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ラストファイル 人生を見つめ直す時がやってきた。。

いきなりですが最終回です。。


よろしければ前回までのお話も

併せて読んでやってください。

『お疲れ様でした叩所長。突然大変でしたね。。』

「ああ。いきなり留守番を頼んで悪かったね。

 それよりもう所長はやめてくれ。。永井所長ながいしょちょう。」

『…いやですよ。そちらこそ気の早い。。』


「しかし最終出勤日にこんなことになるとは…

 なんとも因果な話ですね。。」

「まぁ俺も総務課の一員だからな。。

 お世話になった同僚の葬儀に出るのは仕事のうちだよ。

 伊野さんだって主任になったんだから。」

「…ですね。そんな機会もあるんでしょう。

 でも今回は出席したかったなぁ。。

 あの人には私も随分とお世話になりましたから。」



 ここは県庁の自殺課。私は所長の叩一人たたきかずと

 詳しくは第一話を読んでください。


 

 はてさて察しのいい読者はお判りでしょうが…

 今はあの一家心中の男を見送って数日後。


 つまりは前の話から7年が経過している。。


 その間に永井さんは主任から副所長に昇進。。

 私の下で8年も勤めてくれた彼女は、

 明日からウチの所長に就任することに。


 伊野さんは正式に県庁職員に採用された。

 一度は人生を捨てかけた彼が…

 【ファイル04参照】

 今年度からは主任として頑張ってくれている。。


 そして53歳だった私はいつしか還暦。。

 本日を以て…


 定年退職ということになった。。



 永井さんが所長で伊野さんが補佐役。

 来週からは新人が転入してくるらしい。


 体制は万全だし引き継ぎも済んでるから

 思い残すことはない…はずだが。。


 定年を迎えるその日になってまたあの

 小さな不安がまた頭をもたげることになる。。


 というのも…



『それでどうだったんですか??葬儀の方は…』

「ああ。滞りなく済んだよ。

 しかし…寂しいもんだったな。。」


『参列者…少なかったんですか??』

「…ああ。だって何しろ…

 あの人は奥さんと死別してるし子供もいない。。

 しかも退職後は誰とも親交がなかったから…」


「…とはいえ定年からまだ三年でしょ。。

 そんな急に人間関係って絶えるもんですか??」

「…伊野さんだって…

 そんな例はたくさん見てきただろう??」

「……(´・ω・`)」



 ちなみに亡くなったのは…小森さん。。


 私の恩人とも言える先輩。。

 この営業所の先代の所長でもある。。

 (´;ω;`)【ファイル09参照】


 彼が63歳の若さ(?)で淋しく亡くなったのは、

 家族や友人に恵まれなかったというのもあるが

 その最大の理由は…


 …その経歴ゆえだと思う。。


 自殺課の所長を5年…

 引き籠り課の立ち上げと課長を都合5年…


 かれこれあわせて10年以上もの間、

 命と向き合う仕事を続けてきたからだと。。

 


 …かつて小森さんと話をしたことがある。。


 人間は鈍感になる生き物であると。。


 香水をつける人は自分の臭い鈍感になり…

 仕事をしすぎる人は疲れに鈍感になり…

 暴力に携わりすぎた人は痛みに鈍感になり…


 札束を見すぎた銀行員はお金に鈍感になり…

 凶悪犯を見すぎた裁判官は悪者に鈍感になり…

 

 だから常に命を絶つことに携わりすぎると…

 命の大切さに鈍感になってしまうと。。


 

 さらに人間は同調する生き物でもあると。。


 戦場で仲間を失った兵士が死に急ぐように…

 リストラを担当した部課長が辞表を出すように…


 命を見送り続けた者は、

 同じ道を急ぐことが多いらしいこと。。



 …小森さんもそうだったのかもしれない。。


 三年前に退職した後はほとんど誰にも会わず…

 あまり飲めないはずの酒量が増え…

 健康診断も受けていなかったらしいんだ。。


 そして数日前…

 誰にも看取られることなく孤独死したそうだ。


 発見は…一週間も経過した後、、(;△;)



『でも…そういう人は多いらしいですね。』

「そうなんだよな。。

 仕事があるうちはあまり考えてなかったけど、

 今日のことで心配になっちゃって…」


『…といいますと??』

「だって俺も一人暮らしだし、

 家族もいないし人付き合いも少ない方だ。

 退職したらどうすればいいのか…」


『そんなの…何だってできるのでは??

