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プロローグ
さて、どうしてこうなったものか……
いきなりこんな文章から始まるのは謝ろう。しかし……
「おい、サイガー!俺と勝負だ!」
「おい、俺が先だぞ!」
「なんだと!」
「ああ!?、やんのか!」
「上等だ!」
目の前で、喧嘩をしだす二人組の男子生徒。
頼むから、俺の目の前ではやめて欲しい。他の生徒達に見られるじゃないか。
そんな俺を無視して喧嘩しだす。まぁ、ここに来てからは毎日のようにあることだからもう慣れた。あらためて、慣れって恐ろしいものだ。
私立カレイド学園、俺が通う高校だ。
敷地面積が東京ドーム36個分はあるマンモス校であり、偏差値70以上の超エリート高校でもある。
そんなエリート校に内申20以下でありながらも通っている超馬鹿な男、光林寺斎賀。
裏口入学なんかではない。
光林寺の両親は生まれた時から存在しない。この学園とはなんの関わりもない。
では、なぜこうなったのか。それは約3ヶ月前の出来事だった。