。


国の研究機関で軍事用の魔具の開発をしていたらしいのだが……

ドルミン王国からの賠償請求を恐れて国外へ逃げたと聞いていた。

それがまさかこんな所に住んでいやがったとは……

ティーチ博士は前歯の欠けた口をに〜っと開けながら笑った。


「ココアさんのお友達でしたか。お待たせしてしまったようで失礼しました。ちょっと気になる噂を聞きましてねえ、情報を集めていたんです。」


バタバタと部屋の中を物色し始めたティーチ博士は巨大な虫取り網のようなものを手にすると、またに〜っと笑った。




「森で人魚が現れたんですよ。」




はあ…人魚だと?

人魚とは上半身が人間で下半身が魚という伝説の生き物だ。

海ならともかく森でって…そんなのおかしいだろ?


「実に具体的な目撃情報でしてね。新聞記者も来ていて今森は大騒ぎです。皆様にもとっ捕まえたらお見せしますね。では。」

「ええっ?ちょっと、ティ兄っ……」


ココアが止めるのも聞かないでティーチ博士は意気揚々と出かけて行った。

思っている以上のかなりの変わり者のようだ。



「この村には人魚がいるのか?」



シャオンの質問にココアは頭を抱えて盛大にため息を付いた。


「昔っからなぜかこの村にはいるって言われてるんだ。コビーナでは誰も信じちゃいないのに…そんな噂が立つ度に部外者がやってきては大騒ぎするんだ。」



帰ろっか〜と言ってココアはトボトボと歩き始めた。

森の小道からは人魚を探しているであろうたくさんの明かりが、あちらこちらで見え隠れしていた。



「今回はえらい騒ぎだなあ。」



ココアが呆れたようにまたため息をついた。

















「ツクモ…朝までチェーンでベッドに縛り上げててもいいか?」

「シャオン…そんな状態で俺がぐっすり寝れると思うか?」



今夜はあの小さなベッドでシャオンと仲良くご就寝〜と俺は浮かれていたのだが……

シャオンはものすっごく嫌がってやがる。


まあ無理もないか……

試しに二人でベッドに寝転がってみたのだけれど、相手の近さを肌で感じてドキリとしてしまった。

少し寝返りを打っただけでも横で寝ているシャオンと体が触れ合ってしまう……


もし手を出すようなことがあれば俺を八つ裂きにしてくれても構わないと言っているのに、シャオンはまるで信用してくれない。

そりゃあ色々よこしまなことは考えちまうけれど、ココアの実家でそれをヤってはいけないくらいの節操は俺にもあんぞ?


とはいえ俺も、この小さなベッドでシャオンと一晩何もせずに過ごすのは辛過ぎる。

俺は〈デガント〉と唱えると、部屋いっぱいまでベッドを大きくした。


「なんだこの魔法は?」

「拡大魔法だよ。単一の物質で単純な形態の物しか大きく出来ないから使い勝手は悪いけどな。」


これならお互いに伸び伸びと寝れそうだ。

シャオンも安心したようにゴロンと横になったのだけれど、あまり無防備な姿を俺に見せないで欲しい……

男のシャオンにも欲情しちゃう俺ってどうなの?