 だって貯金も退職金もあるんでしょう??』

「まぁずっと独身で金を使う機会もなかったし…

 退職金は…公務員様々だな。。(^v^;)」


「そうですよ。ゆっくり考えてください。

 これから時間はいくらでもあるんですから。

 例えばそう…旅に出てみるとか。。」


「…たしかに何処にも行ったことなかったな。。

 アドバイスありがとう。

 さすが伊野さんは主任さんだな。」

「…いや。。大したことでは。。(^∀^`)」



 …こうして私は…


 翌週から旅に出ることにした。。

 いい年して自分探しというわけではないが…


 これからの生き方を探るのを目的とした

 のんびりとあてもない一人旅に。。



 けど…私はこれまで仕事しかなかった身。。


 いきなりのんびりなんてできない。

 頭を空っぽにはできない。

 自分の行く末だけを考えることもできない。


 そんな私の頭によぎるのは…


 自殺課を訪れた人たちとの想い出…

 というか彼らの相談事。。


 自ら死を選んだ人たちの価値観と…

 独特な命に対する考え方。。



 でもその中で一番多かった意見は…

 命があるべきかの判断材料は…


 社会のプラスになっているかということ。。

 生きる理由があるかということ。。

  

 私には…どちらもないのかもしれない。



 さらに私は…公務員年金で生きる身。

 国民年金や厚生年金よりは恵まれていると思う。


 頑張ってきた成果といってくれる人もあるが、

 年金とは実はそういうモノではない。

 あくまで自分は若い世代に負担させている…

 生かさせていただいている身分。。



 だがその恵まれた環境に応えるだけのことを…

 社会貢献をできる目途がまるで立たない。


 自分を必要としてくれ人がいるのか…

 自分がいないことで困る人がいるのか…

 それともどちらもいないのか…


 …わからない。。


 私は視野を広げて全体を鳥瞰しては、

 中心にいる自分自身さえぼやけてしまう未熟者。


 もっと視野を狭めて具体的に考えないと。。 



 では私には…命を絶つほどの絶望があったか…

 何かに貶められる辱めはあったか…

 償わねばならぬほどの罪悪を犯したか…

 死を免れぬほど…頭や体が弱っているのか…


 いずれもない。。


 これでも私は慎ましく生きてきたつもりだ。。

 お天道様に顔向けできない生き方はしていない。

 そして…さしたる絶望も辱めも障害もない。。



 では命を懸けてでも訴えるべきがあるのか…

 命より大切なモノがあるのか…


 これもない。。


 

 本当に…何もない。(。-_-。)


 かれこれ60年間も生きてきたのに、

 自分自身に何もないことに改めて驚かされる。。


 では…私の人生とはなんだったのだろうか??



 …というかちょっと待て。(=゜Д゜)ノ


 私は…どうしたいんだ??

 たしかに長生きを望んでまではいないが

 自ら命を絶つほどのこともない。。


 だからことここに至っても…

 自殺課を訪れる人の気持ちは…


 本当の意味では分かっていない。。



 まったく人間は愚かしい。

 時間が余るとロクなことを考えない。


 やっぱり私の性分では…

 一人旅でノンビリなんてできない。。


 とはいえそんなナイナイ尽くしの私には…


 帰ったところでやることがない。

 行くところもない。

 ボーっと家で過ごすのは…

 さらにやるせない。。



 そんなわけで私は、定年退職から

 わずか一か月で音を上げて…


 またあそこに行ってしまった。(^^;)


 退職したら行かないつもりだったのに…

 自殺課関係者でもある…


 あの小池さんのスナックに。。



『ふーん。相変わらず大変ね。。』

「…そうなんだよな。。

 仕事は大変だったけど…暇はもっと大変だ。。」


「そうですかな。。私は案外忙しくてね。

 せめてこのじゃじゃ馬が落ち着いてくれれば

 少しは楽になるのですが…」


『もう、お父さん!!

