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何がいけなかったの


 私たちは2人とも特進クラスを選んだ。勉強はますます難しくなったけど2人で切磋琢磨して学校の試験はトップをキープし続けた。いつしか私を馬鹿にする人は居なくなってお似合いのカップルだと言われるようになった。

 2人で塾を決めて大学も同じところを目指した。優ちゃんのお父様は優ちゃんの学力が上がった事に喜び、偏差値の高い目標の大学ヘ行くことができたら何でも買ってやると約束したらしい。優ちゃんは欲しいものがあるようで必死に勉強をしていた。塾の帰り道私たちは並んで歩きながら将来の話をした。


「俺は勉強して父さんの後を継ぐつもりだ。」


「じゃあ私は内助の功になって支えるね。だから就職するあなたの会社に!」


「ゆずは本当に可愛いな。」


 優ちゃんはそう言って私の頭を撫でた後、少し眼にかかった前髪をかきあげキスをした。

 私はびっくりしたけどただ受け入れていた。初めてのキスだった。


 順調に成績を伸ばし私たちは目標の大学に合格した。大学も受かり入学式を待っていた私たちは、少し勉強を休んでデートをした。映画を見てカフェに入ったところだった。優ちゃんは会った時からそわそわしていて変だなと思っていた。


「あのなゆず。父さんが何でも買ってくれると俺に言った話を覚えてるか?」


「うん。何か買ってもらったの?」


「ああマンションの部屋を買ってもらった。4LDKの部屋だ。父さんよっぽど嬉しかったらしい。」


「優ちゃんのお父様凄いね。それで?」


「一緒に住まないか?俺1人には広すぎる。」


「えっ。じゃあずっと一緒にいれるってこと?」


「ああ。ゆずさえ良ければ。」


「うん。よろしくお願いします。」


「良かった。いやと言われたらどうしようかと思って、朝から気が気じゃなかった。」


 それから私の両親に挨拶をしてくれて私たちは一緒に住み始めた。大学に行くのも一緒、帰るのも一緒で私は幸せだった。けど優ちゃんは息が詰まるようで少し私を避け始めた。

 そして優ちゃんはバイトを始め、私も社会勉強の為にバイトを始めた。1人の時間ができてそれがよかったのか優ちゃんはまた優しい優ちゃんに戻って私を避けるのをやめた。

 大学では経営学を専攻した。優ちゃんはたまにお父様の仕事を手伝っているようだった。私は色んな資格を取り続けた。優ちゃんの隣に立っても恥ずかしくないように、見た目も磨き始めた。

 優ちゃんは少し派手な女性が好きで道を歩いていると目で追うようになった。夜の行為で私はいつも色んな女を演じては、最後は優ちゃんにせめたてられて気を失う。いつも死にそうになるのだ、優ちゃんが愛し過ぎて息をすることも忘れてしまう。


 私たちは語った将来を現実のものにした。優ちゃんはお父様について仕事をし始めて、私は優ちゃんのいる会社へ就職できたのだ。私は必死に仕事を覚えた。配属された人事課は激務でお給料関係や労働系の法律等、覚える事が多く怒られることばかりで何度も挫けかけたけど、優ちゃんの事を思うと仕事を頑張れた。三年目でやっと何を聞かれても指示されても、間違える事なく仕事ができるようになった。


 そして今日は優ちゃんの誕生日。優ちゃんのお披露目もかねて会社の人も呼んでホテルでパーティーをする事になった。優ちゃんも頑張ったのだお父様に認められこのパーティー後、秘書を務めその後役職につくらしい。

 盛大なパーティーが始まり私は規模の大きさに少し怖じ気づいていた。優ちゃんが遠く感じる。優ちゃんは舞台の上でニコニコと様々な人と話をしている。それなのに私は会場の隅でただお酒を舐めているだけだ。そんな時に司会の人が舞台に上がった。


「皆様お静かに!今日の主役の松本優一様から重大発表があります!」


「皆様、今日は私の為にお集まりいただき誠にありがとうございます。本日は私事で恐縮ですが婚約者をこの場で紹介させていただきます。」


 えっ優ちゃん!私聞いてない!普通の格好しかしてないよ!どうしよう!


「さあ上がって来てくれ。高井みさきさん。」


「優一さん。」


 私は何が起きたのか分からぬままただ1人立ち尽くしていた。



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