「ココアはいないと言っていたが、人魚も本当はいるんだろ?」

「あ〜?人魚ねえ……」



シャオンの言う通り人魚も俺達と同じ魔物だ。

かつてのコビーナ村の海には大勢の人魚が泳いでいたのだろう……


「八百年前に絶滅してる。魔物達から狙われたんだ。人魚の悲劇ってやつだな……」


俺もベッドに寝っ転がって欠伸をしながら答えた。

今日はいっぱい移動したせいか眠いったらない。



「なぜ狙われたんだ?人魚の悲劇ってなんだ?」

「魔物達がこぞって人魚がもつ特殊能力を欲しがったんだよ。」



人魚にとってはなんの得にもならないその能力とは、人魚の肉を食べると不老不死になるというものだった。

そのせいで魔物からも人間からも狙われた人魚は行き場を失い、命を奪われ……

食われるくらいならばと、人魚の多くは自らその命を絶ったのだ。

強すぎる特殊能力というのは、時に不幸を招く……



「でも、人魚の肉は猛毒なんだ。人間だと大半はその毒にやられて死んじまう。生き残って不老不死の力を手に入れられたとしても、化け物みたいな姿になっちまうって話だ。」



昔俺がここに住んでいた時、人魚の肉を食べて不老不死なったのだと噂されたことがあった。

ここに来た時に年齢は20だと偽っていた。

それが15年経っても十代のようなピチピチ肌なんだから疑われても仕方がないのだが……


「今日は疲れたからもう寝ようぜ。シャオンも女に戻ってゆっくり休めよ。」

「君が完全に寝てから寝る。」

めっちゃくちゃ警戒してやがるな……



シャオンはベッドから起き上がるとぼんやりと外を眺めた。

窓の外にはあの古びた教会が見える。

誰もいない教会の窓に、薄明かりがぼんやりと灯っていた。



「魔女にも特殊能力はあるのか?」

「さあな。俺も魔女のことは詳しくは知らないんだ。地下空間の図書室に資料はなかったのか?」


「……それについての記述はなかった。」

「じゃあないんじゃねえの?どの種族にもあるってもんでもねえし。」



眠くて目がしょぼしょぼしてきた。

俺はシャオンに背を向けておやすみと言ってから布団を被った。



「ココアの両親はとても暖かいな。ココアがなぜあんな風に人懐っこくて周りに元気を与えることが出来るのかがわかった気がする。」


魔女であるシャオンは特殊な産まれ方をする。

人間の心の闇に入り込み、その人間の腹を媒体として生まれてくるのだ。

そして媒体となった人間は魔女を産み落とすと直ぐに死んでしまう……

魔女には両親という者が存在しない。


育ててくれた母のことも、シャオンは名前しか知らない。


シャオンの母だという魔導師はリハン・ドゥ・アルディと名乗っていたらしい。

シャオンから聞いたか限りじゃ優秀な魔導師だと思うのだが、その名前はどの書物にも記録は残されてはいなかった。

まさか魔物かとも思ったのだが、六年間一緒に暮らしていたシャオンが何も不審に思わなかったので、それは流石に有り得ないだろう……

てことは偽名だったのか、存在自体を消されたのか……


てことは偽名だったのか、存在自体を消されたのか……

母からも、知り合いだったというトムの手掛かりを探ることは不可能だった。



調べても調べても何もわからないとシャオンは嘆いていた。



トムのことも、母のことも……

自分のことでさえも……






「魔女とは、千年に一度産まれてくるものらしい。」






──────千年に一度?


魔女がレアなことは知っていたが、千年にたった一度だけだって……?

今のこの世界どころかこの先千年まで、魔女という存在はたった一人、シャオンだけなのか……




「僕は何故生まれてきたんだろう……母が命をかけてまで守る価値が、僕には…本当にあったのかな……」




シャオンは誰に言うでもなく、消え入りそうな声で呟いた。



明日で今年も終わる。

来年はきっと良い年になるさ……

そう言いかけた言葉を飲み込んだ。

なんの確証があってそんな軽々しい言葉が言えるんだ。



敵討ちのために危険を犯してまで烈士団に入ったというのに……

進展するどころかますます暗雲に乗りあげるばかりだ。

シャオンが気落ちしている様子が見て取れた。



無駄に長く生きてきたのに、こんな大事な時に力になるどころか慰める言葉ひとつ思い浮かばないだなんて……





────ツクモの分際で生意気なんだよ。おまえはしょせん、その程度の男なんだ。





くそっ……

なんで、こんな時にまほろばの顔なんかが浮かぶんだ。



シャオンは俺がもう眠りについたのだと思い、ペンダントを握って女の姿へと戻った。





月の青い光に照らされて、そのまま孤独の闇の底へと溶けてしまいそうなシャオンの横顔に……


胸が、張り裂けそうなくらいに苦しくなった。















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