 いつまで私を子ども扱いするのよ!?(´Λ`)』


「何を言うか。50のヒヨっ子が!!」

『…50って言わないで!!(`・△・´)/ 』



 …小池恵さんも…五十路になった。。(´^∀^`)


 さすがに恋の機会は収束気味で、

 今はスナックのママとして落ち着いている。


 そして…父親の大沼良秀さんと同居中。


 大沼さんは会社役員まで務めた経験を活かして

 娘の店のマネージメントを引き受けていて…


 今はスナックの経営も落ち着いている。


 もっとも大沼さんは可愛い(?)娘さんを

 今でも嫁に出したいらしいんだけど…


 さすがにこの歳ではお相手が…(*^▽^;) 



 一方で大沼さんは店の経営の一方で、

 地域のボランティアや老人会にも参加して、

 家事も一手に引き受けていて…


 よわい76歳にしてけっこう充実した毎日らしい。


 これは相談相手として打ってつけかも。。

 とりあえず年の功を頼りに話してみたけど…



「…なるほど。。そういうことですか。。」

「そうなんですよ。。(´・ω・`)

 退職してからというモノ生甲斐がなくて…

 生きてる意味が感じられなくて。。」


「しかし因果なもんですな。。

 たしか7年前に私がしたのと同じ相談を、

 今度は私が所長さんから受けるとは…」

【ファイル11参照】


「…お恥ずかしい。。

 私はまだ死にたいとまでは思いませんが

 生きる理由もないなと思いまして。。」


「では私と同じように、

 ボランティアで元の職場に入るとか。。」


「…それがそうもいかないんですよ。。

 元の職場に前の上司が戻ってしまっては、

 後進が苦労するだけですから。。

 だから他の出張所にも行きづらくて…」


「…それもそうですな。。

 では別のどこかにボランディアとして

 入れてもらうとか。。」


「…それも考えましたが…

 今さら別の仕事を習得するなんて…」


「…これは…困った。。(´・ω・`)」



 そう。どうしてもそうなる。。


 還暦を過ぎた今さら新しい仕事なんて…

 新しい分野への挑戦なんて。


 わかっている…

 同じ立場の大沼さんには言えないことは。。


 でもわかっている…

 私の求めていたことは本当は。。


 そしてわかっているのはやっぱり…

 私とは違う生き方をして…


 実は私と同じモノを…求め続けていた人。。



『それで…叩さんはどうしたいの??』

「…どうと言われても…」


『だって叩さんは…

 どうするべきかを知ってるんでしょ!?

 他人になら言えることを…

 どうして自分には言えないのよ!??』


「…どうしてと言われても…」

『でも…わかってるはずだよ。。

 困った時は視野を広げて高い所から見たら…

 案外簡単に解決するってこと。。』



 …そう…わかってる。。

 …自分に何を言うべきかはわかっている。。


 私は…やるしかないんだ。。


 居場所が欲しいのなら…

 少しでも社会の役に立ちたいなら…


 年齢や環境のせいにするんじゃない。。

 自分から…動くしかないんだ。。


 

 もちろんそれは歪を生むかもしれない。

 誰かにとっては迷惑かもしれない。


 でもその不利益は許されないか??

 私は…そうではないと思う。


 なぜなら私は積み重ねてきたから。

 不利益分くらいは重ねてきたから。


 その程度なら容認される…徳を…



 逆に言えば…

 自負がなければ好き勝手はできない。。

 

 自分がマイナスにはなれない私にとって…

 社会に貢献したい我々にとって…


 日々を真摯に生きなければならない。。


 多少のことで揺るがないぐらい…

 悪くて勝手な自分を赦せる程度までは…


 積み重ねてきた自負があるから。。



 では私はどうあるべきか…

 意味のある余生を過ごす方法あるのか…


 まして自分は多くの命を見送り過ぎて…

 自分自身さえ大事にできていない。。


 …小森さんだけではない。。


 自殺課の関係者は概して短命なんだ。

 自ら死を選んだ人も少なくない。


 そんな状況を私自身も

 危惧していたのは間違いないのに。



 他人に言えることが自分には言えない。

 それは…誰でも同じ。。


 親も教師も指導者もアドバイザーだって、

 自分には言えない言葉で指導をする。。


 そんなセリフに耳を塞ぐのは…

 <アンタに言われたくない>と楯突くのは

 愚の骨頂の極め付け。。


 私にだってその程度の心得はあるはず。

 その程度の恥は知っているはず。


 だって凡庸とはいえ未熟とはいえ…

 私は真剣に命と向き合ってきたんだから。



『じゃぁ叩さんは…わかってるんだよね??』

「ああ。やるべきは学び動くこと。。

 何歳いくつになっても進化を続けること…だろう??」


『…わかってるじゃない。。

 だったらどうしていこうと思う??』

「まずはどこかでボランティアをやろうと思う。。

 …今までの経験を活かして…

 悩み相談か人生相談でも手伝えれば…」



「…だったら自殺課に戻ればいいじゃないか。。

 私が降りてからは相談役は空席だぞ。」

「そうですね大沼さん。。

 永井さんたちの迷惑にならない程度に…

 まずは相談役見習いの立場で。。」


『でも…それでいいのかな??

 結局は前の職場に戻るだけにならない??』

「…はは。まずはきっかけだよ。。

 やっと役所以外も見れる身分になったんだ。

 公務員のうちはできなかったこと…

 今からゆっくり探し続けたいと思う。。」


『…うん。変わり続けるなら…

 視野を広げて挑戦し続けないとね。。』

「ああ。それも追い込まれてからではなく…

 自分の徳があると思えるうちにだ。。」



「ならばプライベートも変わらんとな。。」

「…そうですね大沼さん。

 老人会を紹介してもらおうかな??」


「それもいいが…

 家族を持つのもいいと思うぞ。

 いつまでも一人では刺激もないだろう??」

「…そうですね…しかし相手が。。」



「どうだね??あのじゃじゃ馬でよければ…」

「…いや…そういうのはその…」

『ちょっと…私だってそういうのはその…』


「はは。息子よ。。」

「だから違いますってお義父さん!!

 って…あらら。。(;'∀')」


『だから…私はイヤなの!!

 お父さんの敷いたレールに乗るのは…』

「何を言うか!!

 私はお前の将来を案じてだな!!」

「……(*_*)」



 あらら。。またですか。(+_+;)


 30年前に同じパターンで喧嘩別れして、

 7年前に再会して仲直り(?)したのに…


 それからずーっとこんな感じらしい。。

 この父娘は…多分一生このまんまだろうな。。


 でも…私は変わり続けないとな。。


 結婚の件はとりあえず保留だけど…

 この父娘と家族になるのは難儀だけど…


 …できる限りは…



 だって私には…責任があるから。。


 都合1000人以上の人命を見送った…

 その生涯をつなげなかった…

 仕事とはいえ…罪深い業が…


 そして…彼らの思想に則りたいから。。


 誰かの役に立ちたい。。

 世の中のプラスになりたい。。

 迷惑をかけたくない。。

 自分の思う理想の自分でありたい。。

 

 そうであるための道を生涯をかけて…

 探し続ける義務がある身だから。。




 こうして翌日、私は久々に職場を…

 いや、前の職場を 訪れた。。


 自殺課は…今日も盛況だ。。


 なにせ7年間に初めて年間10万人を

 突破した訪問者数は増え続け…

 昨年にはついに年間20万人を突破。。


 出張所も倍近くに増えたんだから。。


 でもだからと言って…

 相談者が増えたからと言って…


 それが単純に悪いというわけでもない。。



『見てくださいよ。叩所長!!』

「おいおい。。

 それは違うだろう??永井所長。。」


『…すいません。。まだ慣れなくて…(*^^*)』

「それより何??見てほしいモノって…」


『ほらこれ…見てください!!』

「ほう。ついにやったか。。」



 そこに書かれた数字は…4ケタだ!!


 年間およそ3万人と言われた自殺者数は

 ここ五年ほどで急速に減少…

 ついに今年1万人を切ったんだ!(^o^)/


 しかもそのほとんどは自殺課で…

 飛び降りも電車事故もほとんどない。。


 …ではなぜそうなったかと言うと…



『今から思えば自殺課って…

 これが目的だったんでしょうか??』

「…かもしれないな。。

 いつしか人権派とも境界線がなくなって…

 命の相談所みたいになったからな。」


『…でも最近は思うんですよね。。』

「…なにを??」


『自殺課は…自殺をただの

 【選択肢の一つ】として扱ってきたって。。

 だから自殺は減ったんだって…』

「…手段の一つ??」



『立ち直るにしても…生き方を変えるにしても…

 何もせずに生き続けるにしても…

 それは解決の一つの選択肢に過ぎないって。』

「…それはそうだけど…

 つまり…自殺もそれと同じだと??」


『…同じかどうかは分かりません。

 赦されるべき手段なのかそうでないのかも。。

 でも…選択肢の一つなのは事実です。。』

「…だから??」 



『…本気で悩む人の解決策を探る時に…

 選択肢を減らしてはいけないと思うんです。

 考えられる選択肢を全て見せないで…

 ベストの選択などあり得ないのではと。。』

「……(´・v・`)」



 …たしかにそうだと思うよ。


 だって死は特別ではないから。。


 人間として守るべきモノを失い…

 生きる意味を失くし… 

 社会的に復活できないのなら…


 さらには心を病んで立ち直れなくなったり…

 自分や他人を傷つけたり…

 社会のマイナスであり続けたりしたら…


 それを…生きているとは言わないから。。

 

  

 でも…それを表立って言うことはできない。。


 命が大切なのは紛れもないし…

 命さえあれば復活するかもしれない。


 その可能性までを否定してはいけない。



 だから…自殺が減ったんだと思う。。


 死ぬという選択肢の利と害を正直に示すこと…

 死ぬことによる免責の利を無くすこと…

 そして何より…生きる意味を考えること…


 死ぬしかないと思いこむ視野の狭い人には

 最期の瞬間に必ず思いを吐露させて、

 第三者の視点でもう一度見つめなおすことで…

 

 自殺を頭ごなしに否定せず、

 あえて選択肢の一つとしたことで…



 逆に死者を減らせたんだと思う。。



 だって死という選択肢を全否定すれば、

 生という選択肢を肯定する機会もない。


 冷静に手段として他の選択肢と比べれば…

 他の選択肢より有利にならなければ…


 誰も好き好んで死んだりはしない。。



 長い時間をかけて自殺課はようやく…

 その域に来たのだと。。(´・v・`)



「…でも嬉しいな。。

 俺たちの仕事が間違えていなかったと…

 ようやく示せるようになったんだからな。。」

『…そうですよ。叩所長のおかげです。。』


「そ…そんなわけないだろう!!(#・ω・#)

 俺はただ皆と一緒に…」

『…ですよね。。でも今度は私が所長の間に

 もう一つの課題も何とかしたいなって…』


「…できるのかい??だって…

 自殺者を減らすより難しい課題だぞ!?」

『大丈夫ですって。(^-^)

 だって時間はタップリありますから。。』


「…そうかぁ??

 だって永井さんだって定年まであとご…」

『…言うなぁ!!(#`゜〆゜´)ノ』



 …はは。怒られちゃった。。(*^▽^*)


 けどこれも…笑いごとでない問題なんだ。。


 だって自殺課の表向きの目的は、

 税金の節約なんだから。


 いくら死者が減ったところで…

 出張所を増やして増員していては


 …やっぱり金がかかるから。(;'∀')



 でも…学んできたじゃないか。。


 我々はまだまだ変われるじゃないか。。


 自分たちが変わり続ければ…

 状況も変わるかもしれないじゃないか。。



 頑張れば何とかなるかもしれない。

 何でも解決するかもしれない。


 永井所長のいるあと五年の…


 …<ゴチン>


 …はは。殴られちゃった。。(´;_;)ノ



 でも本当に五年後…

 役所を上げて選択肢を増やした結果…

 命の意味を強調するのではなく…

 生きる意味を大切にした結果…


 本当に問題は解決したんだ。。(^^)

 

 まぁ…完璧とは言えないけど…(+_+)



『またあなたですか、品内しなうちさん。』

「うるせぇ税金泥棒ども。来てやっただけありがたく思え。」


「けど、品内さんはほぼ毎日じゃないですか。

 うちの相談件数の半分が品内さんですよ。ねっ永井所長。」

『そんなに多いの伊野主任??

 っていうか品内さんは何歳になったんですか!??』


「はは。。今年で米寿を迎えるぞ。。」

『もう…完全に天寿を全うしてるじゃないですか…』



 まぁ…いいか。。(*´v`)


 私もまだまだ未熟者だけど…

 変わり続けるべき不肖の者だけど…


 

 何歳いくつになっても居場所のあるうちは…

 成長を続けて変わりたいと思えるうちは…


 みんな生きていけるんだから。。 



ご愛読ありがとうございました。


命と人生の意味を凡人の視線から

およそ一年半ほど書いてきましたが…

難しかったですね。。(*^^*)

思いの丈の半分も書けてないかな。。


でもおそらく一番の未熟者は私ですから。

これからも変わりながら…成長を続けながら

書き続けていきたいと思います。


ちなみに作者は他に、

『空を飛ぶ鳥のように』というタイトルで

火曜日11:00に週間連載もしておりますので

こちらも読んでやってください。


…ただし今週は休載です。。(^^;)

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